
「200」が、こっちを覗いている気がした。
子どもの頃、スーパーの値札やアイコンが怖かった。
飾られた数字と色彩が、
こちらをじっとみつめている気がしたから。
「0」は怖い。人の目玉みたいに、どこまでも追いかけてくる。
「2」は大丈夫なのに。
赤は怖い。血や危険を連想させる。本能的な恐怖がある。
どうすれば怖くないようにできるかな?
「200=199+1」
うん。「0」がなくなって、視線がなくなった。
でも、まだ怖い。199の「99」が目に見える。
こうしたらどうだろうか?
「200=C8」
16進法に直してみた。
よし。「9」はふたり消えて、
あとは、「8」だけになった。
そうだ、色にしてみよう。
RGBで全てを「C8」にすると、
「明るい灰色」になる。
赤も離れて、灰色に。
あれ? 最初から「200」をRGBで、
灰色にするだけでよかったんだね。
数字は色で、色は数字になる。
値札もアイコンも、恐怖していたものは同じだったんだ。
あぁ。やっと。
遠ざけられた。
幼い頃の恐怖は、知識で、塗り替えられる。
「200」はもう、こちらを見ていない。