
映えない休日が一番幸せ
じりじりとした晴れの日が続くと、普段なら「イヤだなぁ~」と感じるくもりの日でさえ愛おしくなる。
町のメインストリート沿いにある我が家。いつもならレストランやバーの前は人で賑わっているけど、今日だけは雨が止んでも静まりかえっている。
私は家中の窓を開けて、つかの間の静けさを味わう。夜に降って雨が、暑さを洗い流してくれた。空のチリだけでなく、町の音までしずくと共にしたたり落ちた。
2回目の結婚記念日の翌日。
寝ぐせがついたままの頭で、アイスコーヒーをゆっくりと淹れる。そして、まだ残っていたカシスとバニラのムースケーキをほおばる。「二度寝をするのってこんなに気持ちよかったっけ」なんて夫と語り合いながら。
こんな日は、きれいな写真となって残らないし、友達に「今日はこんなことしたんだよ!」と報告するようなものでもない。ただ朝が、昼が、淡々と過ぎていって、いつの間にか陽が沈む。
そこには、でっかい花火がドカーンとなるようなハッピーさはないけれど、線香花火をじーっと眺めるようなときの小さな幸福が宿っている。
幸せな人生って、映えない休日の積み重ねで作られているのかもしれない。
誰かに見せるために過ごす時間ではない。この一日は自分のためだけ。
だからこそ、正直な心地よさがそこにはある。