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【小説】月の竜シャンドラ・ルナ【14話】零䞋の出䌚い




    「「レむカ」」


    皆の声の向けられた方向の癜い流氷に立぀黄金色のシャンドラは颯爜ずした雰囲気を攟぀。


    「レむカだ。皆を助けに来たんだ」



    「レむカ  」


    レむゞ、レむトのその蚀葉がシャンドラの姿をしたレむカの存圚を知らせる。


    ギシ、ギシ


    レむカは流氷を枡りきり砕氷船に乗り蟌めば船に乗った皆を䞀通り芋枡しおから話し始めた。


    「レむゞ、レむト。船から救難信号を出したな。今の船の様子はどうなんだ。」


    「急に流氷が抌し寄せお来たんだけど  でも手掗さんが流氷を転生しおくれたから、倧䞈倫になったよ。」


    流氷が浮かぶ䜍の海だから、䞀般人が萜ちれば呜の危機になっただろう。


    流氷から転生した蝶々達は船ず手掗の呚りを雪の様に舞っおいた。


    レむカはレむゞの蚀葉を聞きそれを眺める。

     
    「それでは皆倧事を乗り越えた様だな。」


    芖線の先の蝶の纏い付くシャンドラの姿を芋お特に動揺も芋せずレむカはこちらを芋お話しかけおきた。


    「その蝶々でわかった  君が手掗だな。」


    「はい」


    この姿でも、私の名前が知られおいるようだった。蝶の぀いおいるシャンドラなんお私䜍のものだろうし  。


    ある意味目印のようなものになっおいるのかもしれない。


    「君の奇跡のおかげで皆が乗った船が転芆しなくお枈んだ。ありがずう。

    レむゞ達ず話が付いたらあらためお瀌を蚀わせおくれ。」


    「  はい。」


    私はその蚀葉にうなずいお、衚情がでない分の肯定的な態床をずった。
    この蝶が圹に立っおよかった。


    「䞀先ず危機は乗り越えられたず思うんだけど  。でも、流氷の原因が分からなくお  。」


    「レむカは䜕か知っおる」


    そうしおレむゞは流氷が抌し寄せた方角を芋る。


    レむトも悩んだ様子の衚情をする。


    「そうだな  おそらくそれは自然珟象ではない、誰かしらが起こした奇跡だ。」


    「抌し寄せた流氷  それが奇跡だったず」


    「䞀䜓誰が䜕の為に  」


    レむゞが疑問を吐露する。


    「それが分からない以䞊、卯月宮を䞭心にしお譊戒を匵っおおいた方がいい。奇跡を起こしたのが【ダシャンドラ】かもしれないからな。」


    「ダシャンドラがこの静かの海にも  そうだね。安党か分かるたで皆を避難させお、月の遺産も守らないず  」


    【ダシャンドラ】  シャンドラずよく䌌た名前。【倜叉】は、悪い鬌神の名前だっけ。


    そう頭の䞭で考える。流氷がより悪い意味で起きたずいう事を感じながら、䞀方でレむカがやるべき事を話し出す。


    「そうず決たれば手分けしお譊備に圓たろう。お前達は卯月宮の月の遺産を守れ。」


    卯月宮の月の遺産、話で聞いた【ナキノツキガサ】の事だず思った。


    「わかった。」


    「瀟でシャンドラクシャ達を集めお譊備をしおおくよ。」


    「ああ。私達は奇跡の蚘録の為に手掗達ず氷宀ぞいく。埌は頌む」


    「わかった」


    レむゞが返事をする。


    「    」

    その様子をノィクトヌルが芋おいた。レむカの指瀺は迅速でレむゞ、レむト共に玠早い連垯で準備をし始めた。


    「手掗さん、兄さん達気を぀けお  」


    「䞀時的に離れおしたう事になり申し蚳ない。たた近い内に䌚ったらその時は必ず圹に立ちたい  たた䌚いたしょう」


    レむゞずレむトの2人はそう蚀っお砕氷船に乗り蟌んでいく。


    皆シャンドラずしおの務めを圓たり前にこなしおいお気が匕き締たる思いだった。


    「はい、2人ずもたた  」


    レむゞ達に返したその蚀葉は本来は垌望だけを感じるはずのものだったが、今は緊匵感を垯びおいた。


    本来は垌望だけを感じるはずのレむゞ達に返したその蚀葉が、今は緊匵感を垯びおいた。


    「韍月が来たら、近くの仲間を頌れ。私達も埌で向かう。」


    レむカの蚀葉を聞き届けそうしおレむゞ、レむト達を乗せた砕氷船は海に䜇む卯月宮に向けお航行しおいく。私はただ芋守るだけだった。


    皆が皆のために協力しおいる。これがシャンドラの掻動なんだず感じた。


    ルナ・プレシオサから離れおいく砕氷船を䞀瞥し、皋なくレむカはこちらを振り向くず、䜓制を取り盎しお呟いた。


    「さお、私達にはただやる話があるが  その前に必芁な事がある。  【りんねおんせい】」


    りん、鈎音が響くず


    レむカのシャンドラの身䜓は煌めく光の粒子の様に散逞し、その光を再び纏うようにしお人間の姿が珟れた。


    赀髪の頭の䞊で結い䞊げられた長い髪は癜く、衚情以倖の顔はレむトそっくりだった。


    「手掗  皆を助けおくれおありがずう」


     「はい。助かっお良かったです」


    「改めお名乗らせおくれ。私はレむカ  卯月回りレプスのシャンドラずしおこの静かの海䞀垯を守っおいる。君が起こした事に察しお少しの感謝にも足りないかもしれないが、困ったら私を頌っおくれ。」


    「はい。ありがずうございたす。知らないこずがあったらよろしくお願いしたす」


    レむカ  ななこやノィクトヌルの蚀う通りの仲間を思いやり真面目な様子だった。


    「ここもいずれ韍月により危険な領域になる。だが韍月以倖にも、譊戒をする必芁が出たな。」


    レむカは流氷の抌し寄せた海域を芋枡しながら話す。


    「【ダシャンドラ】も目的があっお動いおいるはずだ。遠くから奇跡を起こしおいるのなら、シャンドラの俺達を譊戒しお簡単には姿を衚さないのだろう。だがやる事は決たっおいるはずだ」


    ノィクトヌルが瀺唆するのは
    そのダシャンドラず察峙しおいない以䞊、シャンドラずしおの仕事が優先されるずいう事だ。


    「レむカ、さっきの流氷っお  どこたで続いおたの」


    ななこがレむカに話しかける。


    「卯月宮から芋お西方の果おの方角だったな。」


    「たあたあ遠いわね。向こうも私達の様子を芋お、スキがあれば月の遺産を盗るチャンスを䌺う感じかしらね。」


    「仮にダシャンドラだったずしお、奎らは䜕が目的だず思う」


    緊匵感のある雰囲気でノィクトヌルが話しを進める。


    「卯月宮か、氷宀にある月の遺産か  手掗かだ。」


    レむカが手掗に芖線を移す。䞀斉に集たる皆の芖線が私の発蚀を急かしおいるようで、蚀葉がでおしたう。


    「  私ですか」


    「それは俺も考えおいた。」


    「この月の浊島には、月の遺産を手に入れようず暗躍するダシャンドラの組織がいるんだ。」


    レむカは私に説明するように話す。


    「そうなんですね  」


    「そう  ダシャンドラはね、韍月の䞊陞した混乱に乗じお月の遺産を盗もうっおする人達☆」


    「シャンドラが為に奇跡を䜿う䞀方で、ダシャンドラは  奇跡を秘密裏に売買したり私欲の為に䜿う茩だ。」


    「簡単に蚀うず悪いシャンドラっお所かしら☆」


    説明に聞く限り、皆の財産である月の遺産を良いようにしようずする、悪い人達らしい。


    シャンドラになった以䞊、そのダシャンドラにいずれ䌚うこずになるかもしれないず思った。


    「そのダシャンドラが  歀凊にくるっお事ですか」


    きちんず状況をしっお、自分に出来るこずをやりたかった。邪魔にもなりたくなかった。


    「ただ分からないが、君の奇跡は月の遺産かそれ以䞊に貎重なものだ。

    今埌君の奇跡の存圚が呚りに知れ枡れば、それを手に入れようずする者が珟れおもおかしくはない。」


    レむカの蚀葉に、月公瀟での審査の前に聞いたサガラの蚀葉を思い出す。


    いたたで奇跡を起こす事を考えおばかりだったが、その自由を奪われる事  そうなった時自分には自分を守る術はあるのだろうか


    でもそれも、奇跡を起こす事で実珟しおいくのかな。


    「ダシャンドラなら、そう考えお䞍思議ではないな。韍月もやっおくる  手掗は埅機させおおくか」


    ノィクトヌルが今埌の事を話し始めた。そう蚀われるなら埓わない意思はない。


    「いや、ただ原因が誰かしらのものか分からない以䞊、手掗は私達に連れ添わせる方が安党だ。」


    「だろうな」


    「私も手掗ちゃんずいたいよ」


    ななこがすかさず蚀葉を挟む。


    「ななこは韍月に察応する船団の譊備だな。」


    レむカが冷静に指瀺を出す。珟地の守りを叞るシャンドラの暩限は倧きいみたいだ。

     
    「そうよね☆シャンドラずしお船や皆の事も守らなきゃ  ☆手掗ちゃん、レむカ達ず離れちゃダメだよ  ☆」


    「うん。そうするね。」


    段々ず皆がやるべき事が芋えおきた。私がやれる事は少ないかもしれないけど  。


    「では韍月ず共にダシャンドラに察しおも譊戒を続ける  ずいう事になるな。」


    ノィクトヌルが今埌に぀いおの話しをたずめる。


    「韍月はただ出おきおないわね」


    「アルミラリには反応がない。予報の通り、日が萜ちおからの䞊陞だろう。」


    ノィクトヌルはアルミラリを芋お話した。アルミラリの瀺した情報ず違いがないか、空を芋枡す。


    空は晎れおいお、嵐の前の静けさのような空気が挂っおいる。私も少しは芋方を習ったのでアルミラリを芗き蟌む。


    アルミラリの衚瀺板には䜕も浮き䞊がっおない。぀たり韍月は危険ず思われる距離にはいない。目芖より遠くたでを探知出来るそれは、ただ沈黙しおいた。

    「少々予定倖の出来事があったが、話はたずたったな」

    レむカが話の内容を確認するように蚀葉を発した。


    「なら、俺達は元々の目的を果たさないずな」  

    ノィクトヌルは背埌の手掗を芋お話した。


    「手掗の奇跡の蚘録に぀いおの事だな」

    「しかしこの様な䞍穏な状況になるず、手掗の奇跡に぀いおは、韍月を転生しおからでいいのでは」
     

    「韍月を転生し終えたら、私に䞎えられた暩限も月公瀟偎に戻る。ダシャンドラや月公瀟での手掗の安党が予断を蚱さない以䞊、出来る手を打っおおく」


    「しかし手掗に無理を匷いおいないか」


    「わかっおいる。しかし無理を抌しおでも、この先手掗にずっおこれからシャンドラずしお生きおいくには必芁な事をさせおもらう。皆で手助けをする為にな。」

    「手掗を助ける為だず」


    「そうだ。
    手掗は今の所、審査を埗お公匏にシャンドラになる蚱可を埗たずいう段階だ。
    ののやサガラは月公瀟で出来るこずをやったのだろう。しかしそれだけでは䞍十分だず、ののはそれが分かっお私に手掗を任せたのだ」

    「今静かの海での暩限があるのはレむカだが、それで手掗をどうする぀もりだ」


    「私の扱う奉曞の1぀は月の遺産を蚘録し管理する月公瀟公匏の目録  新しい奇跡を蚘録する矩務がある。 

    その決たりを利甚し手掗の奇跡そのものを公匏の蚘録ずする事で、手掗が簡単には抹消できない存圚ずなり、手掗が䞇が䞀蝶に転生した末に自我を倱うこずになっおも、蚘録から手掗の存圚を蚌明出来る様になる」


    「手掗の安党の為に蚘録を名前の代わりにするのか」


    「ああ」


    「しかし韍月の䞊陞も近い  手短に枈たせお、手掗の負担を軜くするべきだな」


    「異論はない」

    「心配なのノィクトヌルののが考えなしに手掗ちゃんを危ない他の堎所にほっぜりだすなんおありえないわ☆」

    「危険に察しおは俺達がいる。手掗には無理をしお欲しくないだけだ」


    「そうよねえ☆昚日の事もあるし  手掗ちゃんに安心安党にお仕事に打ち蟌めるよう私達が力を合わせる☆
    よく考えなくおも今静かの海にそろえられる最匷の垃陣じゃない
    それがたず手掗ちゃんの安心に぀ながるっおものよ☆」

    「圓然だ  」


    「自信ずを欲を持぀のよ☆私達の䜿呜は韍月を転生させお芋事に手掗ちゃん達を守る☆  うんず欲匵るのよ☆」


    にこにこず私に笑顔を送るななこ。怖気づかない様子は掻躍する堎面でも想像しおるのかな


    「    」

    ノィクトヌルはななこのノリに少し考えるようにしおいる。  

    「ほらアレよ☆2頭の兎がなんずやら☆でもワタシはやりきるわよ☆カッコいい所芋おおね手掗ちゃん☆」

    「二兎を远う者は䞀兎をも埗ず」

    「あら、手掗ちゃん、なんだか心配かしら☆」

    「ううん。二兎を䞀人じゃなくお、皆で远えば、どっちも埗られるず思う。そうなれるように、私も頑匵りたい。」  

    「ほら☆手掗ちゃんは皆の味方みたいね☆」

    「いいのか手掗」

    ノィクトヌルが蚊ねる。

    「出来るこずをやりたい。発䜜が出ないように勝手に無理はしない。色々ありがずう」


    「そうか、わかった」

    レむカは手掗の蚀葉を聞き届け話しかけた。


    「手掗、仮に発䜜が出お蝶々になっおも私は怖がる事はない。どうか気負わないでくれ。」

    「うん、わかりたした。」 

    レむカの蚀葉に少し安心する。


    「ありがずう。
    すたないが、これから私ず䞀緒に氷宀に向かい、君の奇跡を蚘録させおほしい。これらは責任をもっおやらせおもらう」

    「はい、私に出来る事があれば、よろしくお願いしたす」

    シャンドラずしお奇跡を起こす。それをちゃんずやるずいう意思を䌝えたい為に、シャンドラの頭を頷かせる。

    「ああ、これから頌む」  


    静かの海で、今埌少なくなるかもしれない今出来るこずの1぀かもしれない。
    それが奇跡で出来るなら、蝶の姿になっおもやりきりたい。

    レむカずシャンドラの姿の私が察峙する。こうやっお、シャンドラずしお求められるこずも増えおいくんだろう。

    終始毅然ずした空気の䞭でななこがニコニコずしお話しかける。

    「奇跡  手掗ちゃんは色んな奇跡を起こせるの☆
    手掗ちゃんはねえ、奇跡でお料理も䜜れるのよ☆」

    「手掗は人を助けられる奇跡を起こせるんだ。」

    「そうなのか。君ずは䞀段萜付いおゆっくり話が出来たら良いな。」


    「そうですね  」


    私も含めたそれぞれのやる事が決たっおいく。
    こうやっお、人の圹に立ずうずしたのはい぀ぶりだったろうか。


    䞍思議ず悪い気持ちにはならなかった。


    むしろ自分のやる事に気持ちを向けおもらえお、ありがたい気持ちになった。そんな気持ちになれたのも、い぀ぶりだろう  。


    そしお思った。シャンドラの姿でいおも、憑き人ずしおの䞍自由があっおも、奇跡を起こせるなら、ただやっおいける。やっおいきたいず思った。皆ず䞀緒にずいう気持ちず決意が固たる。


    「手掗ちゃん〜、船着き堎に着いたら䞀旊お別れだなんお寂しいわ☆その間に沢山お話したしょ☆」


    「うん。お話しよう。」


    「なんだななこ、先の奇跡の話か」


    「あらレむカ、私が矚たしいのかしら☆レむカも䞀緒におしゃべりしたしょ☆」


    「ななこはい぀もこの調子だな。良いのやら悪いのやら」


    「たるで緊匵感がないな」


    「良いのよ☆耒めおくれおも☆私はい぀でも深海のように萜ち着いおいるのよ☆」


    ななこ達のおかげで䞍安にも䌌た緊匵感が柔らかくなる。


    私を含めたレむカ達は、ななこのルナ・プレシオサ号でおしゃべりをしながら瀟の察岞にある氷宀たで向かう事ずなった。


    船の進む方角に芖線をやり、遠くないうちに出䌚うかもしれないダシャンドラの事がよぎる。


    でも皆がいる。皆の為に私の奇跡が圹立おばいいず思った。







     
     
    日蚘「カミュ掻日蚘」投皿䞭

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