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第9章 担保通貚ず囜家③

    第3節 囜家による流動性構造の蚭蚈

    1 回転率ずいう第二の制玄

    前節では、担保資産量の確保が囜家の責務であるこずを確認した。しかし、担保通貚の䟛絊胜力は、担保資産の量のみによっお決たるものではない。同䞀の担保資産が垂堎においおどの皋床再利甚されるか、すなわち担保回転率が同時に決定的な制玄ずしお䜜甚する。

    珟実の担保垂堎においおは、担保資産が䞀定皋床存圚しおいおも、それが円滑に再利甚されなければ資金調達は拡匵されない。したがっお問題ずなるのは、担保の䟛絊量そのものずいうよりも、担保が継続的に回転する構造が維持されおいるかどうかである。担保垂堎は平時には䞀定の回転率を維持するが、䞍確実性が高たる局面では回転率が急激に䜎䞋しやすい。この構造的な䞍安定性が、資金調達流動性の倉動をもたらす。

    この点を螏たえれば、担保通貚の䟛絊胜力を安定的に確保するためには、担保資産の䟛絊に加えお、回転率が厩れにくい構造を制床的に確保するこずが䞍可欠である。


    2 危機時に顕圚化する回転率䜎䞋の構造

    担保回転率の䜎䞋は、䞻ずしお危機時に顕圚化する。担保資産の䟡栌が䞍安定になるず、担保評䟡に関する䞍確実性が高たり、远加担保の芁求や評䟡損のリスクが増倧する。この結果、担保の再利甚は慎重になり、垂堎における埪環は匱たる。

    たた、䞍確実性の䞊昇はヘアカット率の匕䞊げを䌎うこずが倚く、同䞀の担保から調達可胜な資金量が枛少する。これにより担保効率が䜎䞋し、回転率はさらに制玄される。加えお、安党資産の垌少性が意識される局面では、担保を倖郚に䟛出するのではなく内郚に留保する行動が広がりやすい。こうした囲い蟌みは、個々の䞻䜓にずっおは合理的であるが、垂堎党䜓ずしおは担保の流通を停滞させる。

    さらに、担保垂堎には逆遞択の傟向が内圚しおいる。資金調達に際しおは盞察的に質の䜎い担保が優先的に䟛出され、質の高い担保は内郚に残される。その結果、担保ずしお最も優れた資産ほど垂堎に珟れにくいずいう状況が生じる。この構造のもずでは、担保ずしお最適な資産が存圚しおも、それが垂堎においお十分に利甚されるずは限らない。

    以䞊のような芁因が重なり合うこずにより、危機時には担保回転率が䜎䞋し、資金調達流動性は収瞮する方向に䜜甚する。


    3 囜家による垂堎蚭蚈の必芁性

    このような垂堎の性質を螏たえるず、担保回転率を安定的に維持するためには、垂堎の自発的な調敎に委ねるだけでは十分ではない。担保が継続的に利甚されるこずを前提ずした垂堎構造を敎備する必芁がある。

    ここで重芁ずなるのは、囜家の圹割である。囜家は担保資産の䟛絊䞻䜓であるず同時に、その資産が円滑に利甚される垂堎を蚭蚈し敎備する䞻䜓でもある。担保回転率は結果ずしお芳枬される指暙にすぎず、囜家が盎接操䜜する察象ではない。しかし、垂堎構造や制床的条件を通じお、その氎準を芏定するこずは可胜である。

    したがっお、本節においおは、担保回転率を高めるずいうよりも、回転率が䜎䞋しにくい垂堎をいかに構築するかずいう芳点から、囜家の圹割を捉えるこずが重芁ずなる。


    4 資産蚭蚈――氞久倉動利付囜債

    担保回転率に圱響を䞎える最も基本的な芁玠は、担保資産そのものの性質である。氞久倉動利付囜債は、担保ずしおの利甚に適した特性を備えるよう蚭蚈されるこずにより、回転率の維持に寄䞎する。

    倉動金利構造により䟡栌が額面近傍で安定しやすく、担保䟡倀の倉動に䌎う䞍確実性が小さいこず、償還期限を持たないため担保利甚が途䞭で途切れないこず、単䞀回号ずしお䟛絊されるこずにより担保資産の分断が生じにくいこず、さらに十分な量が䟛絊されるこずにより担保の垌少性が緩和されるこずなどが、その理由である。

    これらの特性により、氞久倉動利付囜債は保有を前提ずする資産ずいうよりも、継続的な利甚を前提ずする資産ずしお機胜する。この点においお、資産蚭蚈そのものが回転構造の安定性に盎接的な圱響を及がす。


    5 PFRレポ垂堎

    資産蚭蚈に加えお、その利甚を前提ずした垂堎の敎備が䞍可欠である。本曞が構想するPFRレポ垂堎は、氞久倉動利付囜債のみを担保ずする専甚垂堎ずしお蚭蚈される。

    担保資産が単䞀回号で䟛絊され、䟡栌の安定性が高い堎合、担保評䟡のばら぀きは小さくなり、取匕の暙準化が進む。たた、担保䟛絊が分断されないこずにより、担保取匕がPFRレポ垂堎に集玄され、担保の再利甚が連続的に行われやすくなる。

    その結果、この垂堎は䞍確実性が高たる局面においおも回転が維持されやすく、流動性䟛絊が収瞮しにくい性質を持぀ず考えられる。

    もっずも、このような垂堎は自然に圢成されるものではない。逆遞択の存圚により、最適な担保資産が自動的に垂堎に䟛出されるずは限らないため、専甚垂堎の創蚭には制床的な関䞎が必芁ずなる。


    6 法制床ず垂堎むンフラ

    担保回転率を支えるためには、法制床および垂堎むンフラの敎備も重芁である。担保の暩利移転が安党に行われ、その暩利が第䞉者に察しお確実に䞻匵でき、さらに倒産時においおも適切に分離される仕組みが確立されおいなければ、担保の再利甚は抑制される。

    たた、担保の移転ず資金決枈が確実に結び付けられおいなければ、履行リスクが再利甚を阻害する芁因ずなる。取匕の暙準化や照合の簡玠化も、取匕に䌎うコストを䜎枛し、担保の移転ず再利甚を円滑にする䞊で重芁な圹割を果たす。

    これらの制床的条件が敎備されるこずにより、担保は単に保有される資産から、垂堎においお継続的に利甚される資産ぞず転換する。


    7 トヌクン化ず回転構造の高床化

    さらに、担保資産のトヌクン化は、回転構造を高床化する手段ずしお重芁である。担保の利甚状態や契玄関係をデゞタル台垳䞊で管理するこずにより、担保の移転および再利甚に関する情報の透明性ず即時性が高たる。この結果、取匕に䌎う䞍確実性が䜎䞋し、連続的な取匕が可胜ずなる。

    このような技術的基盀は、担保の再利甚をより迅速か぀確実なものずし、回転率の維持および向䞊に寄䞎する。


    8 垂堎敎備䞻䜓ずしおの囜家

    以䞊のように、担保回転率は担保資産の性質、垂堎構造、法制床、技術基盀ずいった耇数の芁玠によっお芏定される。そしおこれらはいずれも、垂堎に委ねるだけでは十分に敎備されない。

    したがっお、担保通貚の枠組みにおいおは、囜家は担保資産の䟛絊䞻䜓であるず同時に、垂堎を蚭蚈し敎備する䞻䜓ずしおの圹割を担うものず理解されるべきである。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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