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【ネパールの学校生活】話を聞いてくれない生徒たちとの格闘

    ナマステ!
    JICA海外協力隊としてネパールに派遣中のあんなぷるなです。

    今週はいつもにも増して疲れた1週間でした。

    手に負えない生徒に四苦八苦した1週間

    先生たち大忙しのテスト期間前

    派遣先校では明日からテスト期間が始まります。
    そのため、今週は先生たちはテスト問題の作成に追われていました。

    私の学校は、各学年1クラスしかありません。
    そのため、例えば、2年生の算数を担当している先生は1人しかいません。
    つまり、2年生の算数のテストを作れるのはその先生1人だけ。
    そして、1人の先生は1日に5〜6コマ、別々のクラスを担当しています。
    (例えば、2年生の算数を担当している先生は、他にも1年生の英語、2年生の生活、3年生の英語、4年生の社会、5年生の社会も担当しています。)

    つまり、1人の先生が、5〜6クラス分のテストを作成しなければいけないのです。
    1人で5〜6クラス分のテスト(しかも2時間分のテスト)作成というのはなかなか時間がかかります。
    空きコマの時間も大してないので、本来であれば授業をする時間にもテスト問題の作成を行っていました。

    そこで生じる大量の先生がいないクラス

    先生がテストを作っている間、授業には出られません。
    つまり、1時間まるまる先生がいないクラスが大量発生しました。
    高学年はまだいいのですが、低中学年だと教室を飛び出して遊んでいる生徒もいます。
    先生から見守りを頼まれることもあり、そういった空きのクラスに入って何かアクティビティをしたり、自習をさせたりする機会が多くありました。

    でもこれが本当に大変…!!

    私1人で教室に行っても、生徒が全然話を聞いてくれないのです。
    「私の指示を従わない」という以前に、教室がうるさすぎて「そもそも指示が出せない」「指示が聞こえる状態ではない」といった感じです。

    特に大変だった授業

    いちばん途方に暮れたのが、1年生。
    教室を脱走する生徒。
    その脱走した生徒を捕まえに行く生徒。
    私にしがみついて離れない生徒。
    喧嘩をする生徒。
    泣いて私を呼ぶ生徒。
    机の上を駆け回る生徒。

    とある子を注意している間に、他のところでまた問題が起きます。
    「自習」という面白くない内容、そもそも鉛筆・ノートがない子もいる、という状況で、そんなわんぱくな1年生たちを机に向かわせることはできず、ひたすら注意だけして1時間が終わったりしました。

    次に4年生。
    自習をさせた時は、1年生のクラスのように集中力が全く持たなかったので、ジェスチャーゲームをさせたことがありました。
    「ジェスチャーゲームだから静かになるかな」という計らいだったのですが一筋縄ではいきません。
    何度、
    「口では何も言わずにジェスチャーだけで伝えるんだよ」
    と言っても話し続けるし、しまいにはそのまま答えを言う生徒も。
    そしてその生徒を怒る他の生徒。
    教室の後ろでは、ずっと取っ組み合っていた生徒(もはや放置していた)がついにヒートアップし、思いっきり叩く、泣く、友達が加勢して、4人で取っ組み合い。

    さすがに手に負えず、他の先生を呼んで、教室に来てもらいました。
    他の先生を呼んだら、おとなしく座席に座る生徒。

    しかし、先生が帰り、私1人になると再び……

    自分では指導できない情けなさ

    授業の後、げっそりと疲れ、
    「4年生本当に大変です…。うるさくて全然話を聞いてくれないし、すぐに喧嘩を始めるし…。
    どうしたらいいでしょう…。」
    と他の先生に愚痴らずにはいられませんでした。

    するとその先生が、4年生の生徒を全員招集。

    「あんなぷるな先生が、4年生がいちばんうるさいって言ってるぞ。恥ずかしくないのか。
    先生は君たちに教えるために日本から来て、一生懸命働いてくれていること知ってるよね?
    君たちはそんな先生を悲しませて…自分たちの行動についてどう思う!?」

    と激怒。
    そのまま棒を持ってきて生徒たち全員を叩き、私に謝らせました。
    「「ごめんなさい」」
    先生の隣で生徒たちからの謝罪を聞き、私の代わりに指導してくれる先生に感謝しながらも、私も怒られているような気持ちになりました。

    教師としての自分の無力さ、未熟さを痛感したからです。

    私も教師として働いている以上、本来であれば、私がきちっと指導しなければいけないのに…
    他の先生の前だったら静かに話を聞く生徒たちの姿、
    他の先生を頼らなければ指導できない自分、
    そのせいで他の先生に叩かれている生徒たち。
    そんな現状に情けない気持ちになりました。

    内省

    自分が「チョロい先生」であるという自覚

    授業をする中で全然話を聞いてくれない生徒に対してイライラはしますが、その一方で、そんな生徒たちの気持ちもよく分かります。
    ぶっちゃけ、私が生徒でもたぶん同じようなことをするでしょう(笑)
    残念ながら、それくらい私は自分自身が「チョロい先生」であるということを自覚しています。
    それは、10年前、まだ中学生だった頃の自分の気持ちと重ね合わせるとよく分かります。

    10年前の自分の目を通して、今の自分を見る

    大人になりたいけどなれない、そんな反抗期真っ只中にいた当時、私は先生の言うことに従うことがとても嫌でした。
    授業中は大きな声で友達とおしゃべりするか、寝る。
    そんな態度をとることで反抗心を示したかった、そんな気持ちを今でも覚えています。
    (今思うと申し訳ないですね…先生にも、真面目に授業を聞きたかったクラスメイトにも)

    そして、そんな反抗的な態度を取る時の先生をちゃんと見極めていました。
    その時の目で今の私を見るのであれば、私は「反抗的な態度をとってもOKな先生」です。

    逆に「どんな先生だったら反抗しなかったのか」というとそれはズバリ怖い先生。
    ガツン!と雷を落とされた後は、さすがに怖くて、大人しく授業を聞いていました。

    それはネパールでも同じ。
    生徒が私の授業を聞かなくて、他の先生の授業を聞く理由、それはネパールの先生たちが怖いからです。
    私の学校では体罰が普通にあり、うるさい生徒には容赦なく強烈なビンタが飛びます。

    一方で私はそんな強烈なビンタはできません。
    し、大きな声で怒鳴ることもできません。

    そんな経験がありませんし、抵抗感もあります。
    そして、生徒をちゃんと叱るだけのネパール語力が足りません。
    私が叱ったとしても、
    カタコトで、たまにトンチンカンなネパール語の間違いをしていて…
    となると、怖がるどころか、むしろ嘲笑、からかいの対象になる可能性も高いのではないでしょうか。
    (とはいえ今も拙いネパール語で叱ってはいますが…)

    10年前の私だったらそう捉えかねません。

    10年前の自分を懐柔させる

    生徒たちと10年前の私の、授業を聞かない理由は同じではないと思いますが、
    当時の自分の気持ちを重ね合わせることで、「教師としての今の自分が生徒からどう見えるか」を捉えるヒントになっています。
    そのため、「どうやったら生徒たちに話を聞いてもらえるだろう」と考える際は、「当時の私だったらどんな反応をするだろう」と想像します。
    なので最近は、10年前の私を懐柔させようと、脳内で色々試行錯誤しているのですが、なかなか手強いです(笑)
    今、教師という立場に立って当時を振り返ると、「先生、ごめんね」という気持ちになりますね(笑)

    また、10年前の自分に思いを馳せる中で、先生に怒られた・諭された記憶も蘇ります。
    当時はそういった言葉も素直に受け止められませんでしたが、今振り返ると先生が言わんとしていたことが理解でき、
    「私のために懸命に言ってくれてたんだなぁ。ありがとうございます。」
    と、10年越しに感謝の心を持って素直に受け取ることができた気がします。

    反抗期を経たからこそできる思考回路

    一方で、「反抗的な時期を経験しておいてよかったな」とも思います。
    「何で言うことを聞いてくれないの!!」という悲観的な気持ちになり過ぎず、
    「いやぁその気持ち分かるわ〜」と生徒の気持ちに共感し、
    「先生(=私)にも問題があるよなぁ」と教師としての自分を客観視する
    ことに繋がっているからです。

    そのため、どんなに授業を聞いてくれなくても、「生徒が悪い。話を聞いてくれない生徒嫌い!」とは思うことは今のところありません。
    (都度都度イライラすることはありますが笑)

    学校で働く以上、
    「どんなに生徒が話を聞いてくれなくても嫌いにならない。愛情を持ち続ける」
    というのは精神衛生上、とても大切だと思っているので、そこが保てる思考回路でいられるのがよかったなぁと思っています。

    ちょっと気楽になった後半週

    生徒の対応でなかなか精神的にやられた話を書きましたが、先生や同期隊員に愚痴り、相談したおかげで、後半週は少し気楽に過ごすことができました。

    最初の方は、「先生がいないから行かなきゃ!」と思って積極的に色んなクラスに入っていましたが、
    疲れた私の様子を見かねた先生が、
    「今日は私が行くから入らなくていいよ!休んでて!」
    と声をかけてくれ、その気遣いに安心感を抱き、心が軽くなりました。

    また、同期隊員に相談したおかげで、「そんなに頑張らなくてもいいかも」と緊張の糸が解けました。
    実際、空いているクラスを見つけても授業に行くのをやめてみたら、驚くほど授業に行っていない先生が多いこと!(笑)
    8クラス、全部のクラスに先生がいない状況もザラにありました。

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    チャイムは鳴ったけど、先生が教室にいないので校庭で遊び続ける生徒たち

    その間先生方が何をしているかというと、おしゃべりです。(テストを作っている先生も一部いましたが)
    私も、机の上を駆け回っている生徒の様子を眺めながら、先生と雑談をして1時間過ごしたりしました(笑)

    この状態が良いかといえば、そういうわけではないでしょうが、
    「1人で授業に入り、手に負えない生徒を相手にするという状況に必ずしも身を置く必要はないんだな」
    という心のゆとりが生まれました。

    とはいえ、1人ではまったく歯が立たないという今の状況は変わらないので、10年前の自分と、今目の前にいる生徒たちと対峙しながら何とか打開策を見出したいものです。

    これまでのトライ&エラー集

    今も上手くいっていないのは先述した通りですが、最後にこれまでやってみた試行錯誤についてまとめたいと思います。

    ①木の棒作戦

    ネパールの女性の先生がクラスに入る際に携えていくもの。
    それは木の棒です。
    用途は叩くため。
    ネパールのメジャースタイル
    です。

    そのため、クラスがうるさくて太刀打ちできない時、先生や生徒が木の棒を持ってきて私に渡すのです。
    さすがに生徒は叩けませんでしたが、机の上をバチーン!と叩いたり、叩く脅しをすると、割と生徒は大人しくなりました。
    走り回っている1年生もススーっと席に戻っていました。

    体罰に頼るのは何だか悔しい気もしますが、やはりこれがいちばん簡単に効力がありますね…。

    昔の自分に置き換えても、この方法だったら恐怖心から静かになると思います。
    ですが、その先生が好きになれるか、授業に対して前向きになれるかというとNOです。
    そう思う分、他の方法があればなぁと思っています。

    ②だんまり作戦

    うるさいクラスで何も言わずにムスッとした顔で静かになるのを待ち続ける作戦。
    これはクラスによっては効果を発揮しましたが、いちばん手強い1年生、4年生は私なんてお構いなし。
    何も指示されないのをいいことに遊びまくっていました。

    2年生のクラスでは、私の様子を察して友達に呼びかけてくれた子がいたのですが、その子が大変そう。
    口で言っても静かにならなかったので、ネパールスタイルの木の棒を外から持ってきて、友達をバシバシ叩いていました。
    ですが、それでも聞いてもらえず、疲れていました。
    本当だったら私がやらなければいけない役割をその真面目な子に押し付けているようで申し訳なくなりました。

    ちなみに、10年前の自分の目を通してこの作戦をジャッジすると、ある程度ビビっている先生だったら効果的、完全に舐めている先生だったら効果がないかなーといったところです。
    なので生徒の行動に納得でもありますね…。

    ③ごほうび作戦

    これは担当している2年生のクラスで実施したもの。
    「1時間、おりこうに授業を聞いていたら、ノートに星をあげるね!
    星が5つたまったら日本のお菓子をあげる!」

    と言いました。
    すると可愛いくらい、真面目に授業を聞いてくれる!

    と思ったのも最初の5分だけ。
    その瞬間は「やったー!静かにするぞー!」と思っても、少ししたら忘れちゃうもんなのですね。
    結局5〜10分毎に呼びかけなきゃいけない状態でした。

    あとこれで難しいのが、真面目に聞いてくれる生徒を把握すること。
    授業時間ずっと生徒を見ているわけではないので、誰がずっといい子にしてたかを把握しきれないのです。
    授業終わった後に、
    「あれ〜今日は誰がいい子にしてたっけ…あの子友達とおしゃべりしてたような、いや、隣の子はしてたけどあの子はしてなかったような…」
    と頭を悩ませていました。
    星をあげる生徒の名前を発表すると、
    「いや、あの子おしゃべりしてたよ!」
    などブーイングが出るもあり、公平なジャッジが難しいなぁと困りました。

    私も小学校の時は先生からのシールを集めるために毎日自習ノートを提出していたりしていました。
    なので、ポジティブ働きかけ、生徒自らのモチベーションを引き出す手段として有効なんじゃないかと思っています。
    他のクラスには単発的なアクティビティの指導でしか入らないのと、生徒の名前を全然覚えれていないのとで、この作戦を実践できていませんが、今後これをやってみるのもいいかなと思っています。

    今後やりたいこと

    ①規律作り

    生徒の様子を見て、昔の自分を振り返る中で、
    「10年前の私は何でおしゃべり&昼寝はしてたけど、席は立たなかったんだろう」
    と思うことがあります。

    私の中でのその答えは「規律」です。

    「席は立ってはいけない」という規律が強かったがために、それには至らなかったのだと思います。

    今の学校には「席を立ってはいけない」という規律はないものの、
    「先生を叩かない」「トイレに行く時は先生に言う」といった規律は存在しています。
    (なので、教室を脱走するくせに、「トイレに行ってもいいですか?」の確認は欠かしません笑)

    ①したらいけないとは分かっているけど、やってしまうライン(おしゃべり、授業中の立ち歩き)
    ②してはいけないことをよく分かっていて、やらない・やることに抵抗を抱くライン(先生を叩く、勝手にトイレに行く)

    この2つの線引きが生徒の中にあると思っていて、①のラインにある行動を②に移行させたいと思っています。
    少なくとも、問題行動はあっても、それは①のラインにある(=したらいけないとは分かっている)状態であるとは思っています。

    日本の学校では、生徒たち主体で学級目標を立てていました。
    そんなようなことを各クラスでやりたいと思っています。
    先生が言うよりも、自分たちで目標を立て、掲示物を作成したほうが、効果を発揮するのではないかなと思っているからです。

    とはいえ、今はそもそも話を聞いてもらえない状態なので、そんなハイレベルな活動をできる気は全くしません。
    活動内容を詰めて、先生に相談して、先生同席のもと実施できたらと思っています。

    ②生徒との対話

    今は生徒の問題行動に対して叱ることしかできていませんし、生徒たちの喧嘩についても放置or他の先生を呼ぶことしかできていません。

    本当は、「何でそんなことをしたのか」生徒に尋ね、
    「何でそれをしてはいけないのか」
    「その行動によって他の人はどんな気持ちになるのか」
    そういったことを丁寧に話し合いたい
    と思っています。

    ですが、
    ・私のネパール語が足りず、生徒の主張をちゃんと理解できない
    ・問題行動を起こす生徒が多すぎて、個別にじっくり対応する時間がない

    というのが今の現状です。

    私のネパール語がもっと上手になったら、もう少し授業中に生徒たちが私の話を聞いてくれるようになったら、ただ叱るのでもなく、ご褒美のためにお利口にさせるのでもなく、そういった対話をしていきたいと思っています。

    (生徒たちの喧嘩の内容についてもさっぱり分かっていないので、そのトラブルの種も理解できるようになりたいです。)


    脈絡のない文章になってしまった気もしますが、今週1週間のモヤモヤ、いやもっと前からの格闘について書き出せてスッキリしました。
    生徒たちに話を聞いてもらえるような良い方法があればぜひ教えてください…!

    それでは、スバディン!(良い1日を)

     
     
    JICA海外協力隊ネパール派遣🇳🇵 旅、というより旅を通して得られる新しい考えや学びが好きです おもしろいエッセイを書けるようになりたい

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