
初めてのチップ
初めてチップをいただいた。
嬉しくなって、仕事中に夫へ伝えた。

返ってきたのは、少し温度の低い言葉だった。
「100円か…」──たしかそんなニュアンス。
店は急に忙しくなった後の片付け中で、
二人とも余裕を失っていたから…
その直後、ココットとミルクピッチャーを割った。
小さな音と一緒に、私の心にも細いひびが入った気がした。

創作をしていると強く感じる。
イラストも文章も、タダで出すことはできる。
けれど、時間はタダではない。
お金よりも貴重なものを使って、私は作っている。
同時に、
自分が稼いだお金を誰かにチップとして手渡すということは、
「応援したい」という意思そのものだと思う。
推し活の時代とはいえ、
誰かに課金するのは簡単なことではない。
だから、嬉しかった。
たった100円でも─。

直後に200円分の食器を割ってしまったけれど─
お金はまた稼げばいい。
でも、時間は戻ってこない。
数字よりも、収益よりも、私にとって大切なこと。
静かに創作できること。
自分の作ったものが、誰かの喜びになること。
それ以上に嬉しいことは、きっとない。
だから、
応援してもらえたら嬉しい。

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