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豚が真珠の価値を理解してしまった時の対処法

    ことわざに「豚に真珠」というものがある。意味は「価値の分からない者にどれほど立派な物を与えても意味がない」といったものだ。なかなか辛辣だが的を射ているこの言葉は、私の好きな言葉でもある。驚くことに、その起源は新約聖書まで遡るほど歴史のある言葉なのだ。
    そこでふと感じてしまった。これほど長く言われ続けてきたのなら、そろそろ真珠の価値に気づき、行動を起こして成功を収めた豚がいてもおかしくないのではないかと。もし実際に豚に真珠を渡した結果、それをまじまじと眺めて頬を染め、挙句の果てに真珠を握りしめて宝石店に赴いてしまっては、ことわざの面目丸潰れである。私が今まで聞いたことがないだけで、そのような前例は案外あるのかもしれない。そこで今後、真珠の価値を理解する豚が現れた際に、「豚って真珠の価値分かってるじゃんwww」とことわざを論破されないための対処法を考えていく。
    まず、真珠の価値を見出した豚がどのような行動を起こすかだ。ここでは二つの仮説を立てたい。ひとつは「質屋に直行するタイプ」、もうひとつは「自身を飾り立てて周囲を威圧するタイプ」だ。
    質屋に直行するタイプを制御するのは容易だろう。周りに換金できる場所はないと伝えればいいだけだ。そうすれば真珠は返ってくる。ただ注意しなくてはならないのは、豚が「一度もらった真珠は自分の所有物であり、換金した金も自分のものになる」と理解している場合だ。そうなれば、我々は大人しく買取業者へ向かうしかない。畜産に携わる人なら分かるはずだが、彼らのパワーは凄まじい。残念ながら、豚がデモを起こせば人間には対処できないのだ。
    そしてもうひとつのパターンだが、これがなかなか厄介だ。なぜなら「人間から価値のあるものをプレゼントされた意味」を理解しているからだ。「自分にこれほどのものを渡すなんて、間違いなく私に惚れている」と舞い上がり、日夜周りの豚に見せびらかす。そうして周囲の豚までもが真珠の価値を学習してしまうという、負の連鎖が起こるのだ。こうなっては「豚に真珠」の意味が180度変わってしまう。したがって、真珠を渡した際、豚がそれに対して必要以上の興味を持った時点で、と畜場へ連れて行くしか手はない。たとえ成長途中であっても、群れ全体に真珠の価値が広まる方が人間にとっては都合が悪い。全頭に真珠を買い与える羽目になるよりは損失が小さいのだから、そうするしかないだろう。
    以上が、私が考えた「豚に真珠」の意味を覆されそうになった時の対処法だ。一番良いのは、そもそも飼っている豚に真珠を見せないことだが、もし見せてしまい、かつ目利きのできる豚が現れてしまった時は、ぜひこの方法で対処してほしい。

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