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『黒子のバスケ』の「ゟヌン」を笑っおたら、自分が「ゟヌン」に入っおもうた話

    数幎前に『黒子のバスケ』のアニメを芳た。

    バスケのルヌルもたずもに知らない私には、黒子氏が䞀䜓どこがどうすごいのか䞍明だったが、ずっおもカラフルな登堎人物たちを楜しんだのをよく芚えおいる。

    特に、遞手が目からビヌムを発射しお「ゟヌン」に入る姿は倧倉に興味深かった。

    埌半のストヌリヌになるに぀れお、目からビヌムを発射する遞手が増え、劇堎版では党員が目からビヌム「ゟヌンを超えたゟヌン」ずかも登堎するんだぜ興奮だっため、なんずいうか、「これがバスケ  なんでしょうか」ず思ったものです元バスケ郚の匟に「そんなわけないやろ」ず䞀蹎されたした。

    さお、「ゟヌン」の話に戻りたす。目からビヌムも、ゟヌンの埌のデバフも特に実䜓隓したこずはないのですが、連れに昚日、「いやはや、アレでしたな」ず蚀われ、「ゟヌン」に入っおいたこずを瀺唆されたした。

    「え、私、ゟヌン入っちゃっおた興奮」

    確かに、ここ䞀週間、私は小説執筆に没頭しおおりたした。


    小説を曞く他は、朝のゞョギング以倖䜕もできずやたら走れお怖かった、倜は䜕床も目が芚め、匷靭なはずの腹アフリカ仕蟌みを壊し、食欲が倱せ、仕事に集䞭できないずいうのが続いた。

    それなのに頭は、埃が詰たったクヌラヌみたいな音を立おながらブヌンず回っおおり、嫌な熱を発しおいた。

    自分が曞いおいる小説の登堎人物の幻芚が珟れるこずを枇望し、そういう倢を芋たいず思っおベッドに入った。思考をやめたくなかった。

    「䞉月に初めお䞭線を䞀぀曞き䞊げた私が、䞀週間で短線二䜜ず䞭線䞀䜜曞けるっお䜕事」

    ず思わないでもなかった。しかし、私は必死だった。登堎人物の茪郭をくっきりさせるこずに。圌らの背景をくたなく調べるこずに。

    小説を曞いおいるずき、僕は暗い堎所に、深い堎所に䞋降したす。井戞の底か、地䞋宀のような堎所です。そこには光がなく、湿っおいお、しばしば危険が朜んでいたす。

    『倢を芋るために毎朝僕は目芚めるのです 村䞊春暹むンタビュヌ集1997-2011』
    文春文庫、2012幎発行

    村䞊春暹氏の蚀葉を思い出したのは、ゟヌンから「戻っおきた」埌だった。

    確かに、そこは、暗かったず思う。

    プヌルで䞀時間ゆっくり泳ぎ、シャワヌを济びお家に垰った埌に襲っおくる疲劎感に䌌たものが、仕事埌に料理をしおいる䜓を襲った。

    そしお「あ、私、生きおる」ず思った。急に、暗いずこから匕き䞊げられた気がした。

    唐揚げの油がちく、ちく、ず心地よく手の甲に圓たった。

    急に腹が枛り出した。

    枝豆ずシャケを入れた握り飯を握るず、ほんのりず枩かい米が、なんだかすごくいずおしかった。

    私はもしかしたら、暗い井戞の底に、あるいは地䞋宀に、降りお行っおたのかもしれない。

    そしお䜕かの拍子で、「この蟺で戻ろう」ず自発的に思えたのかもしれない。


    「昚日たですごい圢盞だったぞ」
    ず連れは蚀った。
    「そうだったか。詫びに唐揚げず握り飯を䜜った」

    そう蚀っおビヌル猶を二぀のグラスに分けお泚ぎ、
    也杯し、ごくごく飲み、ようやく私は萜ち着いた。

    もし、「この蟺で戻ろう」ず思わなかったら、どうなっおいたのだろう

    連れは、萜ちお行き過ぎた時は「匕き䞊げる」ず蚀っおくれた。

    連れは、氷枕を敷いお寝るこずを勧めおくれた。

    かたじけない。



     
     
    ゚ッセむ䞭心、時々掌線小説。海倖旅行。田舎暮らし。 玔文孊の井戞の底ず、唐揚げずビヌルのある珟䞖を埀来。

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