ビジネスモデル理解に関する推薦書籍📚
AIの民主化によって、オペレーションの効率化も、アプリもつくりやすくなって、誰もが手軽にアイデアを形にできる時代になりました。
しかし、事業として継続的に利益を生み出し続けることには依然として高い壁があります。
どんなにつくるのが簡単になっても、誰のどんな課題を解決し、どうやって対価を頂くのかという商売の原則は変わらないからです。
だからこそ、人が注ぐ努力が報われるかどうかは、その土台となるビジネスモデルの設計次第と言えます。
今回は、ビジネスモデルへの理解を深め、価値を利益に変える構造の設計力を磨いていく推薦書籍をまとめましたので、ご参考となれば幸いです!
1.ストーリーとしての競争戦略(楠木建)
その会社の特徴を一つひとつ見るだけでは、その会社が「なぜ儲かるのか」は見えてこない。ビジネスモデルのつながりを「ストーリー」として読み解く重要性に気づくことができる書籍です。
< 気づきPointの例 >
① 戦略とは動きのあるストーリー。施策同士がどうつながって利益を生むのかを説明できて、はじめて戦略といえる。良い戦略は、誰かに話したくなるほど面白いストーリーになっている。
② 競争とは、放っておけば他社との違いがなくなっていく力のこと。違いがなくなれば、残るのは値下げ合戦だけ。模倣されにくい強みは、組織の中で長い時間をかけて育ったやり方にある。
③ ストーリーは終わりから考える。結末は必ず長く利益を出し続けること。最後のなぜ儲かるのかが甘いと、全体が台無しになる。
2. スタートアップの技法 新規ビジネスをスケールさせる「7つの視点」(杉田浩章)
「勝てる市場」「儲けのメカニズム」「参入障壁」「成長段階の見極め」。この4つがなければ事業は大きくならない。ビジネスモデルを構造でとらえる重要性に気づくことができる書籍です。
< 気づきPointの例 >
① 売上が伸びても、利益が出る仕組みでなければ事業は続かない。顧客1人あたりでいくらかかり、いくら残るのかを分解して見ることが大切。利益を見る最小単位(利用者・顧客企業・商品など)を決めて損得を分解すると、構造が見える。
② 値付けは単なる価格決めではない。生み出した価値のうち、どれだけを受け取るかの設計である。無料で入り口をつくり、別の場所で稼ぐ方法もある。
③ シェア2〜3割で満足すると、厳しい価格競争に巻き込まれる。他社が入れない「堀」を築くには、圧倒的な位置を取りにいく必要がある。
3. IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ(冨山和彦)
同じ業界でも、儲かる構造は会社ごとに違う。数字の裏にある経済の仕組みを読み解くことこそ経営分析の本質だと気づくことができます。
< 気づきPointの例 >
① 経営分析とは、その会社の儲けの仕組みを分析すること。帳尻が合わない構造の会社は、いずれ潰れてしまう。まず損益計算書から会社の姿を想像し、貸借対照表で確かめ、最後にお金の流れ(キャッシュフロー)で検証する。
② 同じ化粧品会社でも、売り方が違えば儲けの構造も違う。数字を単純に並べて比べても意味がない。
③ 規模を大きくすれば儲かるとは限らない。量が増えても変わらないコストが大きい事業だけが、規模の恩恵を受けられる。会社が大きくなると調整の手間が増え、むしろ効率が下がることが多い。
4. 決算書ナゾトキトレーニング 7つのストーリーで学ぶファイナンス入門(村上茂久)
身近な企業の決算を題材に、ミステリーを解くようにビジネスモデルを理解する面白さを味わえる一冊です。
< 気づきPointの例 >
① 会計は過去を、ファイナンスは未来を見る道具。成長企業を見るときは、実績より将来性に目を向ける。
② 会社は赤字では潰れない。お金が尽きたときに潰れる。利益よりも、現金が回っているかを見ることが大切。
③ 借金より手元の現金が多ければ、実質的に無借金の会社といえる。
5. ネットビジネス進化論 何が「成功」をもたらすのか(尾原和啓)
ネットビジネスの勝敗は、人が最初に訪れる入り口を押さえられるかで決まるIT企業の稼ぐ仕組みを、進化の流れで理解できると気づくことができます。
< 気づきPointの例 >
① ネットの本質は、小分けにして、離れたものをつなげること。そこに新しい情報とモノの流れが生まれ、ビジネスが生まれる。
② ネットビジネスで最も大切なのは入り口。検索が伸びたのは、見たい情報にたどり着く入り口になったから。
③ 信用が高い人が優遇されるのは、人を疑う手間が減るから。
6. ダブルハーベスト 勝ち続ける仕組みをつくるAI時代の戦略デザイン(尾原和啓、今村健一)
データを持っているだけでは勝てない。新しいデータを生み続ける「ループ」をつくれるかが勝負を分けると、AI時代のビジネスモデルの見方に気づくことができます。
< 気づきPointの例 >
① 売り手が集まれば買い手が集まり、買い手が集まれば売り手も集まる。この好循環が回ると、データも自然にたまっていく。大事なのはデータの量ではなく、データを生み続ける仕組み。
② AIの技術そのものでは、もう差がつきにくい。差がつくのは使い方の設計である好循環の仕組みだけでは、資金力のある後発に逆転されることがある。
③ AIで効率が20倍になっても、すぐにライバルも追いつく。勝ち続けるには、他社にない独自の価値が欠かせない。
7. ALL for SaaS SaaS立ち上げのすべて(宮田善孝)
売って終わりではなく使われ続けて稼ぐ月額課金型のビジネスモデルの理解が深まります。
< 気づきPointの例 >
① 利用者の準備が最小限で済み、すぐ使い始められることが価値になる。
② 顧客獲得費用を計算するときは、広告で獲得した顧客と、自然に集まった顧客を分けて考える。
③ 顧客の獲得にかかった費用は、半年から1年で回収できるのが良いとされる。回収までの期間を見ると、事業の健全さがわかる。
8. PLG プロダクト・レッド・グロース(ウェス・ブッシュ)
営業が売るのではなく、商品そのものが顧客を呼び込む。売り方の設計に注目する視点が手に入る一冊です。
< 気づきPointの例 >
① 商品主導の成長は、すべての商品に当てはまるわけではない。無料提供は使い方を間違えると売上を失う。
② 説明を聞くより自分で試して学びたい顧客層が増えている。買う前に試せる鍵を渡すことが信頼につながる。営業主導は、高額で専門性の高い商品に向いている。
③ 商品が集客から利用開始、継続までを担えば、商談の期間は短くなり、獲得の費用も下がる。営業主導の弱点は、獲得費用が膨らみ、商談が長くなること。
9. 起業の方程式 急成長を導くマーケティング×ストーリー×ファイナンス戦略(粂田将伸)
売上は顧客数×単価×リピートの掛け算で決まる。それぞれを少し伸ばすだけで売上が大きく変わると、ビジネスモデルを分解して考える重要性に気づくことができる書籍です。
< 気づきPointの例 >
① 顧客数×単価×リピートの3つの要素をそれぞれ26%伸ばせば、売上は2倍になる。足し算ではなく、掛け算で考えることがポイント。
② ドラッグストアは店頭の安いティッシュで客を呼び、店内の化粧品や薬で稼ぐ。客を集める商品と稼ぐ商品を分けて設計している。
③ 購入直前の迷いは、信頼・情報・手間・値段・タイミング・比較の6つに分けられる。顧客は払ったお金以上の価値を求める。お値段以上をつくることが成功の鍵。
10. 新規事業を成功させる PMFの教科書 良い市場を見つけ、ニーズを満たす製品・サービスで勝ち続ける(栗原康太)
良い市場で、顧客が本当に欲しいものを提供できているか。14社の事例を通して、「売れ続ける事業」とそうでない事業の違いを具体的に学ぶことができる書籍です。
< 気づきPointの例 >
① PMFとは、顧客のニーズを満たす商品で、正しい市場にいる状態のこと。この状態になると、商品は顧客に引っ張られるように売れていく。経験の浅い営業担当でも受注できるなら、商品が市場に合っている証拠。
② 事業をやめる理由の第1位は「市場が存在しなかった」。「自分ならほしい」という思い込みでつくった商品は、ほとんど売れずに終わる。顧客に届ける価値と、選ばれる理由をはっきり説明できるかが試金石になる。
③ 売れているのに解約が多いのは、まだ本当には合っていない証拠。顧客を絞り込み、提供内容や価格を見直して乗り越えた会社が多い。
11. 強い企業が実践している 使えるKPIの作り方(熊野整)
勝っている会社の戦略は、すべて数字で語れる。ビジネスモデルを数字の設計図として読み解ける書籍です。
< 気づきPointの例 >
① 追いかける数字は、会社が何で勝とうとしているかと一致させる。「俺のイタリアン」は立ち飲みで回転数を上げ、安くても利益が出る仕組みをつくった。
② 数字は絞り込み、利益への影響が大きいものを優先する。すべてを追うと、何が大事かわからなくなる。売上の大半を生む顧客層を見つければ、力を入れるべき場所がわかる。
③ 数字を入れ替えて利益の変化を試算すると、どこを伸ばせばよいかが見えてくる。2つの数字が連動しているかを確かめると、施策が本当に効いているかがわかる。
12.観光"未”立国〜ニッポンの現状〜(永谷亜矢子)
どれほど優れた商品があっても、顧客を導くデジタルの動線、価値に見合った適正な価格設定、関係者全員が潤う仕組みがなければ事業は成立しないと、ビジネスモデル構築の重要性に気づくことができる書籍です。
< 気づきPointの例 >
①顧客は検索して情報が見つからなければ存在しないと判断する。商品が良くても、顧客の購買行動に沿ったデジタルの導線がなければ価値は誰にも届かない。
②良いものを安く売るだけでは事業は疲弊する。商品の背景にある物語を伝え、価値に見合った適正な価格を設定することこそが、事業を守る最大の防衛策になる。
③ただ闇雲に顧客を集めるのではなく、誰に顧客になってほしいかを明確にする。自社の価値観に共感してくれるファンを集めることが、事業を長く続ける秘訣である。
13. STARTUP 優れた起業家は何を考え、どう行動したか(堀新一郎、琴坂将広、井上大智)
さまざまな起業家の実話から、ビジネスモデルは最初から完成しているわけではなく、試行錯誤で磨かれていくとの過程を学ぶことができます。
< 気づきPointの例 >
① アイデアの見つけ方は3つ。海外などの事例から、身近な課題から、そして技術や環境の変化から見つける。
② 獲得費用を押し上げる最大の要因は競争。横並びの競争に加わらない工夫が大切。
③ 検索や口コミなど、お金をかけない集客を活かすことが、少ない資源で勝つ鍵になる。
14. D2C THE MODEL EC/D2Cビジネスに再現性をもたらす体系的メソッド(花岡宏明、飯尾元)
顧客を資産にするという発想で、ビジネスモデルを考えられる一冊です。
< 気づきPointの例 >
① D2Cは、中間業者をなくして利益率を高めるだけのものではなく、新しいブランドのつくり方であり、共感で広がる仕組み。
② 1人の顧客から得られる生涯の粗利が、獲得費用を上回っている状態で顧客を積み上げることが顧客の資産化。顧客をどの経路で獲得したかごとに、獲得費用と生涯の売上を管理する。
③ 直販は他社と並べて比べられにくいため、値付けや商品設計の自由度が高い。直販は、ニッチな商品や小さな事業でも成り立ちやすい。
15. まず、戦略思考を変えよ 戦略マネジャー 8つの心得(田坂広志)
市場の自由化と情報化によって、新しいビジネスモデルが次々と生まれ、競争のルールそのものが変わっていく。他社の後を追うのではなく、市場の形勢を読んで先回りする戦略思考の重要性に気づくことができる書籍です。
< 気づきPointの例 >
① 1位の会社と同じ戦略を必死にまねても、追いつけない。1位の会社もまた、必死に走っているから。他社と違うことをいち早くやることでしか、優位は生まれない。戦略は楽をするためのものではない。どの苦労を選ぶかを決めるためのもの。
② 情報が広く共有される市場では、評判が一気に広がり、勝った会社がさらに勝ち続ける。一方で、ほんの小さな変化で一気に形勢が逆転することもある。だから強い会社ほど徹底的に勝つための手を打ち続ける。
③ 個々の会社の動きは予測できなくても、市場が大きくどちらへ向かうかは読める。値下げ競争が限界まで進めば、必ず付加価値で勝負する方向へ揺り戻しが起きる。
