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20数幎前の萌え䞊がるネット恋愛ず、今――スマホでは味わえない距離感

    ヌヌヌヌ
    ※これは思い出しお曞き殎った二十数幎前の自分の甘く切ない恋物語です。本人䞻芳のため、蚘憶違いや蚘憶線纂の可胜性がありたす。ご容赊ください。
    ヌヌヌヌ

    過ごしやすいはずの季節に、やたらず暑くなったある日、なぜかふず、昔を思い出した。

    「あぁ、圌女は今どうしおいるのだろう  」
    最近になっお、やっずおがろげになっおいた二十数幎前のあの日々のこずを。


    むンタヌネット黎明期、圌女ずの出䌚い

    圓時倧孊生だった私は、手に入れたパ゜コンで、倜な倜な掲瀺板の曞き蟌みにいそしんでいた。䜕の集たりの掲瀺板だったかは芚えおいない。だが、圓時すでにオタクだったのだから、きっずそっち方面の掲瀺板だったのだろう。

    圓時はただパ゜コンが非垞に高䟡で、通信が定額になる時間垯テレホヌダむも決たっおいた。間違った時間に接続すれば、のちに異垞な金額の請求が来るこずになる。そんな制玄の䞭でも、その掲瀺板には倚くの若者が集たっおいた。10代前半から20代たで、そこそこ幅広い幎霢局だった。

    そんな䞭に、圌女はいた。

    䞀日数時間、毎日のように盛り䞊がる掲瀺板で知り合った圌女ず、い぀しか仲良くなり、やがお掲瀺板ずは別に個別のチャットを繰り返すようになった。チャットを重ねるうちに、二人の関係は、圓時ただ䞖間でほずんど話題にも䞊っおいなかった「ネット恋愛」ぞず発展しおいく。

    「俺ず付き合っおみる」

    恋愛経隓も無い二人。ネットずいうお互い顔も知らない関係の䞭で、意気投合した勢いから、思わず口を぀いお出ただけの蚀葉だったのかもしれない。けれど、無邪気に思える圌女はOKの返事を出した。

    それから毎日毎日、定刻になるずいそいそずパ゜コンの電源を入れ、圌女が来おいないかずそわそわしながらチャットを立ち䞊げる日々が始たった。
    圌女の方が先にいるこずもよくあり、すぐに楜しい䌚話が始たる日もあれば、そわそわ埅っおいる瞬間にチャットの通知音が鳎り、心臓がドキンずするのもたたらなく刺激的だった。きっずその瞬間に、脳内でアドレナリンが爆発するように分泌されおいたのだろう。

    オタクである私が、趣味に察する執着よりも、圌女ぞの想いを倧きく募らせおいた。ネットずいう特殊な環境にありながらも、圓時は自芚こそなかったものの、私は圌女のこずが倧奜きだったのだ。

    趣味を攟り出しおでも、圌女ずの䌚話に没頭する毎日。そんな䞭、掲瀺板である話題が持ち䞊がった。

    「せっかくだから、オフ䌚やらない」

    誰が蚀い出したのか、これだけ盛り䞊がっおいる掲瀺板の仲間なら、実際に䌚えばもっず盛り䞊がれるず思ったのだろう。そのずき、きっず二人そろっお同じこずを思ったはずだ。「オフ䌚」ずいう口実があれば、それほど緊匵せずに盞手ず䌚えるのではないか、ず。

    話はかなりすんなりず進んでいった。しかし、途䞭で問題が発生した。ネット掲瀺板ずいう性質䞊、参加衚明をしたメンバヌの䜏む地域が広範囲にわたっおいたのだ。これでは、どう考えおも日垰りでは時間が短くなっおしたう。

    「いいじゃん、䞀泊したら倜も盛り䞊がれるじゃん」

    きっず誰かがそう蚀ったのだろう。オフ䌚は1泊2日に決定した。堎所は、参加するメンバヌのちょうど䞭間あたりをずっお愛知県に決定した。私ず圌女の二人は倧喜びした。

    圓時、自分たちがネット恋愛をしおいるのは掲瀺板の䞭でも呚知の事実。もしかしたら仲間達が、秘密裏に二人が顔を合わせられる機䌚を䜜っおくれたのかもしれない。幞いなこずに、圌女の実家は愛知だったのだ。
    その埌、蚈画は順調に進んでいった。なぜか、い぀の間にか私が幹事になるこずが決たっおいたけれど。

    メンバヌは6人。倧阪の私、愛知の圌女、京郜から男が䞀人、名叀屋から男が䞀人、そしお遠く関東から女が䞀人、地元の名叀屋から女が䞀人。実にバラバラな堎所から、䞀堂に䌚するこずずなった。

    圓時、開催地の近くに䜏んでいた幎䞋の圌女は、最初は「日䞭のみの参加」ずいう話で蚈画が進んでいた。圌女の効も掲瀺板には来おいたのだが、さすがに芪の蚱可が出ないずのこずで䞍参加ずなっおいた。
    蚈画の倧筋が決たった頃、あたりの盛り䞊がりのせいか、圌女が「私自身も䞀泊したい」ず本音を打ち明けおきた。家の近くなんだから日䞭だけの参加でもいいじゃないかず諭しはしたが、圌女は頑ずしお䞻匵を曲げなかった。

    そこで、「芪の蚱可がもらえるのならば、宿泊できるように察応しよう」ずいうこずになった。埌日、圌女はどうやっお説埗したのか、圓日の宿泊先やメンバヌのうち誰か䞀人以䞊の身分を明かすこずを条件に、本圓に蚱可をもぎ取っおしたった。
    幹事であり、か぀「圌氏」でもある。その圹目を誰が匕き受けるべきかなど、盞談するこずもなく自動的に決たったのだった。


    オフ䌚前の緊匵ず二人の時間

    時は過ぎ、オフ䌚圓日。私は朝早く、圓時䜏んでいたマンションを出発し、電車を乗り継いで新倧阪ぞ向かった。そこから新幹線に乗り、京郜で男䞀人を合流させお名叀屋ぞず向かう。
    オフ䌚が始たる前に圌女の実家ぞ蚪問するため、さらに電車を乗り継ぎ、䞭心郚から離れた䜏宅地ぞず移動しおいく。道䞭、京郜の男ず䌚話はしおいるものの、その実、頭の䞭はいっぱいいっぱいで、動悞は激しくなる䞀方だった。

    最寄りの駅に到着し、改札を出お圌女の家ぞず向かう。しかし、あたりのテンパりようで、駅で圌女に迎えられお自宅ぞ案内されたのか、それずも䜏所を頌りに自分たちだけで向かったのか、珟圚でも思い出すこずができない。もし案内されたのであれば、初察面の堎所は駅の改札だったはずなのだが、残念ながらその蚘憶がすっぜりず抜け萜ちおいるのだ。きっず圌女のほうは、そのずきのこずを今でも鮮明に芚えおいるのかもしれないが。

    ずにかく、なんずか圌女の実家ぞず到着した。頭の䞭はパニック、動悞はこれたでにないほどひどくなり぀぀も、意を決しおむンタヌホンを抌す。䞭から倧人の女性が珟れた。圌女の母芪だ。

    玄関であたふたしながらも挚拶をし、オフ䌚の抂芁や宿泊先などの説明を行う。そしお、私たちの身分を蚌明するため、道連れにした京郜の男を巻き蟌んで、運転免蚱蚌を圌女の母芪に差し出した。
    母芪は少し垭を倖し、免蚱蚌の控えを取りに行ったのだろう。戻っおきたタむミングで、私は意を決しお宿泊の蚱可を願い出た。

    「お嬢さんの宿泊を蚱可いただけたせんか 私が責任を持っお、明日お返ししたすので」

    パニック状態だったため実際の蚀葉は定かではないが、きっずそのようなこずを、はっきりず申し出たのだず思う。
    そのずきの圌女の反応を芋た芚えは、党く無い。䞀䜓、どのような顔をしおそのやりずりを芋おいたのだろうか。今、改めお振り返っおみるず、たるで圌女の䞡芪に結婚の蚱可をもらいに行ったような、倧それた堎面になっおしたっおいる。暪で巻き添えを食らっおいる京郜の男が、どんな心情で控えおいたのかわからないが、きっずはた迷惑きわたりなかっただろう。

    母芪は逡巡し、苊い顔をしながらも、枋々ずいった様子で宿泊の蚱可を出しおくれた。私の緊匵が少し解けたころ、圌女は倧はしゃぎだったのだろう、いそいそず荷物の準備を進め、こうしお私たちは圌女の自宅を埌にした。

    3人での行動が始たり、他のメンバヌ3人ず合流するために移動を始めたが、極限の緊匵からの解攟ず、぀いに圌女ず察面できた嬉しさに浮かれすぎおいたのか、どうやっお合流したのかすら定かではない。ただ、無事に合流を果たし、近くの党囜チェヌンの飲食店で昌食を取ったこずだけは芚えおいる。䟡栌の手頃さや入りやすさもあっおメニュヌはカレヌになったのだが、普通の蟛さでも、圌女には少し蟛かったらしい。

    昌食の埌、6人で楜しく遊んだのだろうけれど、芚えおいるこずはほが無い。ただ、宿泊先のチェックむンの時間が迫り、幹事ずしお手続きをしなければ慢らなかった私は、皆ず別れお䞀足先に宿ぞ向かうこずになった。
    このずき誰の発案だったのか、「圌女も䞀緒にいきなよ」ず勧められた。他メンバヌも自分たちが付き合っおいるのを知っおいたし、䜕より今日が初察面だずいうこずを考慮しお、二人きりになれる時間を䜜っおくれたのだろう。

    二人そろっおドキドキしながら宿泊先ぞ赎く。チェックむンを枈たせるず、荷物を眮くためにそれぞれの郚屋ぞ分かれおいった。
    郚屋に入ったものの、匵り詰めたドキドキ感に耐えられなかった。特にするこずもないので、他のメンバヌが到着する前に、先にお颚呂をいただくこずにした。

    お颚呂から䞊がり、少し涌みがおらに廊䞋を歩く。ふず、圌女の郚屋を芗くず、圌女はただ戻っおおらず、郚屋にはぜ぀んず圌女の鞄だけが眮き去りになっおいた。
    その鞄から、ちょろっず飛び出したタオルが目に留たる。その瞬間、思わず䞋心が出おしたい、手を䌞ばしおそれを取っおしたった。しかし、私の突飛な行動にすぐさた焊りが襲っおくる。パニックになった私は、なぜか持っおいた私のお気に入りのペンをその堎に眮き去りにしお、這々の䜓で郚屋を飛び出した。

    自分の郚屋ぞず戻り、思わず持っおきおしたったタオルをいそいそず鞄の奥に片付ける。それから少しするず、お颚呂䞊がりの圌女が自分の郚屋ぞずやっおきた。初めお目にする圌女の湯䞊がり姿に、思わず芋ずれおしたう。
    䞀床自分の郚屋に戻っおからこちらぞ来たはずの圌女は、䜕事もなかったかのように、普通に距離を詰めおきおおしゃべりを始めた。こちらは「さっきの件がバレおいるんじゃないか」ず心臓が砎裂しそうなほどドキドキしおいるずいうのに、圌女はどこか恥ずかしく、それでいお嬉しそうだ。やはり、バレおいたのかもしれない。

    湯䞊がりの心地よい熱気の䞭、二人きりでおしゃべりを楜しんでいるず、やがお残りのメンバヌが合流しおきた。圌らは圌らで4人で意気投合し、楜しくやっおいたらしい。その埌、倜も曎けお再びそれぞれの郚屋ぞず分かれるこずになった。

    今にしお思うず、圌女はあのずき既にすべおを察しおいお、初めお䌚った蚘念ずしお、私の残したペンを倧切に保管しおくれたのかもしれない。私の方のあのタオルも、結局その埌20幎ほど、倧切に保管されるこずになった。
    その倜、男だけの郚屋で䜕を話したのかなんお、正盎どうでもよかった。ただただ気分が高揚したたた、私は眠りに぀いたのだった。

    翌朝、再び党員で合流し、昌頃たで遊んで解散した。けれど、たるで熱にでも浮かされおいたかのようにその日の蚘憶は䞞々抜け萜ちおしたっおおり、私がどうやっお自宅たでの経路を垰ったのかすら、今でも定かではない。


    二人の日垞ずデヌトの日々

    オフ䌚が終わっおからも、衚の掲瀺板ではい぀も通りのありふれた䌚話をこなし぀぀、深倜のチャットでのやり取りは、日に日に芪密なものぞず倉わっおいった。
    お互いの奜きなものや、日々の他愛のない出来事。毎晩、テレホヌダむの定額時間が始たる23時ちょうどから、どちらかが眠りに぀くたで、私たちは飜きもせず蚀葉を亀わし続けた。

    䜕床も蚀うが、私はオタクである。圓時は玔愛系の矎少女ゲヌムが䞖間を賑わせおいた頃だ。チャットずいう、文字だけが激しく行き亀う特殊な空間は、人の理性の箍たがを倖しやすくするのだろうか。二人の䌚話は、少しず぀倧人の色を垯びおゆく。

    オフ䌚で持ち垰ったあのタオルを偎に眮き、圌女の面圱を匷く思い浮かべながら、手は自ずず私の身䜓ぞず䌞びおゆく。倢䞭になり、やがお甘やかな幞犏感に包たれる。い぀しかチャットが始たる前に、そんな儀匏のようなこずをするのが日課になっおいた。

    テキストを媒介にしお互いの気分を盛り䞊げるこずで、䜕癟キロも離れた画面の向こうの圌女が、すぐ隣にいるかのような錯芚に陥る。連日、その奇跡のような党胜感ず歓喜に、私は震えおいた。
    圓時、私は䞀人暮らしをしおおり、誰の目を気にする必芁もなかった。けれど、圌女は実家暮らしだ。壁の向こうには䞡芪ず効がいる環境で、文字通り文字を打ち蟌むだけでも色々ずスリリングで倧倉だったこずだろう。

    実際、圌女がどんな状況でキヌボヌドを叩いおいたのかは分かりようもない。ただ、こちらが蚀葉で攻めすぎるず、恥ずかしさのあたりか、途䞭で「ちょっず埅っお」ず垭を倖しおしたうこずも床々あった。今の私がその行動を思い浮かべるず、愛おしさで思わずニダけおしたうような、そんな甘酞っぱくも濃密な日垞だった。

    そんな濃密な日垞を送り぀぀、時には圌女に䌚いに行くために遠出をした。
    深倜たでチャットをしおいるにもかかわらず、ただ空が明るくなり始めた頃には始発電車に飛び蟌み、新倧阪から名叀屋ぞ。すべおは圌女ずのデヌトのためだ。名叀屋駅の「ナナちゃん人圢」の足元で、心臓をドキドキさせながら埅ち合わせしたこずもあった。

    あるずきのデヌトでは、ゲヌムセンタヌぞ遊びに行った。
    動きやすさを重芖しおか、その日の圌女はかなり軜装でやっおきた。䞊着はそれほど気にずめなかったのだが、䞋はなんずホットパンツ姿だったのだ。思わず目を奪われ、凝芖しおしたったず思う。ず同時に、ふず少し苊々しい気分にもなった。なぜ圌女のこんな可愛い姿を、他の男どもに芋せおやらないずいけないのか、ず。

    そんな独占欲を抱えながら、ゲヌムセンタヌに入っおいく。圌女に連れられおいったその店はどうやら穎堎らしく、その時間垯は客の入りが少なかった。もしかしたら、圌女はわざずこの時間ず堎所を遞んでくれたのかもしれない。
    圌女はそこで、圓時倧ブヌムだったDDRダンス・ダンス・レボリュヌションを披露しおくれた。実際、圌女のステップは非垞に䞊手で、私では党く歯が立たないほどだった。きっず、䞀生懞呜緎習をしたのだろう。

    しかし、私の目線はずいえば  ダンスそのものよりも、ホットパンツから䌞びる眩しい倪股に釘付けだった。激しいステップに合わせお、少し汗をかいた身䜓が揺れ動く。埌ろからの特等垭で鑑賞しおいるのをいいこずに、私はずっずその姿を芋続けおいた。䜕曲も続けおゲヌムに興じる圌女を埌ろから眺めながら、「どうか呚りに人が来ないでくれ」ず、別の意味でヒダヒダずしおいたものである。

    たた、あるずきのデヌトでは映画通に行った。
    圌女には䜕を芳るのかを事前に知らせず、趣味で手に入れたチケットを手に映画通ぞ向かう。圓時、オタクだった私の䞀番倧奜きな䞖界を芋せたかったのだろう。私が遞択したのは、劇堎版『カヌドキャプタヌさくら 封印されたカヌド』だった。今でも手元にDVDが残っおいるほど、あれは玔愛系ファンタゞヌアクションの最高峰であり、非垞にピュアで最高に玠晎らしい名䜜だず思っおいる。
    しかし、圓時の私は垰りになっお、「デヌトでなんお映画を遞んでしたったんだ」ず、私のチョむスのすさたじさに激しく埌悔しお凹んだのを芚えおいる。

    圌女ず映画通に入り、䞭倮埌ろ寄りに二人䞊んで座った。かすかに手を繋いでいたような気もする。
    映画が始たるず、最初はスクリヌンを芋おいた。しかし、ふず暪を向いたずき、スクリヌンの光が圌女の暪顔を淡く照らしおいる姿が目に入り、䞀瞬で芋惚れおしたったのだ。それからは、ちらちらずスクリヌンに目を戻し぀぀も、どうしおも圌女の暪顔を芋たくなっおしたう。結局、䞊映時間のほずんどを、ただ圌女の暪顔を盗み芋るだけで費やしおしたった。
    圓然、映画の内容など䞀切頭に入っおこず、垰り道でも映画の話題はほずんど出せなかったように思う。

    圌女はこちらを振り向くこずはなかったから、映画に集䞭しおいたず思いたい。けれど、女の子は芖線に敏感だずよく聞く。じっず芋぀めおいた私に気を取られお、圌女も映画をしっかり芳られなかったのかもしれない。
    結局のずころ、私自身がずっず芳たかったはずの映画だったにもかかわらず、ストヌリヌが䞞々抜けおしたったため、埌日チケットを買い盎しお、私は䞀人寂しく映画通ぞ足を運ぶ矜目になったのだった。


    泳いでいない疑惑のプヌルデヌト

    あるずき、圌女からの提案でプヌルデヌトをするこずになった。
    私は身長こそそこそこあったが、䜓重が重く、自身の䜓型にコンプレックスを持っおいた。そのため、こちらからプヌルや海ずいった身䜓をさらすレゞャヌに圌女を誘う぀もりは毛頭なかったのだが、圌女の可愛いお願いずあっおは断る理由もなく、快く承諟した。

    圓日、駅で埅ち合わせをしお圌女が指定するプヌルに向かうため、二人で電車に乗り蟌んだ。電車に揺られながら、圌女ず隣り合わせに座っお仲良く䌚話を楜しむ道䞭、圌女が手䜜りしおきおくれたクッキヌを食べさせおもらった。おいしかったはずなのだが、それ以䞊に嬉しさず気恥ずかしさで胞がいっぱいになり、味の蚘憶が吹き飛ぶほどだった。

    プヌルに到着し、曎意宀で着替えを枈たせおプヌルサむドで圌女を埅぀。䜓型に自信のない私はサヌフパンツ䞀枚ずいう心蚱ない姿だ。察しお、曎衣宀から出おきた圌女は、玺色のワンピヌス氎着だったず思う。ただし、決しおスクヌル氎着のようなものではなかった。圓時の私にずっお、圌女の氎着姿はあたりにも匷烈すぎお、眩しさのあたりはっきりずしたディテヌルたでは蚘憶に残っおいないのだ。

    プヌルの端に荷物を眮き、二人でそろっお氎の䞭ぞず入っおいった。そのプヌルは思ったよりも深く、私の足が届くか届かないかずいう深さだったように思う。圓時、私より20センチほど背が䜎かった圌女なら、おそらく確実に足は届いおいなかったはずだ。

    少し泳いでプヌルサむドから離れた頃、圌女が突然、私に抱き぀いおきた。どうしおいいか分からずパニックになりながらも、氎䞭で圌女を抱きかえし、二人の身䜓はぎったりず密着するこずずなった。圌女が私の銖に䞡手を回しおしがみ぀いおいる以䞊、どちらにせよ離れられない䜓勢ではあるのだが。
    なぜ圌女がいきなりそんな倧胆なこずをしおきたのか、圓時は理由が定かではなかった。だが、さすがに氎着䞀枚の状態でここたで密着されれば、男ずしおの身䜓は正盎に反応しおしたう。反応しおしたった気たずさから、なんずか少し身䜓を離そうず詊みた。
    しかし、それに察しお圌女が取った行動は、なんず私の腰に自身の䞡足を回し、腰の埌ろで足銖をがっちりずホヌルドしおロックをかけるこずだった。

    これではもう、1ミリも逃げるこずなどできない。私たちは完党に重なり合ったたた、ゆらゆらず氎面に浮かんでいた。
    プヌルの䞭では、わずかな波のせいでどうしおも二人の身䜓が浮き沈みしおしたう。そのたびに、反応のやたない私の身䜓に、圌女の柔らかい肉䜓の感觊がダむレクトに䌝わっおくる。恥ずかしさず、「圌女に嫌われたくない」ずいう焊りから必死に身を匕こうずするが、銖ず腰を完党にロックされおいるため、ほずんど身動きがずれなかった。「プヌルに来たのに、泳がなくおもいいのだろうか」ず䞍思議に思い぀぀も、圌女にぎゅっず抱きしめられおいる幞犏感の䞭で、私もずっず圌女を抱きしめ返し、ただ甘やかな時間だけが流れおいった。

    プヌルの䌑憩時間を告げるアナりンスが流れるず、圌女はさっず身䜓を離し、先にプヌルサむドぞず向かった。少し高いプヌルサむドぞ䞊がるため、圌女は腕で身䜓を持ち䞊げ、コンクリヌトに膝を぀く。だが、その真埌ろに控えおいた私にずっおは、たさに倧惚事だった。目のやり堎に困り、完党にキョドっおいる私をよそに、圌女は眮いおある荷物のずころぞ先に行き、タオルを肩にかけ、䜓育座りをしおいたず思う。
    私もすぐに埌を远っお隣に座るのだが、その座り方の関係䞊、圌女の銖元の氎着がふわりず少し浮いおしたうのだ。どうしおもそこに目線を匕き寄せられおしたう。おしゃべりをしながらも、私の芖線がどこを向いおいるか、きっず圌女にはすべおお芋通しだっただろう。圓時の私は、完党に煩悩たみれだった。

    䌑憩時間が終わっお再びプヌルに入るず、最初の状況よりもさらに玠早く、圌女に銖ず腰をがっちりずホヌルドされた。少し苊笑いを浮かべながらも、「圌女がこうしおいたいなら、たあいいか」ず、私もそのたた圌女を抱きしめ続けるこずにした。䌑憩や昌食を挟んでも、氎に入るたびに毎回同じこずの繰り返しだった。結局、その日は䞀床もたずもに泳ぐこずなく、ただ1日䞭氎の䞭で抱き合ったたた。「圌女はどうしおプヌルに行きたがったんだろう」ず銖を傟げながら、着替えおプヌルを埌にしたのだった。

    ――しかし、今にしお思うず、あのずきの圌女の䜓勢は「非垞にたずいもの」だったのだず、倧人になった今になっおようやく気が぀いおしたった。本圓の正解は今でもわからないたただ。だが、客芳的にあの状況を空間ずしお認識し盎し、あのずき肌に感じた感觊、圌女の意図的なホヌルド、そしお呚囲の他の客が劙に少なかった理由  それらを珟圚の知識で繋ぎ合わせたずき、ある䞀぀の恐ろしい仮説が成立しおしたい、今曎ながらに郚屋で悶絶しおしたうのである。

    その日の垰り際だったず思う。圌女を自宅近くの駅たで送り、䞀床改札を出お別れる際、䞍意に圌女からキスをされた。圌女の知り合いがい぀通りかかるかもわからない堎所でのキスに、心臓が飛び出るほどびっくりし぀぀、「人の唇っお、なんおやわらかいんだ  」ず頭の䞭は真っ癜になった。そのあたりにも甘い感觊に溺れおしたい、私がその埌どうやっお家たで垰ったのか、やはり今でも党く芚えおいないのだった。


    より芪密になっおいく二人

    長期䌑暇で実家に垰省したずきなどは、芪の車を借りおドラむブデヌトぞ行ったこずもある。圌女を乗せる嬉しさに気がはやりすぎおしたったのか、高速道路でアクセルを螏みすぎおしたい、埌日、芪から「車の調子が倉だ」ず本気で怒られたほどだった。

    ドラむブデヌトずは蚀うものの、なんだかんだず芳光スポットなどぞは䞀切行っおいなかった。圓時は、実家の軜自動車にカヌナビなど付いおいない時代である。しかも私の地元ではない堎所だったため、圌女をどこぞ連れお行っおいいのかも、党く分からなかったのだ。
    それでも、倧奜きな圌女を助手垭に乗せ、圓おもなく適圓に車を走らせながら、すぐ隣にある圌女のぬくもりを手で感じ぀぀、ただただ至犏の時間を味わっおいた。圌女が私ず同じように幞せを感じおくれおいたのなら良いのだが、所詮むンドアのオタクに、華やかなデヌトスポットなど知りようもなかったのである。

    倧人になった今であっおも、排萜たスポットぞ゚スコヌトできるずは思えないが、圓時よりは遠くのいろんな堎所ぞず連れお行っおあげられるだろう  今曎、そんなこずを思っおも詮無きこずなのだが。

    たた、あるずきはカラオケデヌトにも行った。
    薄暗い密宀の䞭で、お互いにむチャむチャずくっ぀いたり、抱き぀いたりしながら歌い、ずりずめもない話をしたりするのである。私ずしおは、圌女の埌ろからぎゅっず抱き぀く䜓勢が非垞に奜きだった。心臓のドキドキを感じながらも、䞍思議ずこの䞊ない安心感に包たれるからだ。

    そんな䞭、圌女が私の地元たで来おくれたこずもある。よく芪の蚱可がおりたなぁ、ず思いながらも駅ぞ迎えに行ったのを芚えおいる。私の地元をドラむブしながら自宅の近くを通っお「この蟺に䜏んでるんだ」ず教えおみたり、普段私がいくずころなどを少し廻ったりしおいた。

    少し疲れお、䌑憩のために商業斜蚭の裏の駐車堎に車を止めるのだが、圌女のぬくもりをただ手で觊れるだけでは、もう我慢できなくなっおいた。狭い車内ずいう密宀のせいだろうか、぀いにリミッタヌが少し倖れ、圌女の玠肌に盎接口を付けおしたう。圌女を口で味わっおみたくなっおしたったのだ。

    圌女は恥ずかしがっおはいるが、抵抗するこずもなくされるがたたになっおいた。しばらく続けおいるず、少し切なそうな声が聞こえたような気がしお、我に返り圌女からあわおお離れた。駅の改札での唇の感觊が忘れられなくお、でも口にする床胞もないからず肌になら  ず。䞀䜓、圓時の私は䜕を考えおいたのか。
    二人で気たずい時間が少し過ぎ、萜ち着いおきたずころで圌女を駅ぞず送っおいった。

    駅の改札を抜け、ホヌムに降りお電車が来るのを埅ちながらおしゃべりを続け、到着するず少ししおから、圌女はホヌムず反察偎の座垭に乗り蟌んだ。折り返し駅だからすぐには出発しないのだ。
    そんな䞭、私は勇気を振り絞っおある決断をする。

    発車時間が迫った頃、私は電車に乗り蟌み、意を決しお座っおいる圌女にキスをしようずした。――しかし、あたりにもテンパっおいたせいか、狙っおいた唇ではなく、その䞊にある錻に思わずキスをしおしたう。
    あたりの恥ずかしさに私は開いおいる扉を飛び出しおホヌムぞ戻り、そのたた電車は発車しおいった。それを芋送り぀぀、ホヌムで盛倧に凹みながら  。きっずあの埌、圌女は恥ずかしい想いをしたのかもしれないが。

    たた少ししお、別の所でカラオケデヌトの2回目をした。
    やっおいるこずは前回ず同じだが、以前より明らかに密着床が䞊がっおいるように思われた。回を重ねるごずに倉貌しおいく圌女に、私は求めおしたう欲求ず、理性ずの板挟みになっおいた。もう、理性を保たないず本圓にダバいずころたで来おいた。

    圌女はその頃になるず、最初に出䌚った頃に感じおいた「元気で少し幌い女の子」ずいう雰囲気が薄れおいるこずに気が぀いおいた。圌女は恥じらい぀぀も、確実に、䞀人の「女」を感じさせるほど艶やかに倉貌しおいたのである。
    だからこそ、圓時の私はもしものために、必死で探し回った「未開封のお守り」をズボンのポケットに忍ばせおいたのだ。それは䜿うためではなく、䜿わないように私の理性をずどめるための、必死の防波堀だった。

    結局、䜿い方すらよくわかっおいないレベルのそれは、最埌たで未開封のたた家ぞず持ち垰ったのだが  。倧人になった今になっお思えば、恥ずかしがらずに、いろんな意味でしっかりず先に確認しおおくべきだったず思うのである。
    男の私が足螏みをしおいる間に、女の子は恋愛を通しお、恐ろしいほどの速床で倧人の階段を䞊がっおいくのかもしれない――。今曎ながらに、圓時の圌女の眩しい成長速床ず、あのポケットの頌りないお守りの感觊を思い出し、ただただ悶絶するのだった。


    時代に振り回される二人、そしお

    それから少しした頃、圌女から文化祭ぞ来ないかずお誘いがあった。圓時、圌女は女子校に通っおいたため、普段は入れない校舎に招埅できるずのこずだったのだ。もしかしたら、友達に自慢や玹介がしたかったのかもしれない。
    快く承諟をするず、圌女は倧喜びしおいた。私も非垞に楜しみにしおいたのを芚えおいる。

    ずころが、いざ開催がもうすぐずいう頃になり、非垞にたずいこずになった。なんず、合同就職説明䌚に䞞かぶりしおしたったのだ。圓時は就職氷河期、早く決めおしたわないず、卒業できおも行き先が無いなんおいうのはザラな時代だった。そのため、泣く泣く圌女に断りの連絡を入れるのだった。

    チャットで理由をしっかり説明し、行けなくなったこずを謝ったのだが、やはり圌女は拗ねおしたったように思う。それほどたでに楜しみにしおくれおいたのだろう。埋め合わせなどの話が出るこずもなく、その日のチャットは終了した。
    それからずいうもの、圌女ずのチャットは激枛しおいった。倜、掲瀺板を開いおもチャットを繋ごうずしおも、話をできない日が増えおいった。

    圓時、私は就職掻動でいっぱいいっぱいになっおおり、圌女のこずをおろそかにしおしたっおいたのだろう。あるずき、私は決定的な蚀葉をチャットに流しおしたった。

    「冷めたの 冷めたのなら、別れようか。」

    今から考えるず、非垞に残酷なこずを蚀ったものである。
    私には、あの頃の圌女の態床が、熱が冷めお離れおいっおいるように感じられたのだ。就職のこずばかりに気を回しお、前のように盞手をしなくなり、急速に心が離れおしたったのかず  。

    画面の前で、ドキドキしながら埅っおいた。できれば吊定しおくれるこずを願っおいた。「そんなこずない」ず蚀っお欲しかった。圌女がただ奜きでいおくれるなら、関係を続けられるず。
    しかし、戻っおきた返事は「うん」ず、それだけだった。

    肯定されたこずで、私の心は䞀気に底ぞず沈んでいった。
    その埌、䜕床も掲瀺板やチャットを開いたが、圌女を芋぀けるこずは二床ずなくなっおいった。
    今思えば、圌女は忙しそうな私に迷惑をかけたくないず思っお、静かに身を匕いおいたのかもしれない。あの蚀葉を発したこずで、あのずき、圌女を倧泣きさせおしたったのかもしれない。
    それだけが、未だに消えない悔いずしお、私の心に残っおいるのだ。

    圓時、あの倱恋の埌、なかなか就職が決たらなかった。やっずのこずで滑り蟌めた就職先も、劥協に劥協を重ねた、自分の垌望ずは違う道だった。
    配属先の支郚長は優秀な人だったのかもしれないが、そこは絵に描いたようなブラック䌁業だった。無理を重ねた結果、倧きな損害を出しおしたう。それでも「もう䞀床奮起しお頑匵ろう」ずした矢先、私のこれたでの頑匵りを党吊定される出来事があった。

    その瞬間、私の䞭で䜕かがポッキリず折れおしたった。
    心身共にすっかり疲匊し、私はその䌚瀟を離職した。


    その埌も、人生の䞭で様々な出䌚いがあった。
    しかし、今に至るたで、あの時の圌女の代わりずなる人に出䌚うこずは、ただの䞀床もなかったのだ。

    決しお、今の自分が䞍幞せなわけではない。
    だけど、もし願いが叶うなら――圌女だけしか知らない自分のようにならず、圌女がどこかで幞せな人生を送っおくれおいればず、今でも心から願っおいる。

     
     
    思い぀いたこずをずりあえず曞き殎っおたす。 構成やら党く考えおおりたせんので気軜に読んでもらえたら嬉しいです。 興味を匕かれた蚘事を読んで、気に入った蚘事にスキを付けおいたら履歎が倧倉なこずに。 もし䞍快感を䞎えおいたらゎメンナサむです。

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