スタートアップの組織開発にお勧め漫画『バトルスタディーズ』
名門野球部の過酷な部活動を舞台にしたスポーツ漫画。
強豪校として過酷な環境による教育の伝統の中で葛藤する一年生期と、伝統の崩壊による改革に葛藤する二年生期、そして、改革を経て夢に近づき夢から先の人生に葛藤する三年生期で各キャラクターの心情描写と成長に魅了されます。
400話 バトルスタディーズでは、
「入学してから今日までの道の中で学んだことはぎょーさんある
失敗怖がらずに挑戦する土壌のつくり方
準備と予測の大切さ
茨の道の中でしか手に入らへん忍耐力に
それぞれの「違い」への尊重から生まれる調和
感じて考えて動く入力と出力のバランス
遊びの中に君臨する真のたのしさ
ほかにも山ほどあるけど
オレにとって一番ゴキゲンな収穫は
そーゆーのも全部ひっくるめてみんなで築き上げてきた
たった2年半で自分と全く違う人間同士が手え
取り合って独自の文化をつくってこれたこと
それが一番デカい!!!」
との台詞があり、単なるスポーツ漫画に留まらずに、
人の成長、組織文化の変革、人と人の相互尊重、リーダーシップの観点で、理想を掲げながら急成長を目指していくスタートアップの組織開発の参考となるエッセンスに溢れているお勧めの漫画です。
下記にそんな人間ドラマが繰り広げられる『バトルスタディーズ』の魅力の一部を紹介します!
魅力1.次世代の組織文化をつくる視点
初期の三年生が強いDLを後輩に引き継ぐために必要なことは、伝統に従った規則を強いるか、時代変化に適応して規則を緩和するかと、同じ目的でも、常勝組織の条件に対する見解の相違から意見が対立していくシーンが描かれます。
「後輩たちが時代の餌食になってしまう」との台詞に、変化の激しいスタートアップにおいても、役割を持つということには、次世代の組織をつくるの責任の重みが生じることを考えさせられます。
魅力2.やり抜く力を持つための生き様のこだわり
何のために苦しいことに向き合うのか。
登場人物たちがさまざまな葛藤にぶつかりながらも、どんな人でありたいのかを自問自答しながら、一年生編から三年生編にかけて人間的な成長を遂げていきます。
厳しい規則が強いられる環境下で、脱走するか踏み止まるかの岐路に立つ時、「3年生1人ひとりの背中が語ってやがんの。オレたちについてこい。強くなれ。負けんじゃねぇ。生きざまが出てやがんだ」とシーンに、その組織を通じて、なりたい像を持つこと、持たせることの重要度を考えさせられます。
魅力3.修羅場を共に乗り越えていくことで相互尊重が芽生える
一年生編では、熾烈なポジション争いから互いを罵る場面が多くありますが、次第に共通目的のもと、相互尊重が芽生えていく変化が描かれています。
ライバルであった選手同士が三年生編では互いをリスペクトしている姿に、組織が遭遇する修羅場の中で背中を合わせて乗り越えていく戦友の存在で、主語の変化していくことの尊さを感じます。
魅力4.成長の糧となる挫折経験
さまざまな場面で各登場人物がプレッシャーを背負う中で、「自分のせいで〜」を経験して、それを糧に成長していく姿が描かれます。
中学時代まで挫折を経ていなかった選手たちが、各々の新しい挑戦の難易度に覚悟を持ち、アンラーニングして、自分を変えることに挑む姿が魅力です。
魅力5.道中の大変さも楽しむこと
作中では波瀾万丈な展開が繰り広げられますが、夢を追いかける中で、「野球そのものを楽しむか」、「知らずしらずのうちに高校野球に染まるか」との命題にぶつかり、その過程で野球に留まらずに、人生とは?に考えを巡らせていきます。
自己の動機となる目的があったはずが、高い目標を追いかけていく組織の環境の中で、次第に目的を見失いやすいことがあっても、道中の大変さも予定調和ではないからこそ楽しめるとの解釈がレジリエンスの参考になります。
魅力6.リーダーシップの孤独とフォロワーシップの成長
改革のために強さを演出しながらも、誰にも頼れない重圧に背負う主将のリーダーシップの孤独と、それを認めて支えていく周囲のフォロワーシップ成長が描かれます。
「一人の人間がデカくなりすぎたら、他の人間が考えることをやめてしまう」との台詞に、強い組織は特定のカリスマに依存することなく、相互に刺激し合って成長していくとのチーム像を考えさせられます。
魅力7.他者の成長をプロデュースしていく
優秀だが、他者を卑下したりとチームの和を乱すブリリアントジャークのような問題児が度々出てきますが、チームで勝つ力をつけていくには、その問題児の力が必要だとして、その人の可能性に向き合い、わざと挫折を経験させたり、喝を入れたりと、人が変わる可能性を信じて体験を演出していく工夫が描かれています。
多忙な日常に流されることなく、人と対話していくことの重要度を振り返させられます。
魅力8.諦めなければ誰にでもチャンスが巡ってくる
序盤が大活躍でも慢心があれば壁にぶつかり、序盤がベンチ外でも腐らず頑張れば花が開くと、一年生編から三年生編の登場人物たちの幾度も生じる挫折と苦難から、諦めない闘志の尊さを考えさせられます。
レギュラー落ちした秀才が観客席で奮い立ち、「根が腐らん限り 何度でも咲くよ 何度でも 何度でも….」と諦めないシーンや、ずっとベンチ外でも腐らずにチームを鼓舞してきたメンバーがレギュラーで活躍するシーンには胸が打たれます。
魅力9.人の痛みが分かるからこその言葉が磨かれる
「一瞬でもホッとしたらアカンのか…オレは志が低い、ニセモノなん?」
誰よりも勝利を求めていたはずが、負けて安心して自己不信に陥るシーンで、努力の裏側に伴う痛みが表現されています。
その対比で、負ける直前に相手から投げかけられる
「人間らしくていいじゃねぇか
一生懸命生きてんだ
潔くなんていられないよな」
との印象深い言葉が何度も反芻されます。
魅力10.人は承認によって変われる。器の大きさ
作中では何度も他者の後悔や不安を受け止めるシーンが描かれます。
自分たちの未来を潰した相手や、脱走した相手、責任を投げ出そうとする相手、チームを危機に晒そうとする相手。
それぞれに対する怒りを持ちながらも、相手の心情に思いを巡らせ、次第にその相手の後悔や不安を受け止めて、他者を承認することで、互いにその後の歩みが変わっていく姿に器の大きさがチームの可能性を変えることを考えさせられます。
「規則を盾にして考えること放棄するクソ人間になる気か、お前らはそんなにキレイんけ?」が印象深い。
以上、
「勝っても負けてもDLは笑う
この2年半であいつらは
野球の勝ち負け以上の財産を手に入れたわけやから」
と急変化を遂げる組織の中でさまざまな人間ドラマが繰り広げられ、成長していく登場人物たちにスタートアップのロマンも彷彿させられる漫画です!
