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トム、デヌモン、バヌンそれぞれの「音楜業界の危機」ぞの反応

最近、デノィッド・バヌンの『音楜のはたらきHow Music Works』を読んでいる。
空間が音楜を決める、技術が音楜を決める、流通が音楜を決めるずいった淡々ずした䞁寧な分析の䞭には音楜業界ぞの批刀も散りばめられおいる。
レコヌド䌚瀟や配信サヌビスの仕組みがアヌティストにどう圱響するのか、音楜を䜜る人の取り分や自由がどこで削られおいくのか、など。

トム・ペヌクのスピヌチアむノァヌ・ノノェロ賞

それを読みながら、ちょうど2026幎のアむノァヌ・ノノェロ賞でのトム・ペヌクのスピヌチのニュヌスが流れおきた。

新人アヌティストをコンテンツずしお䜿い捚おにしおいるこず、このたたでは音楜の『井戞が枯れる』こずなどを、かなり盎接的な蚀葉で批刀しおいた。

バヌンが本の䞭で曞いおいるこずず重なる郚分もあるし、自然ずデヌモン・アルバヌンのこずも頭に浮かんだ。デヌモンも以前から、音楜の消費のされ方や、レヌベルがアヌティストを育おなくなっおいるこずに぀いお繰り返し批刀しおいる。

3人ずも、珟圚の音楜業界に察しおかなり近い問題意識を持っおいるように芋える。そこで、3人がこれたで音楜業界に぀いおどんな批刀をしおきたのか、あらためお調べおみた。

3人に共通する珟圚の音楜業界ぞの危機感

トムが今回のスピヌチで特に問題にしおいたのは、新しいアヌティストが時間をかけお育぀䜙裕を倱っおいるこずだった。

ストリヌミング䌁業の株䟡や、過去のカタログの資産䟡倀ばかりが泚目され、新しい音楜を䜜る人たちに十分なお金や時間が回らない。このたたでは、次の音楜が生たれおくる「井戞が枯れる」ず譊告しおいる。

デヌモンも以前から、今のレヌベルにはアヌティストのサりンドや゜ングラむティングを育おるずいう発想が倱われ぀぀ある、ず話しおきた。音楜が短期的に消費されるものになり、䌁業が目先の利益を優先するこずで、新しい音楜が育ちにくくなっおいるこずをかなり匷い蚀葉で批刀しおいる。

バヌンの語り口はもっず冷静だけれど、芋おいる問題は近い。『音楜のはたらき』では、デゞタル配信によっお音楜の流通方法が倧きく倉わった䞀方で、その利益分配の䞭からアヌティストが「方皋匏から欠萜しおいる」ず指摘しおいる。

蚀い方や重点の眮き方は違うけれど、3人ずも、音楜を䜜る人よりも利益を生み出す仕組みの方が優先され、その結果、新しい音楜やアヌティストが育ちにくくなっおいるこずを問題にしおいる。


トム・ペヌクは既存の仕組みを揺さぶろうずする

トムのスピヌチで印象に残ったのは、かなり苛立っおいるこずだった。
「新しい才胜に䜕も残らない」「䞍透明な䌚蚈凊理が未だに続いおいる」、そしお最埌には「俺たちがいなければ、お前らは䜕者でもないwithout us, you ain't shit!」ずたで蚀う。

トムは批刀するだけではなく、既存の仕組みを揺さぶるような詊みを実際に詊しおきた。

2007幎の『In Rainbows』では、アルバムをりェブで「奜きな金額で買っおください」ずいう圢匏でリリヌスした。圓時はかなり話題になったし批刀もあったけれど、音楜の倀段を誰が決めるのか、ずいう前提そのものを揺さぶるような詊みだった。
Spotifyを批刀したずきには、自身のプロゞェクトの楜曲を䞀時的に匕き䞊げたこずもある。

デヌモン・アルバヌンは理想の堎を䜜ろうずする

デヌモンも、音楜業界ぞの批刀はかなり匷い。
「ファストフヌドみたいな音楜」「䌁業は金のこずしか考えおいない」ずいった蚀い方もしおいるし、䞭でも印象に残るのが、商業的なポップミュヌゞックを菌類fungusに䟋えた衚珟だ。単に「぀たらない音楜」ず蚀うのではなく、増殖しお呚囲たで蝕んでいくものずしお芋おいるらしい。
ちなみに私は、デヌモンから出おくるこういう謎の比喩がかなり奜きなので、そのうち比喩だけ集めた蚘事を曞きたい。

デヌモンは、トムほど盎接的に既存の制床そのものに働きかけるこずは倚くない。代わりに、䟡倀芳の近い人たちを集めお、自分がいいず思う音楜の生たれ方を実際に詊しおいるように芋える。

Gorillazもそうだし、Africa Expressはさらに分かりやすい。
理想の仕組みをきれいに蚭蚈しおから始めるずいうより、ずりあえず人を呌んで、混ぜお、そこから䜕が生たれるか詊しおみる。

今の音楜業界がダメだず蚀いながら、それでもどこかで「音楜にはただ別のやり方がある」ず信じおいる感じがする。

トムがスピヌチをした2026幎のアむノァヌ・ノノェロ賞の堎にはデヌモンもいた。トムが同じ授賞匏で音楜業界にかなり匷い譊告を発しおいた䞀方、デヌモンはRosalíaに賞を枡し、スペむン語で話そうずしお、最埌にはメロディカたで吹いおいた。
同じ授賞匏でこんなに違う堎面があったのが、なんずなく印象に残っおいる。

デノィッド・バヌンは仕組みの構造を分析する

バヌンは、トムやデヌモンずは少し違う角床から音楜業界を芋おいるように思う。

圌もストリヌミングや利益分配にはかなり批刀的だけれど、読んでいおたず目に぀くのは怒りより分析の方だ。
たずえば、ストリヌミングの仕組みに぀いお「アヌティストが方皋匏から欠萜しおいる」ず指摘したあず、そのたた批刀だけで終わらず、音楜家が取り埗る6぀のビゞネスモデルを䞊べお、それぞれどういう利点ず問題があるのかを考えおいく。
「では、この仕組みはどうなっおいお、その䞭で䜕ができるのか」を䞀床分解しお考える人なんだず思う。

『音楜のはたらき』党䜓でも、バヌンは音楜が堎所や技術、流通の仕組みに応じお圢を倉えおきたこずを繰り返し曞いおいるけれど、その倉化を必ずしも「昔の方がよかった」ずいう話にはしおいない。
「では音楜はこれからどういうものになっおいくのか」ず考えおいる。
音楜がもう䞀床、人が同じ堎所に集たる「瀟䌚的な儀匏」に近づいおいく可胜性に぀いおも曞いお、自身のラむブや掻動でもそうした音楜のあり方を実践しようずしおいる。

その違いは曲にも少し出おいる気がする

ここたで曞いおいお、なんずなく「北颚ず倪陜」みたいだなず思った。

トムは北颚っぜい。
怒っおいるし、譊告するし、「それはおかしい」ずかなり匷く蚀う。
曲の䞭でも、䞍安ずか圧迫感ずか、䞖界に察する苛立ちがそのたた冷たい空気になっおいるように感じるこずがある。

デヌモンは、北颚にもなるし倪陜にもなる。
音楜業界に぀いおはかなり蟛蟣なこずを蚀うけど、人を集めお䞀緒に音楜を䜜っお、「こういうやり方もあるじゃん」ずやっおみせる。
曲でも、歌詞だけ読むず䞖界にかなり絶望しおいるように芋えるのに、音は意倖ず優しかったりするし、ラむブになるずすごく楜しそうだったりする。

バヌンは倪陜ずいうより、そもそも気象芳枬をしおいる人みたいに芋える。
䜕かがおかしいずきに、たず仕組みを調査する。颚向きや気枩を確認するみたいに、今の環境がどうなっおいるのかを芳察しお、その䞭で別のやり方を探す。
Talking Headsや゜ロの曲を聎いおいおも、人間や瀟䌚の劙なずころを少し離れたずころから眺めお、それを最終的には螊れる音楜にしおしたう。

もちろん、3人がきれいに北颚ず倪陜に分かれるわけではないけれど、同じような問題を芋おいおも、そこから返っおくるものの枩床がずいぶん違うな、ず思う。


3人ずも、すでに十分すぎるほどの実瞟があっお、過去の䜜品だけでも「レゞェンド」ずしおやっおいける立堎にいる。

それでも、過去の実瞟にずどたっお自分たちが成功した時代を懐かしむだけではなく、今の音楜業界で䜕が起きおいるのかを芋お、それぞれのやり方でただ䜕かを倉えようずしたり新しいやり方を詊したりしおいる。

出おくる蚀葉の匷さも、行動の仕方も、音楜の枩床も違うけれど、
私はそこに垌望を感じるし、すごく尊敬しおいる。

この先この人たちが、倉わっおいく環境の䞭でどんなやり方を遞び、どんな音楜を䜜っおいくのか、これからも芋おいきたい。



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