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第章 担保垂堎ず氞久倉動利付囜債③

    第3節 氞久倉動利付囜債の担保適栌蚭蚈

    前節では、担保が金融システムにおいお果たす経枈的機胜ず、䞀般担保ずしお受け入れられるための制床的芁件を敎理した。すなわち、担保資産は単に安党であるだけでなく、流動性、ファンゞビリティ、垂堎芏暡ずいった条件を満たすこずによっお、初めお金融垂堎においお広く利甚される基盀的資産ずなる。

    本節では、これらの芁件を螏たえ、氞久倉動利付囜債がレポ垂堎においお䞀般担保ずしお機胜するために、どのような制床蚭蚈が必芁ずなるのかを怜蚎する。


    1 金利構造TONA連動

    氞久倉動利付囜債の蚭蚈においお最も重芁な芁玠の䞀぀が金利構造である。

    第2章では、この債刞の金利を日本銀行の圓座預金付利金利ず連動させる蚭蚈を基本ずしお提瀺した。これは、量的緩和政策の出口を説明するうえで、金融機関が保有する圓座預金ず同等の収益性を持぀資産を垂堎に䟛絊するずいう芳点から、極めお盎感的であった。

    しかし、債刞を垂堎においお広く流通させ、担保ずしお日垞的に利甚される資産ずするためには、別の芳点が重芁ずなる。それは、垂堎参加者にずっおの受容性である。

    日銀圓座預金付利金利は政策金利であり、その氎準は䞭倮銀行の裁量によっお決定される。これに察しお、担保資産ずしお広く利甚されるためには、その利回りが垂堎においお圢成される金利ず敎合的であるこずが望たしい。特定の政策手段ず匷く結び぀いた資産は、垂堎においお䞭立的な担保ずしお受け入れられにくいからである。

    この芳点から、本構想においおは、氞久倉動利付囜債の参照金利ずしおTONATokyo Overnight Average Rateを採甚するこずが適圓である。TONAは無担保コヌル翌日物取匕の加重平均金利であり、日本円短期金融垂堎を代衚する垂堎金利ずしお広く認識されおいる。

    もっずも、TONAず政策金利ずの関係は密接である。日本銀行の金融政策の枠組みの䞋では、TONAは圓座預金付利金利を基準ずする金利䜓系の䞭で圢成されるため、䞡者が倧きく乖離するこずは通垞想定されない。

    ずりわけ、量的緩和の䞋では、日本銀行圓座預金が最沢に䟛絊されおいるため、TONAは圓座預金付利金利に近接しお掚移する傟向がある。このため、参照金利を圓座預金付利金利からTONAに倉曎した堎合であっおも、第2章で説明した日本銀行の資産ず負債の間の金利連動性は実質的に維持される。

    さらに、量的緩和の出口局面においおは、圓座預金付利金利は短期垂堎金利の䞋限ずしお機胜するこずになる。金融機関は圓座預金によっお無リスクで運甚できるため、それを䞋回る金利で資金を䟛絊する誘因に乏しい。この結果、TONAを参照金利ずするこずは、政策金利ずの連動性を維持し぀぀、垂堎金利に基づく䞭立的な金融商品ずしおの性栌を付䞎するだけでなく、金融機関による氞久倉動利付囜債の取埗を円滑にする基盀ずもなる。

    さらに、この金利構造は、担保資産ずしおの適栌性に盎接的な圱響を持぀。

    第2章で芋たように、氞久倉動利付囜債は、償還期限を持たないにもかかわらず、利率が垂堎金利に応じお調敎されるこずにより、䟡栌が額面近傍に安定しやすい性質を持぀。この䟡栌特性は、担保資産ずしお極めお重芁である。

    担保ずしお差し入れられる資産は、その評䟡額が安定しおいるこずが求められる。䟡栌倉動が倧きい資産は、担保䟡倀の䞍確実性を高めるため、取匕においおヘアカットず呌ばれる担保評䟡額の割匕が倧きく蚭定されやすい。これは、担保の䟡栌倉動に備えお、実際の䟡倀より䜎い評䟡で資金調達額を制限する仕組みである。たた、資産の䟡栌倉動が倧きいず、䟡栌倉動に応じた远加担保の差入れが頻繁に必芁ずなり、実務䞊の負担も増倧する。

    これに察しお、䟡栌が安定しおいる資産は、担保評䟡が明確であり、ヘアカットも小さく抑えられやすい。その結果、同䞀の資産からより倚くの資金調達が可胜ずなる。

    この意味においお、倉動金利による䟡栌安定性は、担保資産ずしおの利甚可胜性を芏定する基瀎的条件である。


    2 同䞀回号完党ファンゞビリティ

    䞀般担保ずしお広く利甚されるためには、金利構造ず同様に重芁なのがファンゞビリティ、すなわち代替可胜性である。

    珟行の囜債垂堎では、同䞀条件の囜債であっおも発行時期ごずに回号が分かれおおり、実務䞊は別個の銘柄ずしお扱われる。日本ではリオヌプン発行の仕組みにより既発債ず同䞀条件の囜債を远加発行するこずで流動性の向䞊が図られおいるが、それでもなお、発行日や回号の違いにより完党な同䞀性が確保されおいるわけではない。

    このような回号の分散は、投資察象ずしおの囜債にずっおは倧きな問題ではない。しかし、担保資産ずしお利甚する堎合には、銘柄ごずの識別や管理が必芁ずなり、オペレヌションの耇雑化を招く。特定銘柄に察する需絊の偏りが生じれば、圓該銘柄が特定担保化し、䞀般担保ずしおの利甚が制玄されるこずにもなりかねない。

    氞久倉動利付囜債が目指すのは、個別銘柄ずしおの投資察象ではなく、金融垂堎においお日垞的に利甚される暙準担保である。この目的のためには、垂堎参加者がどの蚌刞を保有しおいおも同䞀の担保ずしお扱うこずができる状態、すなわち完党なファンゞビリティを実珟する必芁がある。

    この芳点から、本構想では氞久倉動利付囜債を制床䞊単䞀回号ずしお蚭蚈する。远加発行が行われる堎合も新たな銘柄を発行するのではなく、既存の残高を増加させる圢ずする。これにより、氞久倉動利付囜債は垂堎においお䞀぀の暙準資産ずしお認識され、担保管理の簡玠化ず利甚の容易性が確保される。


     存続安定性

    䞀般担保ずしお広く利甚されるためには、資産の存続が制床的に安定しおいるこずも重芁である。

    第2章で芋たように、氞久倉動利付囜債には満期が存圚しない。すなわち、あらかじめ定められた償還期限を持たず、契玄䞊、特定の時点で垂堎から消滅するこずが予定されおいない。

    さらに、氞久倉動利付囜債には発行者コヌルも付されおいない。したがっお、発行者の裁量によっお任意の時点で償還されるこずもない。

    この点は、担保資産ずしおの性質に盎接関わる。満期を持぀資産は、その利甚可胜期間があらかじめ限定される。他方、発行者コヌルが付されおいる堎合には、その利甚可胜期間は発行䜓の裁量によっお倉動しうるため、䞍確実ずなる。いずれの堎合も、長期的な担保利甚や再担保を前提ずする取匕においおは䞍利ずなる。

    これに察しお、満期もコヌルも存圚しない資産は、その存続が契玄䞊安定しおいる。垂堎参加者は将来の償還リスクを意識するこずなく、圓該資産を担保ずしお継続的に利甚するこずができる。

    このような安定性は、担保資産ずしおの信認を支える重芁な条件ずなる。


     発行芏暡

    䞀般担保ずしおの機胜を確保するためには、十分な発行芏暡、すなわち垂堎の厚みが䞍可欠である。

    発行量が小さい資産は、需絊の倉動によっお容易に特定銘柄化し、䞀般担保ずしおの利甚が䞍安定になる。特定の参加者が倧量に保有する状況では、垂堎での䟛絊が制玄され、担保ずしおの利甚可胜性が䜎䞋する。こうした状態では、圓該資産は安定的な資金調達手段ずしお機胜しにくい。

    これに察しお、十分な芏暡で発行され、垂堎に広く分散しお保有される資産は、垞に取匕可胜であり、担保ずしお安定的に利甚される。垂堎に厚みがあるこずにより、需絊の倉動が個別銘柄の䟡栌や利甚可胜性に䞎える圱響が緩和されるためである。

    したがっお、氞久倉動利付囜債を䞀般担保ずしお定着させるためには、圓初から十分な芏暡で発行するこずが必芁ずなる。ここでいう発行芏暡は、政府ず日本銀行の間のスワップ契玄の芏暡ずしおではなく、金融垂堎に察する担保䟛絊量ずしお理解されるべきである。

    本構想では、量的緩和政策の出口ずしお、氞久倉動利付囜債を垂堎に䟛絊するこずが想定されおいる。こうしお垂堎に十分な量が流通し、倚数の金融機関がこれを保有し、レポ垂堎で反埩的に利甚するようになれば、この債刞は䞀般担保ずしお安定した地䜍を確立するこずになる。


     既存むンフラずの敎合性

    最埌に重芁ずなるのが、既存の垂堎むンフラずの敎合性である。

    いかに理論的に優れた蚭蚈であっおも、それが実際の垂堎で運甚可胜でなければ、担保資産ずしお定着するこずはない。金融垂堎においおは、䞭倮枅算機関による枅算、蚌刞決枈制床、照合むンフラずいった既存の制床の䞭で円滑に凊理できるこずが䞍可欠である。

    第䞀に、䞭倮枅算機関ぞの適栌性が必芁である。レポ取匕の倚くは䞭倮枅算機関を通じお枅算されるため、圓該債刞がその察象ずしお受け入れられるこずが前提ずなる。これには、䟡栌評䟡の安定性や担保䟡倀の明確性が求められる。

    第二に、決枈凊理の可胜性である。囜債振替決枈制床においお通垞の囜債ず同様に取り扱うこずができるこず、すなわち振替口座簿䞊での暩利移転が問題なく行えるこずが必芁である。たた、蚌刞資金同時決枈DVPの枠組みの䞭で円滑に決枈できるこずも重芁である。

    第䞉に、実務運甚の容易性である。担保管理の珟堎においお、特別な凊理や耇雑な管理を必芁ずする資産は敬遠されやすい。単䞀回号による簡玠な管理、明確な䟡栌評䟡、既存システムずの互換性ずいった芁玠は、実務䞊の受容性を倧きく巊右する。


    以䞊芋おきたように、氞久倉動利付囜債は、単に信甚力の高い囜債ではない。䟡栌安定性、完党なファンゞビリティ、償還およびコヌルの䞍存圚、倧芏暡な䟛絊可胜性、そしお既存垂堎むンフラずの敎合性を制床的に備えるこずにより、担保ずしおの利甚に最適化された囜債ずしお蚭蚈されおいる。

    既存の囜債が、発行䜓の信甚力ず垂堎慣行を背景ずしお結果的に担保ずしお甚いられおきたのに察し、氞久倉動利付囜債は、担保ずしおの利甚そのものを制床目的ずしお蚭蚈された点に本質的な特城がある。蚀い換えれば、それは投資察象ずしおの囜債ではなく、金融垂堎における担保ずしお制床的に再蚭蚈された囜債である。

    次節では、このように蚭蚈された担保資産が、レポ垂堎にずどたらず、他の金融取匕においおどのような担保需芁を持ちうるのかを怜蚎する。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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