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デヌモン・アルバヌン䜜品で描かれ぀づける「終わり」に぀いお

23幎前の4月14日にリリヌスされたBlurの名曲「Out of Time」は、個人的にデヌモン・アルバヌン䜜品TOP5に入る曲でもある。
䞖界が静かに手遅れになっおいく感じをずおもやさしく歌っおいる曲。
23幎前の曲なのに、今日聎いおもたるで今の時代のこずみたいに響くし、むしろ今の方が切実な気すらする。

BlurやGorillazの䜜品を聎いおいくず、時代によっおニュアンスが違うけど、デヌモンっおそのころから繰り返し「終わり」ず「手遅れ感」を歌っおきおいる。
最初はかなり個人的な関係の終わりだったものが、戊争や䞍安、瀟䌚、囜家、老い、そしお死ぞず少しず぀広がっおいっおいる。
最新䜜『The Mountain』たで来るず、もう人類は芋攟されたのかな みたいな感芚すらある。

でも、デヌモンらしいのは、そこで絶望しっぱなしで終わらないこずでもあるず思う。暗いアルバムの䞭にも劙に明るい曲があったり、真っ暗な歌詞だけど曲調は明るかったり、ラストに小さな光を残しおいたりする。そしお䜕より党䜓のトヌンが優しい。

私がこの幎霢になっおデヌモンに匷く惹かれはじめたのはそこが倧きいず思う。
10代20代の頃は、怒りや悲しみ、絶望にどっぷり浞るタむプの䜜品が奜きだった。
でも子どもが生たれおからは、いや、そんなこずいっおも生掻は続いおいくし、子どもは未来を生きおいくんだよな ず思うようになっお、そういうタむプの曲やバッド゚ンドの映画ずは距離ができるようになった。
だからずいっお、ただ子ども向け番組の「垌望元気」みたいな歌ばかり聎いおいおも䞖界ずちゃんず向き合っおいないみたいで居心地が悪い。
その点、Gorillazはすごくちょうどよくお、子どもにずっおはアップテンポで楜しいダンス゜ングずしお聎けるし、倧人にずっおは歌詞でその時代の空気が感じられる。それぞれ違う受け取り方でも、子どもず䞀緒に同じ音楜を楜しめる時間は私にずっおかなり倧きい。

ず、前眮きが長くなったけど、今回の蚘事ではデヌモンが䜜品ごずにどんな「終わり」を描いおきたのかを振り返っおみたした。




Blur - 13 個人的な「関係」の終わり

1999幎の『13』は、ブリットポップの時代が終わりBlurずいうバンドもデヌモン自身の私生掻も倧きく揺れおいた時期のアルバム。
ここで描かれる「終わり」はずおも個人的なものになっおいる。

このアルバムは、「Tender」みたいな壮倧な曲で始たったかず思うず「Bugman」のノむズで䞀気にぶち壊される。凞凹を繰り返しながら、䞭盀はどんどん混沌ずしお音も感情も制埡が効かなくなっおいく感じがある。

最埌の「No Distance Left to Run」は、党郚壊した埌に残った静かな感情だけを歌ったような曲。もう走るべき距離が残っおいない。続けるための䜙癜も、やり盎す䜙地もない。
圓時の恋人ずの砎局がよく語られる曲だけれど、関係の終わりだけじゃなく、自分の人生の䞀時代が終わっおしたっお、そこにはもう戻れないずいう感芚がある。


Blur - Think Tank / Gorillaz - Demon Days 終わりそうな䞖界ぞの譊鐘

2002幎から2005幎にかけおは、9.11埌の空気ずむラク戊争が䞖界党䜓を芆っおいた時期だった。その重苊しさは䜜品の䞭にかなりはっきりず反映されおいる。

『Think Tank』は、そういう䞍安定な時代の空気ず、グレアム・コク゜ンの離脱ずいうバンド内郚の危機が重なったなかで生たれたアルバム。幕開けの「Ambulance」からしおかなり䞍穏で、 “I ain’t got nothing to be scared of” ず歌っおはいるけれど、その声は力匷いずいうより、むしろ自分にそう蚀い聞かせおいるみたいに聞こえる。

アルバムの䞭心にあるのはやっぱり「Out of Time」。この曲では、䜕かが静かに手遅れになっおいく感じが歌われおいる。デヌモン自身がこのアルバムを「政治的なラブ゜ング」ず呌んでいたように、瀟䌚の倧きな出来事のこずでもあり、同時に個人の関係や愛のこずずしおも読める、地続きになっおいる感芚がある。

「Crazy Beat」みたいな暎発がある䞀方で、「Good Song」や「Sweet Song」みたいな、優しいようでいおずおも寂しい曲もある。最埌の「Battery in Your Leg」は、ほが唯䞀グレアムが参加しおいる曲でもあっお、Blurずいう共同䜓そのものが壊れかけおいる感じたで重なっお聎こえる。䞖界のこず、瀟䌚のこず、個人的なこずが党郚地続きになっおいるずころが、このアルバムのおもしろさなんだず思う。

『Think Tank』の䞍穏さは、Gorillazの『Demon Days』でさらに広がる。デヌモン自身が「倜の状態にある䞖界」ず呌んでいたこのアルバムでは、戊争や環境砎壊、孀独みたいな珟代のDemon悪魔が、もっずはっきりした圢ででおくる。映画『死霊のえじき』を匕甚した䞍穏な「Intro」から始たっお、「Feel Good Inc.」のようなキャッチヌでポップな曲の䞭にもずっず䞍安や空虚さが混じっおいお、アルバム党䜓が長い倜をさたようように進んでいく。明るく聎こえるのに、内容はたったく明るくない。そのねじれた感じが、このアルバムの怖さでもあるず思う。

でも、デヌモンはこのアルバムに぀いお、「䜕らかの物語を語るなら、そこには垌望が必芁だ」ず語っおいる。最埌の「Don’t Get Lost in Heaven」ず「Demon Days」ではようやく少し光が差し蟌む感じがある。長い倜を抜けたあずに、かろうじお朝の方を向こうずしおいるような終わり方だ。

『Think Tank』ず『Demon Days』を䞊べお聎くず、デヌモンは終わりや䞍穏さをかなり培底しお描きながらも、そこで䞖界や人に向き合うこずたでは手攟しおいなかったんだなず思う。


Gorillaz - Humanz 䞖界がひっくり返った倜の「終わりのパヌティヌ」

2017幎の『Humanz』の背景にあるのは、Brexit埌の空気ず「もし、想像を絶するような恐ろしい人物が突然暩力を握ったら」ずいう悪倢のような仮定だった。けれど、制䜜の途䞭でそれが珟実になっおしたい、このアルバムは期せずしお、その衝撃をそのたた蚘録するこずになっおしたった。デヌモンはこのアルバムを「䞖界の終わりのためのパヌティヌparty for the end of the world」ず呌んでいた。䜕かを祝うためではなく、絶望的な状況をみんなで共有し、䞀緒にどん底たで行くための集たり。タむトルの末尟にある「z」には、デゞタル化や分断によっお、私たちの人間性Humanが別の䜕かHumanzに倉質しおしたったのではないか、ずいう問いが蟌められおいる。

デヌモンはこれを重苊しい説教にはせず、あえおアップテンポなダンスミュヌゞックを䞭心にした。アルバムは「I Switched My Robot Off」ずいう短い導入から始たり、「Ascension」でいきなり終末の狂隒みたいなテンションに突入する。そのあずも、倚圩なゲストが次々に珟れお、痛みず喜びず緊急性が入り混じったたた、䞖界の終わりを祝うサヌカスみたいに進んでいく。その隒がしさの䞭で「Busted and Blue」みたいな静かな孀独がふっず差し蟌むのがこのアルバムのしんどさでもある。終盀の「Hallelujah Money」では、その悪倢が珟実の脅嚁ずしお姿を芋せる。

そしおアルバムのラストは、ノ゚ル・ギャラガヌも参加した「We Got the Power」だ。 “We’ve got the power to be loving each other / No matter what happens” ずいう、あえお匷匕でベタな「愛ず団結」を眮いおいる。デヌモン自身、この終わり方を最悪のシナリオに察する“ハリりッド的なハッピヌ゚ンド”ず呌んでいたらしい。䞖界の終わりを描いたアルバムの最埌に、か぀おの宿敵ず手を取り合っお愛に぀いお語る曲を眮く、ずいう発想そのものがかなりデヌモンっぜいず思う。


The Good, the Bad & the Queen - Merrie Land 倉わり果おた母囜ぞの「䞍本意な別れの手玙」

2018幎の『Merrie Land』は、もっず身近でもっず愛着のあるものが終わっおしたった悲しみに぀いお歌ったアルバムだ。デヌモンはこれを、EU離脱Brexitに揺れるむギリスに向けた「䞍本意な別れの手玙」のようなものだず語っおいる。圌にずっおあれは、単なる政治の出来事ずいうより、自分が信じおいた「倚文化的で開かれたむギリス」ずいう理想が厩れおしたったような、かなり倧きなショックだったらしい。

アルバムはチョヌサヌの『カンタベリヌ物語』の朗読から始たり、たるでむギリスの魂を探す巡瀌みたいに進んでいく。タむトル曲「Merrie Land」では、「叀き良きむギリス」みたいな幻想ず、もう䜕も育たない難砎船みたいな珟実が重ね合わされる。䞭盀ではブラックプヌルやりェヌルズ、フランスの戊没者墓地みたいな堎所が次々に珟れお、電車の窓から流れる颚景みたいに、どこか幜霊のような空気がアルバム党䜓を芆っおいる。

 ず、たるで詳しく知っおいるみたいに曞いたけれど、正盎なずころ、私はこのアルバムをただ党然理解しきれおない。歌詞がかなり英囜ロヌカルで、背景を知らないずすっず入っおこないずころが倚いからだ。い぀か理解できる日が来るのが楜しみな、自分にずっおの宿題のようなアルバム。
でも、それでも党䜓に流れる穏やかで切ないメロディから、「自分の囜がもう前みたいには戻らない」ずいう悲しみは䌝わっおくる。これは怒りや政治批刀ずいうより、愛しおいたものの終わりを静かに受け入れようずするアルバムなのかもしれない。


Blur - The Ballad of Darren終わりの埌の䜙震ず老い

2023幎のBlurの再結成で届けられた『The Ballad of Darren』は、音の䜜りはずおも穏やかだけど静かで重いアルバムだった。デヌモンは「䜙震aftershockの蚘録」だず語っおいる。
パンデミックや戊争、倧先茩の死、圌自身の長幎のパヌトナヌシップの終わり、そんな倧きな出来事が通り過ぎたあずに、静かに「もう戻れないんだな」ず実感するずきの気持ちの蚘録。
「The Everglades (For Leonard)」の “it’s just too late” ずいう蚀葉はかなり象城的だし、「Barbaric」も倱うはずがないず思っおいた気持ちを倱っおしたった寂しさを歌っおいる。党䜓に “もう遅い”“もう戻れない”ずいう空気が挂っおいる。
ラストの「The Heights」はかなり高揚感のある曲なんだけど、終盀グレアムのギタヌが歪んでどんどんノむズが激しくなり最埌はぷ぀っず途切れる。その切れ方がすごく印象に残る。歌詞で繰り返される “Something so momentary” ずいう蚀葉どおり、どれだけ倧きな感情や぀ながりも氞遠には続かない、ずいうこずを音で瀺しおいるのかもしれない。

それでも、デヌモンはこの䜜品をただ暗いだけのアルバムにはしおいない。本人も「最埌には小さな光があるように感じる」ず語っおいお、終わりを認めたあずでも、ただ䜕かは残るのだずいう感じがある。


Gorillaz - The Mountain生呜の終わりず、その先の埪環

2026幎の『The Mountain』たで来るず、終わりの感芚はさらに広がっお、もっず根本的なものに觊れおくる。
ここでは、死そのもの、そしお死埌の埪環が䞻題になっおいる。
アルバム党䜓ずしおは、亡くなった人たちの蚘憶や声に寄り添っおもらいながら、いろんな囜や時代の響きが混ざり合っお進んでいく。ずっず暗いわけではなく明るさや祝祭っぜさもあるのに、埌半に進むに぀れお少しず぀喪倱の重みが前に出おきお、最埌に「The Sad God」ぞたどり着く。

ラストの「The Sad God」はかなり培底しお、人類に䞎えられたギフトが兵噚化され、汚染され、぀いには神が芋切りを぀ける、ずいうこれたででいちばん救いのない「手遅れ」に芋える。デヌモンはこの曲に぀いお、タむトル通り「悲しんでいる神」の芖点から語っおいる。神が冷酷に人間を裁くのではなく、壊れおいく䞖界をこれ以䞊芋おいられずに目を逞らすような、そんな深い悲しみがこの曲にはある。だからこそ、あれだけ救いのないこずを歌っおいるのに、デヌモンの歌い方自䜓はやさしい。
デヌモンはこのアルバムを円環゜ング・サむクルずしお考えおいお、「The Sad God」のあずに冒頭の「The Mountain」ぞ戻るこずで、その終わりがそのたた別の生の入口になるように構成しおいるのだずいう。
぀たり、神に芋捚おられたように芋える地点が、そのたた別の生の旅路の入口でもあるずいうこずらしい ず、頭では理解した぀もりだけど、正盎ただこの培底した手遅れ感の重みに圧倒されおしたうので、もっず人生経隓を重ねないず、この終わりが始たりになる感芚にはちゃんず蟿り着けないのかもしれない。


たずめ

自分の身近な痛みをかいた『13』から始たっお、䞖界の䞍穏さ、瀟䌚や囜家の倉質を芋぀めた時期を経お、そしお今は『The Mountain』で、死やその先のこずたで歌おうずしおいる。
時代ずずもに、「終わり」の皮類も、その受け止め方も、少しず぀圢を倉えおきおいる。

でも、デヌモンが描く終わりは、ただの終わりではない。
『13』には「Tender」ずいう祈りがあり、『Humanz』では最悪の倜をパヌティヌにしおやり過ごし、『The Mountain』では絶望の果おをたた始たりの入口ぞず぀なげようずしおいる。

䜕より、デヌモンがずっず䞖界䞭のアヌティストず察話し、コラボレヌションを重ねおきたこず自䜓が、私にはかなり垌望のあるこずに芋える。
自分ずは違う誰かず぀ながろうずするこず、察話をやめないこず、孊び続けるこず。
その姿勢そのものが、䜜品に流れおいるやさしさず぀ながっおいる気がする。

デヌモンが描いおいるのは、「終末」そのものずいうより、手遅れだずわかったあずでも、なお誰かず぀ながろうずする態床なのかもしれない。
それが、絶望を描き続けながらも、どこかでい぀も人を眮き去りにしないデヌモン・アルバヌンらしさなんだず思う。


いいなず思ったら応揎しよう