家族のゴングショー ♯25〜世界の終末は塾の送迎車に乗ってやってくる〜
期末テストが終わって、鼻唄混じりで帰ってきた娘。
通常の帰宅時間より、1時間30分ほど遅い時間。
「おかえり、遅かったね。何かあったの?」
「友達の委員会が終わるのを教室で待ってて、そのままお喋りしてた。」
あぁ、なんかそういうの懐かしいなぁ。
私にも遠い昔、そんな記憶があるなぁ。
絶賛、青春を謳歌している娘は荷物を置きながら、その日あったたわいもない事を一気に話し終えると、最後に一言。
「アイス食べる」
どーぞ、と応えて、目の前で携帯を眺めながらアイスを頬張る娘に、気になる質問をぶつけてみた。
「本日は、貴方様の塾の日であるが、宿題はお済みでしょうか?」
目玉がこぼれ落ちそうなほど、まん丸にして停止した娘。
タップリ3秒ほど固まってから、急いで2階に駆け上がっていった。
2階から娘の「ウソだーウソだー」といううわ言が聞こえてきたが、こういう時は黙っているに限る。
さっきまでの、アイス食ってのほほんチルタイムから一変。
世界の終末(塾の時間)が迫ってきて、タイムリミットまでに滅亡を食い止める(塾の宿題を終わらせる)という緊迫した状況が目まぐるしくて、この物語の読者はさぞ忙しいだろうと思った。
そして、いよいよその時は来た。
地獄からの使い(送迎車)が迎えに来た。
いよいよクライマックスである。
「時はきた!(by橋本真也)」
颯爽と送迎車に乗り込む娘を見て、
「終わった、戦は終わったのだ。今日も世界は滅亡せずに済んだ。」