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最終章『#メッセージ』        この空の下から

    #創作大賞2026
    #恋愛小説部門


    人は、人生の中で何人の人と出会うのだろう。


    その中で、本当に大切だと思える人は、どれほどいるのだろう。


    二十代の頃に出会い、笑い合い、支えられ、そして別々の人生を歩むことになった。


    もう二度と交わることのない人生なのかもしれない。


    だけど、不思議だった。


    長い年月が流れても、千夏ちゃんの存在だけは、自分の中から消えることがなかった。


     


    2023年。


    久しぶりに届いた千夏ちゃんからのメッセージ。


    そこには、変わらない優しさがあった。


     


    『しんちゃん。元気でいてね。


    私も頑張ってるから。


    きっとさ、またさ、どこかで。


    お互い気づかないで、すれ違うだけかもしれないけど。


    どんな風であっても。うん。うん。うん。


    生きていよう。』


     


    静かな夜だった。


    その文章を、何度も読み返した。


     


    嬉しかった。


    だけど、少しだけ切なかった。


     


    ――あぁ、これが今の二人なんだな。


     


    昔みたいに、隣を歩くことはない。


    お互いに、それぞれの人生がある。


    守るべき家族がいて、歩いていく未来がある。


     


    でも、それで良かった。


     


    千夏ちゃんが幸せで、笑顔で、大切な家族に囲まれて生きている。


    それが、何より嬉しかった。


     


    人を好きになるということは、手に入れることじゃない。


     


    幸せを願えること。


    遠く離れていても、その人の笑顔を想像できること。


    それもまた、一つの愛情なんだと思う。


     


    二十代の頃。


    伝えられなかった言葉。


    勇気を出せなかった想い。


     


    後悔が無いと言えば、嘘になる。


     


    だけど、あの頃の自分がいたから。


    こうして、千夏ちゃんという大切な人と、長い時間を共有することができた。


     


    嬉しい時も。


    苦しい時も。


    迷った時も。


     


    いつも、千夏ちゃんの言葉に支えられてきた。


     


    『真ちゃんなら、大丈夫。』


     


    『自分を大事にしてね。』


     


    『怒ると言い聞かせるは違う。』


     


    『なめらかプリンを食べて元気を出しなさい。』


     


    その一つ一つが、今も自分の中で生きている。


     


    人生の中で、出会えて良かった。


     


    心から、そう思える人。


    それが、千夏ちゃんだった。


     


    これから先。


    本当に、街のどこかで、すれ違うことがあるのかもしれない。


    お互い、気づかないまま。


     


    それでも、いい。


     


    どんな形であっても。


    笑顔で生きていてくれれば、それでいい。


     


    そして。


    この空の下で、今日も変わらず幸せを願っている。


     


    ありがとう。


     


    ずっと、ありがとう。


     


    千夏ちゃん。


     


    きっとまた、気づかない二人が、街のどこかですれ違うだけかもしれない。


     


    それでも。


     


    どうか、笑顔で。


     


    幸せでいてください。



    この想いをメッセージに乗せて。


     


    あとがき


    『#メッセージ』を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。


    この作品は、実際に交わしたメッセージをもとに、一つの物語として再構成した作品です。


    人を想うこと。


    誰かの幸せを願うこと。


    会えなくなっても、変わらず心に残り続ける存在がいること。


    人生の中には、恋人や家族という言葉だけでは表現できない、大切な出会いがあります。


    この物語を通して、そんな温かい想いや、人と人との繋がりに少しでも共感していただけたなら、これほど嬉しいことはありません。


    皆さまの人生の中にも、忘れられない大切な誰かが、笑顔で幸せに過ごされていますように。


    心からの感謝を込めて。


    本当にありがとうございました。

    ―――完―――

     
     
    はじめまして、ごく普通の会社員です。 若い頃の離婚、転職、人との出会い。 現在は実話をもとに再構成した恋愛・ヒューマンドラマ『なめらかプリン』を連載中です。 派手な物語ではありませんが誰かを好きになったことがある人なら共感して頂けるかもしれません、気軽に読んでいただけたら…。

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