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映えない休日が一番幸せ

    じりじりとした晴れの日が続くと、普段なら「イヤだなぁ~」と感じるくもりの日でさえ愛おしくなる。

    町のメインストリート沿いにある我が家。いつもならレストランやバーの前は人で賑わっているけど、今日だけは雨が止んでも静まりかえっている。

    私は家中の窓を開けて、つかの間の静けさを味わう。夜に降って雨が、暑さを洗い流してくれた。空のチリだけでなく、町の音までしずくと共にしたたり落ちた。

    2回目の結婚記念日の翌日。

    寝ぐせがついたままの頭で、アイスコーヒーをゆっくりと淹れる。そして、まだ残っていたカシスとバニラのムースケーキをほおばる。「二度寝をするのってこんなに気持ちよかったっけ」なんて夫と語り合いながら。

    こんな日は、きれいな写真となって残らないし、友達に「今日はこんなことしたんだよ!」と報告するようなものでもない。ただ朝が、昼が、淡々と過ぎていって、いつの間にか陽が沈む。

    そこには、でっかい花火がドカーンとなるようなハッピーさはないけれど、線香花火をじーっと眺めるようなときの小さな幸福が宿っている。

    幸せな人生って、映えない休日の積み重ねで作られているのかもしれない。

    誰かに見せるために過ごす時間ではない。この一日は自分のためだけ。

    だからこそ、正直な心地よさがそこにはある。

     
     
     
    セーヌ川のほとりで暮らす28歳。部屋づくり・余白づくり・暮らしづくりについて書いています。だれもが「おうちが一番好き」と言える世界を見たいから、研究職をやめてインテリアデザイナーになりました。

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