
【回復の記録⑬】 自己完結という砂漠 |「消費」される性を超え、契約の充足へ還る
回復の記録|鎧を脱ぎ、愛へ還るまで 13話目。
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回復の記録⑫ 共鳴する熱 | 三点の調べと、委ねる運転席
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1|「消費」という名の搾取
ネットの海には、性に関するノイズが絶え間なく溢れている。
ハウツー、テクニック、自慢話 ──
そして、一見自分を大切にする響きを持つ「セルフプレジャー」という言葉。
けれど、それらを静かに観測して気づくのは、そのすべてが「消費」でしかないという事実。
性を「モノ」として扱い、快楽という出口だけを追い求める。
果てには「マッサージ」という甘い口実で女性を搾取する者さえ現れる。
多様性の名の下で境界線が失われ、欲のままに堕落していくその光景を見ていると、どこか、満たされないまま循環しているように思える。
なぜ、気持ちいいだけではいけないのか。 なぜ、婚外交渉や自慰は、慎重に扱われるべきなのか。
それは、一度超えてしまえば二度と戻れない、魂の境界線だからだ。
何も生み出さないばかりか、関係の根幹を悪化させる。
それは例えるなら、「クリスマスプレゼントを、当日より前に勝手に開けて見てしまう」ような、取り返しのつかない冒涜に似ている。

2|不自由という名の砂漠で
肩を痛めてから、約一ヶ月。
ようやく一人の女性として目覚め始めたはずの私は、夫とまともに触れ合えない日々を過ごしている。
さらに追い打ちをかけるように訪れた月のもの。
物理的な距離を強制される中で、私の内側にはかつてないほどムラムラとした熱が渦巻いていた。
情報を集め、調査を続けるほど、欲は掻き立てられる。
それは夫との関係を改善するための「研究」という名目ではあったけれど、本音を言えば、彼に触れてもらえない焦燥感の裏返しだった。
……本当は夫にして欲しい、でもできない、だから夫との関係をさらに良くするために、その間に調べてみよう、そんな感じだった。
実を言えば、私はずっと自分の体を触るということを「汚い」と思っていた。そこから出る液も、不潔なものだと。
エヴァのアスカのように、女であることを、多分、ずっと拒否していた。
子供もいらない、私は何者にもなれない。そう思っていたから。
『異国日記』の朝が、親を失ったあとに心に大きな穴を開けてしまったように。
その感覚はそのまま、私の体に空いている穴と連動していたのだと思う。
絶望しか詰まっていない、何もない私を象徴するその穴に触れることを、私はずっと拒絶し続けてきた。
けれど、焦燥感と不自由の熱の中に耐えきれず、私は初めて、その「穴」と、自分自身の身体と向き合ってみることにした。
「夫任せにしていていいのか」「自分を知らなくては」 ── そんな理屈を携えて、私は、ある一歩を踏み出そうとしていた。
