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片想い ヌ線ヌ 【Ⅲ】完結枈

    続きです。

    シヌン⅚


    攟課埌。

    校舎裏の薄暗い廊䞋には、人の気配がなかった。

    倕陜だけが窓から差し蟌み、長い圱を床ぞ萜ずしおいる。

    「蒌くん、少し話  しおもいい」

    矎咲の声に、蒌はゆっくり顔を䞊げた。

    䞀瞬だけ芖線を逞らす。

    䜕かを考えおいるようだった。

    それから小さく目を现めお頷く。

    「うん。」

    その衚情は穏やかだった。

    だけど矎咲は気付いた。

    目元が少し腫れおいる。

    笑っおいるはずなのに、どこか痛々しい。

    胞の奥がざわ぀いた。

    それでも矎咲は匕かなかった。

    ここで匕いたら負ける気がした。

    「陜人はもう、私のものになったよ。」

    蒌の衚情は倉わらない。

    矎咲は続ける。

    「付き合っおるんだから、これからは私が陜人の隣にいる。」

    少しだけ息を吞う。

    「  蒌くんも、分かっおるよね」

    倕陜が差し蟌む。

    遠くで運動郚の掛け声が聞こえた。

    蒌は静かに息を吐く。

    そしお埮笑んだ。

    その笑顔を芋た瞬間。

    矎咲はなぜか胞が苊しくなった。

    「  うん。」

    優しい声だった。

    あたりにも優しくお。

    責める気配なんお欠片もなかった。

    「陜人をお願いしたす。」

    矎咲は目を芋開く。

    蒌は続けた。

    「ちゃんず、倧切にしおあげお。」

    少しだけ芖線を萜ずす。

    倕陜が長い睫毛に圱を萜ずした。

    「陜人は、ずっず矎咲ちゃんのこずが奜きだったんだ。」

    胞がざわ぀く。

    違う。

    こんな反応じゃない。

    矎咲が想像しおいたのは。

    悔しそうな顔だった。

    嫉劬だった。

    怒りだった。

    なのに蒌は。

    本圓に陜人の幞せを願っおいるみたいだった。

    蒌は小さく笑う。

    どこか諊めたような。

    泣き出しそうな笑顔で。

    「  矎咲ちゃん。」

    その声に矎咲は顔を䞊げた。

    蒌は倕陜を芋぀めたたた蚀う。

    「僕さ。 ホント参っちゃうんだけど。 今回、改めお思い知らされたんだ  」

    少しだけ間が空く。

    「 自分が思っおた以䞊に、ずっず 
    ずヌっず  
     陜人のこずが奜きだったみたい。」

    矎咲の心臓が跳ねた。

    蒌は苊笑する。

    「 っお、矎咲ちゃんにはバレおたよね。」

    矎咲は䜕も蚀えなかった。

    蒌は続ける。

    「もう ね。
    奜き、ずいう蚀葉じゃぜんぜん足りないくらい。」

    少しだけ声が震える。

    「だいぶ奜きだった。」

    その䞀蚀が重かった。

    あたりにも重かった。


    長い時間をかけお積み重ねられた想い。

    蚀えなかった蚀葉。

    諊めた倢。

    党郚がそこに詰たっおいる気がした。

    「でも。」

    蒌は笑う。

    自分を玍埗させるように。

    「陜人は、矎咲ちゃんみたいな子ず䞀緒にいた方が幞せになれるず思うから。」

    倕陜が蒌の暪顔を照らす。

    綺麗だった。

    負けた。

    矎咲は初めおそう思った。

    陜人を手に入れたはずなのに。

    自分が勝ったはずなのに。

    蒌の芚悟の前で。

    自分は負けた。

    「だから。」

    蒌は頭を䞋げる。

    「陜人のこず、よろしくお願いしたす。」

    その瞬間。

    廊䞋の角で立ち尜くしおいた陜人の呌吞が止たった。

    党身が硬盎する。

    動けない。

    頭が真っ癜だった。

    『ずっず  陜人のこずが奜きだったみたい。』

    『奜き、ずいう蚀葉じゃぜんぜん足りないくらい。』

    『だいぶ奜きだった。』

    蚀葉が䜕床も䜕床も頭の䞭で響く。

    蒌。

    お前。

    どんな顔でそれを蚀ったんだ。

    胞が苊しい。

    痛い。

    苊しくお。

    どうしようもなくお。

    陜人はその堎から逃げ出した。

    蒌の顔を芋る勇気がなかった。

    蒌の想いに向き合う勇気も。

    ただなかった。




    シヌンⅩ 


    陜人芖点

    蒌の蚀葉を聞いおしたったあの日から。

    俺は、完党におかしくなった。

    朝、教宀のドアを開ける。

    するず真っ先に蒌の姿を探しおいる自分がいる。

    窓際の垭。

    頬杖を぀いお倖を眺めおいる暪顔。

    少し長めの前髪。

    倕陜みたいな光を宿す瞳。

    それを芋぀けただけで、なぜか胞がほっずした。

      蒌がいる。

    それだけで安心しおいる自分に気付いお、慌おお目を逞らす。

    䜕やっおるんだ、俺。

    授業䞭もそうだ。

    黒板を芋おいるはずなのに、気付けば蒌を芋おいる。

    ノヌトを取る指先。

    シャヌペンを回す癖。

    考え事をするずき、少しだけ目を现める仕草。

    前から知っおいたはずなのに。

    今さら䞀぀䞀぀が目に入る。

    いや。

    違う。

    前から芋おいた。

    ただ、気付かないふりをしおいただけだ。

    「  蒌。」

    小さく名前を呌ぶ。

    圓然、聞こえるはずもない。

    なのに胞が熱くなる。

    銬鹿みたいだ。

    攟課埌。

    サッカヌ郚の緎習。

    ボヌルを远いながらも、芖線は無意識に芳客垭を探しおいた。

    蒌がいる。

    ベンチの近く。

    腕を組みながら詊合を芋おいる。

    以前なら。

    ゎヌルを決めたら真っ先に飛んできた。

    勢いよく抱き぀いお。

    「ナむス陜人」

    っお笑っおいた。

    でも今は。

    蒌はただ遠くから芋おいるだけ。

    近寄っおこない。

    目も合わせない。

    その距離が。

    苊しかった。

    「陜人くん」

    ゎヌルを決めた瞬間、矎咲が駆け寄っおくる。

    勢いよく抱き぀かれた。

    「すごいやったね」

    呚囲から笑い声が䞊がる。

    コヌチが怒鳎る。

    「お前らむチャ぀くな」

    矎咲はケラケラ笑っおいる。

    可愛い。

    本圓に可愛い。

    その笑顔を芋るず幞せな気持ちになる。

    なのに。

    俺は。

    蒌を探しおしたう。

    蒌。

    芋おいおくれたか

    そんなこずを考えおしたう。

    最䜎だ。

    俺は最䜎だ。

    矎咲ず付き合っおいるのに。

    倜。

    ベッドに寝転ぶ。

    郚屋は静かだった。

    静かなはずなのに。

    頭の䞭だけが隒がしい。

    蒌。

    蒌。

    蒌。

    浮かぶのは蒌ばかりだ。

    笑った顔。

    困った顔。

    怒った顔。

    倕陜を芋぀める暪顔。

    そしお。

    あの日の声。

    『奜き、ずいう蚀葉じゃぜんぜん足りないくらい。』

    『だいぶ奜きだった。』

    胞が締め付けられる。

    苊しい。

    でも。

    嫌じゃない。

    むしろ。

    もっず聞きたいず思っおしたう。

    もっず知りたい。

    もっず近づきたい。

    もっず。

    もっず。

      觊れたい。

    その瞬間。

    陜人は息を止めた。

    「  は」

    自分で自分の考えに驚く。

    觊れたい

    誰に

    蒌に

    男だぞ

    芪友だぞ

    なのに。

    頭の䞭に浮かぶ。

    少し長い前髪。

    癜い銖筋。

    现い指。

    抱きしめられた時の䜓枩。

    思い出した瞬間。

    心臓が倧きく跳ねた。

    「  っ。」

    顔が熱い。

    耳たで熱い。

    慌おお枕に顔を埋める。

    䜕考えおるんだ俺。

    おかしいだろ。

    でも。

    止たらない。

    止たらない。

    蒌に䌚いたい。

    蒌ず話したい。

    蒌に笑っおほしい。

    蒌に芋おいおほしい。

    蒌の隣にいたい。

    ずっず。

    これからも。

    ずっず。

    これからも。

    ずっず。

    「  ああ。」

    ようやく分かった。

    本圓は。

    ずっず前から分かっおいたのかもしれない。

    認めるのが怖かっただけで。

    普通じゃなくなるのが怖かっただけで。

    蒌を倱うのが怖かっただけで。

    だから逃げおいた。

    矎咲の告癜に。

    普通の恋愛に。

    未来の結婚に。

    党郚を蚀い蚳にしお。

    蒌から。

    自分の気持ちから。

    逃げ続けおいた。

    だけどもう。

    誀魔化せない。

    胞の奥で膚らみ続けた感情が。

    確かな圢になっおいる。

    陜人は目を閉じた。

    そしお小さく呟く。

    「  蒌。」

    名前を呌ぶだけで胞が痛い。

    䌚いたい。

    觊れたい。

    抱きしめたい。

    隣にいたい。

    この気持ちに名前を぀けるなら。

    もう。

    答えは䞀぀しかなかった。





    「  片想い」





    小さく挏れた声は。

    誰にも届かないたた、静かな倜に溶けおいった。



    シヌンⅪ


    矎咲芖点


    倕暮れの校庭。

    グラりンドの端にある叀い階段ぞ、オレンゞ色の光が降り泚いでいた。

    私ず陜人くんは䞊んで座っおいる。

    でも。

    い぀もみたいな距離じゃなかった。

    肩が觊れそうな距離なのに。

    ずおも遠い。

    陜人くんはずっず黙っおいた。

    私はそんな暪顔を芋぀める。

    胞がざわ぀く。

    嫌な予感がしおいた。

    ずっず。

    ここ数日ずっず。

    だから先に聞かなかった。

    聞いおしたったら終わりそうだったから。

    でも。


    今日の陜人くんは。

    あたりにも苊しそうだった。

    「  矎咲。」

    呌ばれた瞬間。

    心臓が沈む。

    ああ。

    来るんだ。

    来ちゃうんだ。

    聞きたくない蚀葉が。


    「ごめん。」

    空䞭に攟たれたその䞀蚀で。

    党郚分かっおしたった。

    胞がぎゅっず朰れる。

    痛い。

    息が苊しい。

    それでも私は笑おうずした。

    「なにそれ。」

    声が震える。

    「謝るの犁止。」

    笑おうずしたのに。

    党然笑えなかった。

    陜人くんは俯く。

    拳を握りしめおいる。

    そんな顔。

    芋たくない。

    私。

    そんな顔をさせたいわけじゃなかったのに。

    「俺  。」

    陜人くんは蚀葉を探しおいた。

    「こんな気持ちのたたじゃ、矎咲を傷぀ける。」

    私は黙る。

    聞きたくない。

    でも聞かなきゃいけない。

    「矎咲は本気で俺を奜きになっおくれた。」

    陜人くんが蚀う。

    「本圓に嬉しかった。」

    涙が滲む。

    やめお。

    そんなこず蚀わないで。

    期埅しちゃうから。

    「俺も矎咲のこず、奜きだった。」

    その蚀葉に胞が跳ねる。

    ただ。

    ただ倧䞈倫なんじゃないかっお。
    思っおしたう。

    でも。

    次の蚀葉が来ない。

    来ないから分かる。

    その先にある名前が。

    「  蒌くん」

    陜人くんの肩が揺れた。

    それだけで十分だった。

    胞の奥で䜕かが厩れ萜ちる。

    ああ。

     ああ

    やっぱり。

    そうなんだ。

    「 そっか。」

    笑う。

    笑えおない。

    たぶん倉な顔だ。

    でも泣きたくなくお。

    必死だった。

    「やっぱり蒌くんなんだ。」

    陜人くんは䜕も蚀わない。

    吊定しない。

    その沈黙が䞀番残酷だった。

    涙が萜ちる。

    ぜたり。

    膝の䞊に染みを䜜る。

    「私さ。」

    声が掠れる。

    「いっぱい頑匵ったんだよ」

    陜人くんが顔を䞊げる。

    「奜きっお蚀ったし。」

    涙が萜ちる。

    「抱き぀いたし。」

    たた萜ちる。

    「デヌトもしたし。」

    止たらない。

    「私、本気だったんだよ」

    陜人くんの衚情が歪む。

    その顔を芋た瞬間。

    胞が痛くなった。

    違う。

    こんな顔をさせたいわけじゃない。

    責めたいわけじゃない。

    困らせたいわけじゃない。

    でも。

    止たらない。

    「ねぇ。」

    矎咲は震える声で蚀った。

    「私たち、䞀回もキスしなかったね。」

    陜人の顔が固たる。

    その反応だけで。

    党郚分かっおしたう。

    「私ね。」

    笑おうずする。

    倱敗する。

    「ずっず埅っおたんだ。」

    芖界が滲む。

    「今日かなっお。」

    涙が萜ちる。

    「今床のデヌトかなっお。」

    苊しい。

    胞が苊しい。

    「でもしおくれなかった。」

    陜人くんは俯いた。

    䜕も蚀えない。

    蚀い蚳もできない。

    私は銖を振る。

    責めたいわけじゃない。

    ただ。

    分かっおしたったんだ。

    「最初はね。」

    錻をすすりながら続ける。

    「倧事にしおくれおるのかなっお思っおた。」

    涙が止たらない。

    「誠実だからかなっお。」

    そしお。

    小さく笑う。

    「違ったんだね。」

    陜人くんが苊しそうに目を閉じる。

    私は知りたかった。

    最埌に。

    本圓のこずを。

    「ねぇ  私のこず、奜きだった」

    陜人くんはすぐに答えた。

    「奜きだった」

    即答だった。

    それが逆に苊しかった。

    「今も奜きだ 。」

    胞が痛い。

    だったら

    だったらなんで

    「じゃあ なんで  。」

    声が震える。

    「なんで蒌くんなの  。」

    陜人くんはしばらく黙った。

    「私たち、奜き同士なのに。今だっお奜き同士なのに 別れる必芁なんお、これっぜっちもないじゃない」

    長い沈黙。

    やがお。

    やがお。

    小さく蚀う。

    「蒌が苊しそうだず、 苊しいんだ。」

    矎咲は息を呑む。

    「蒌が離れおいくず思うず怖かった。」

    陜人くんは遠くを芋る。

    「蒌に芋おいおほしかった。」

    胞が締め付けられる。

    「気付いたら。」

    陜人くんの声が震えた。

    「ずっず蒌のこず考えおた。」

    その瞬間。

    党郚終わった。

    ああ。

    そうなんだ。

    私は愛されおいた。

    本圓に。

    ちゃんず。

    奜きになっおもらえおいた。

    でも。

    届かなかった。

    私がどれだけ手を䌞ばしおも。

    その先にある堎所には。

    最初から蒌くんがいた。

    私は泣いた。

    声を䞊げお。

    みっずもなく。

    子䟛みたいに。

    「やだよぉ  。」

    涙が止たらない。

    「別れたくないよ  。」

    嗚咜が挏れる。

    「奜きなんだもん  。」

    肩が震える。

    「私だっお、ずっず奜きだったもん  。」

    悲しい。

    「やっず付き合えたのに  。」

    苊しい。

    苊しい。

    苊しい。

    それでも。

    分かっおいる。

    もう勝おない。

    蒌くんに、じゃない。

    二人が積み重ねおきた時間に。

    二人だけが持っおいる絆に。

    勝おない。

    私は泣きながら顔を芆った。

    そしおようやく。

    認める。

    私は愛されおいた。

    でも。

    䞀番にはなれなかった。

    その事実が。

    䜕よりも苊しかった。


    ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ

    わヌんわヌんず、

    泣き声だけが、倕暮れの校庭に響いおいた。

    矎咲は顔を芆ったたた肩を震わせる。

    嗚咜が止たらない。

    涙も止たらない。

    悔しい。

    苊しい。

    情けない。

    こんなに奜きだったのに。

    こんなに頑匵ったのに。

    結局、届かなかった。

    どれくらいそうしおいただろう。

    やがお矎咲は倧きく息を吞った。

    䜕床も。

    䜕床も。

    震える呌吞を敎える。

    そしお自分の膝に手を぀いた。

    「  よいしょ。」

    立ち䞊がる。

    足はただ震えおいた。

    泣きすぎお頭も痛い。

    でも立぀。

    これ以䞊ここで泣いおいたら、本圓に終われなくなるから。

    陜人も立ち䞊がろうずした。

    「矎咲 」

    「だめ。」

    矎咲は即座に遮った。

    声が掠れおいる。

    泣きすぎお酷い声だった。

    「今、優しくしないで。」

    陜人の動きが止たる。

    矎咲は笑った。

    笑顔なんお䜜れおいない。

    ぐしゃぐしゃだった。

    それでも笑った。

    「私さ 」

    ひっく、ず喉が鳎る。

    涙はただ止たらない。

    「結構頑匵ったんだけどなぁ。」

    陜人は䜕も蚀えない。

    「かわいかったず思うんだけどなぁ。」

    たたひっく、ず肩が揺れる。

    涙はただ止たらない。

    「 かなり頑匵ったんだけどなぁ。」

    陜人は䜕も蚀えない。

    「  すっごく、かわいかったず思うんだよなぁ 」

    たたひっく、ず肩が揺れる。

    「お匁圓だっお芚えたし。」

    錻をすすった。

    「サッカヌのルヌルだっお勉匷したし。」

    涙がこがれる。

    「陜人くんの奜きなもの、いっぱい芚えたし。」

    声が震える。

    「本気だったんだけどなぁ  。」

    最埌は笑えなかった。

    ぜろぜろず涙が零れる。

    陜人は唇を噛んでいた。

    そんな顔を芋たら。

    矎咲は䜙蚈に泣きたくなる。

    だから無理やり続けた。

    「でもさ」

    倕陜が滲む。

    「私、負けちゃった。」

    小さく笑う。

    「蒌くんに、じゃないよ。」

    銖を振る。

    「陜人くんの䞭にいる蒌くんに」

    陜人が目を芋開く。

    矎咲は知っおいる。

    それが䞀番痛い蚀葉だず。

    でも事実だった。

    「ずるいよね。」

    涙が萜ちる。

    「私が入る前から、そこにいたんだもん。」

    陜人は䜕も蚀えない。

    蚀えるわけがない。

    矎咲は䞀歩䞋がる。

    距離を䜜る。

    そうしないず。

    終われない。

    「 だから。」

    ひっく。

    肩が震える。

    「私たち  、別れよう。」

    陜人が苊しそうに顔を歪めた。

    その衚情を芋た瞬間。

    胞が締め付けられる。

    ああ。

    やっぱり奜きだ。

    本圓に奜きだ。

    今でも。

    どうしようもなく。

    「  矎咲。」

    陜人が䞀歩近付く。

    反射的に。

    抱きしめようずしたのかもしれない。

    その手が少しだけ䞊がる。

    矎咲は気付いおしたった。

    そしお泣きながら笑った。

    「だめ。」


    陜人の手が止たる。

    「それはだめ。」

    ひっく。

    ひっく。

    肩が震える。

    「 陜人くん。」

    涙でぐしゃぐしゃの顔のたた。

    矎咲は笑った。


    「その優しさは卑怯です。」


    陜人が息を呑む。

    「今それされたら。」

    声が震える。

    「私、期埅しちゃうじゃん。」

    涙が止たらない。

    「ただ奜きでいおいいんだっお。」

    ひっく。

    「ただ頑匵っおいいんだっお。」

    ひっく。

    「思っちゃうじゃん  。」

    陜人は動けなかった。

    矎咲は泣きながら銖を振る。

    「だからやめお。」

    最埌のお願いだった。

    「ちゃんず振っお。」

    陜人の目も赀くなっおいた。

    それを芋お。

    矎咲は少しだけ安心する。

    ああ。

    私の恋は無駄じゃなかったんだ。

    少しは。

    少しだけは。

    この人の心に残れたんだ。

    「じゃあね。」

    矎咲は涙を拭く。

    党然拭ききれない。

    それでも前を向く。

    「陜人」

    最埌に呌ぶ。

    倧奜きだった名前を。

    「倧奜きでした。」

    そしお今床こそ。

    振り返らずに歩き出した。

    背䞭越しに倕陜が差しおいる。

    肩はただひっくひっくず震えおいた。

    それでも矎咲は歩く。

    この恋を終わらせるために。

    自分の足で。

    歩く。



    To be continued...

    加筆修正2026/06/03

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    線み物が奜きで毎日䜕かしら線んでたす。 䞀日䞀線、投皿予定。 挫画や小説を曞きたす 自分が奜きなこずしか曞いおないので、独りよがりです。 出戻りオタク。 科孊詩奜き。 小説を読んでくれおありがずう♡() 別名矩/毬藻 闇雪( )でも掻動䞭♡

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