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初めてのチップ

    凪瀬 紬 | 観測記録作家

    初めてチップをいただいた。

    嬉しくなって、仕事中に夫へ伝えた。

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    初めてのチップに喜ぶ

    返ってきたのは、少し温度の低い言葉だった。
    「100円か…」──たしかそんなニュアンス。

    店は急に忙しくなった後の片付け中で、
    二人とも余裕を失っていたから…
    その直後、ココットとミルクピッチャーを割った。
    小さな音と一緒に、私の心にも細いひびが入った気がした。

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    チップの倍の価値のお皿を割る

    創作をしていると強く感じる。
    イラストも文章も、タダで出すことはできる。

    けれど、時間はタダではない。
    お金よりも貴重なものを使って、私は作っている。

    同時に、
    自分が稼いだお金を誰かにチップとして手渡すということは、
    「応援したい」という意思そのものだと思う。

    推し活の時代とはいえ、
    誰かに課金するのは簡単なことではない。
    だから、嬉しかった。
    たった100円でも─。

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    初めてのチップ

    直後に200円分の食器を割ってしまったけれど─

    お金はまた稼げばいい。
    でも、時間は戻ってこない。

    数字よりも、収益よりも、私にとって大切なこと。

    静かに創作できること。
    自分の作ったものが、誰かの喜びになること。

    それ以上に嬉しいことは、きっとない。

    だから、
    応援してもらえたら嬉しい。

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    深海で光る応援の気持ち

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    夫婦で飲食店を営みながら、実体験をもとに創作と記録のあいだを綴っています。 スキとフォローの返しはしておりません、すみません。 INTP-T / Cool Winter(旧名:深海のアンコウ女)

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