メインコンテンツへスキップ
見出し画像

「娘のファーストシューズ。」10万を越えても惜しまず買い揃えた我が家の家訓

    まず、この靴を見ていただきたい。

    画像
    「痛くない、歩きやすい、そして美しい靴」をコンセプトに掲げるブランド アルカ(ALKA) の子ども靴専門ライン「アンファン・ドゥ・アルカ」

    「さ、3万!? 子どもの靴で?」

    これが、私の最初の感想だった。

    しかし、我が家はファーストシューズから半年に1回、サイズアップのたびにこちらの白のハイカットシューズを購入している。今年に入って、3足目である。

    つまり、一年半で合計102,300円の出費である。たっかぁ。

    この話を10歳年下のママ友にすると、目を丸くされた。たぶん、「『子どものため商法』に騙されてるわ」と思われている。

    「お金があるから、できるのよ」

    とは、おそらく思われていない。なぜなら、私の身なり、会話の内容から見ても、金持ちには絶対に見えないはずだから。

    2人ともフリーランスで、毎月入ってくる額はまちまち。日々、預金残高を見ながら、お金が引かれていく様子にヒヤヒヤするような月を過ごしている。

    子どもの消耗品でこの額は、我が家にとって生活を左右する痛手である。だが、このたっかい子ども靴を惜しみなく買った。3回も。

    というよりも、夫が「必要経費、必ずこれは将来の投資になる」という気持ちで率先して購入している。私は夫の話を横で聞きながら、「わかるけど、高過ぎだわ」と実は思っていた。

    繰り返すが、金持ちだからじゃない。娘の未来に本当に必要なものは何かを考え抜いて、話し合った結論だった。

    少し私たちの背景を話したい。

    私たち夫婦は大学生の時に、競技ダンス部という社交ダンスのスポーツ部門の部活に入った。

    そのため、男性はヒールのあるラテンシューズ、もしくはエナメルのシューズ。女性はパンプス型、サンダル型のシューズというものを購入することになる。

    ちなみに、社交ダンスにはボールルームとラテンという2部門のダンススタイルがあり、それぞれシューズの特徴が異なる。

    その靴が合うも合わないも関係なく、まず、ダンスシューズを買うことから始まる。

    ここで驚くのは、自分のサイズよりも1センチくらい小さいものを履き、その靴に慣れていく必要があるということだった。個人差はあるが、私はそう教えられた。

    その靴で、体育館ぐらいのフロアを縦横無尽に踊り続けなければならないという、過酷な練習を大学生活4年間することになる。

    別の大学に通ってた夫も、ほぼ同じ経験をしている。

    そのため、「足が痛い痛い」と悲鳴を上げながら練習を続けることになり、私は「靴ってすごく大事だ」ということに、とてもとても、心底痛感する。

    以来、長時間踊っても痛くなく、しかも自分の足にフィットするダンスシューズを探し求めるようになる。

    その金額は計算したくないが、20代のうちに50万円以上の出費が出ている。

    ダンスシューズを探す中で、一番重要だったのは、かかとの部分。

    私はかかとが極端に小さいため、フィットするサイズでも、かかとの部分が緩くてパカパカしてしまうということが、普通の靴でもよく起こった。

    ダンスシューズに関してもこれが起きてしまい、重心がぐらついてしまった。

    藁をもすがる思いで、海外のトップメーカーもたびたび取り寄せた。

    だが、海外の製品は想像通り、安定感はあるものの、かかとの部分が大きく作られていることが多かった。

    夫にいたっては、一般的なサイズより足の甲が広く、ワンサイズ小さいものを買おうとすると、小指がソールからはみ出てしまう。ラテンシューズは男性も5センチのヒールがあるので、指の動きがより窮屈になる。となると、適度に幅が広い靴を探さなければならなかった。

    お互い社交ダンス講師という職につき、さらに靴への探求は加速した。

    2023年12月、私は第一子を出産する。可愛い、とびきり可愛い女の子だ。

    彼女が幸せになるために、私たちはどんなことでもする。それを夫婦で誓った。

    彼女が自分で選べない今の時期は、私たちが選ぶ。その選ぶ基準を間違えてはならない。そのタスクが、出産と同時に生まれた。

    画像
    池田夫婦のタスクが始まった日

    抱っこ布団はどんな素材が適切か。絵本は?ミルクは?オムツはどのメーカー?

    彼女のちょっとした仕草を見落とさないようにし、できうる限り快適で、楽しめるものを揃えてきた。

    生後8ヶ月。ついに、来た。

    彼女が立ったのだ。

    画像
    つかまり立ち。後光がさしていた。

    「靴、買わないと!!」

    私たち夫婦は、燃えた。だって、靴の大切さを血豆ができるほど知ってるから。

    爪がもげるような苦行は、パパとママはさせませんよー!

    さっそく、下調べである。新米のパパママは、子どもの靴に段階があることも知りまへん。

    「ファーストシューズ」ということばも、この時覚えました。

    娘がはじめて履く、名誉ある1足目を選ぶめに、メジャーなメーカーのシューズをネットで調べた。

    その中で注目したのが、この記事だった。

    子どもの靴って、ソールがスリッパみたいにフニャフニャなものが多い。「足が成長しきってないのに、大丈夫なのかな?」と思っていたので、有識者の人の意見を読んで、「やっぱりなぁ」と納得してしまった。

    そして、私がずっと悩んできた「かかと」も、サポート感のあるキッズシューズはほぼ皆無だった。子どもの商品が一色揃う手頃なお店では、ほとんど柔らかい靴が中心だった。

    ということで、私たちは大阪駅に向かった。子供のシューズが売っている百貨店に行くためだ。

    まず、ムーンスターのキッズ用の靴が売っている「グランフロント」の中の店舗に向かう。

    機械で予約の番号札を取るのだが、1時間半後の予約になっている。土日に行ってしまったのもあるが、「娘を連れているし、これは待てないぞ」と思った。

    そこで、夫が「ずっと気になるお店がある」と言ってスマホの画面を差し出してきたのが、冒頭に話したアルカの子供靴だった。

    店舗は阪急梅田店にあるとのこと。

    事前に予約が必要そうだったので電話すると、30分後に子どものフィッティングなどのサポートができるということだったので、早速予約を取った。その足で家族3人で向かった。

    阪急梅田本店の子ども靴売り場に行くと、数々のトップメーカーのそばに、アルカのコーナーがあった。L字型の棚に、アンティークな子ども靴が並んでいる。どことなく、ハリーポッターっぽい。

    そして、2人がけのソファがひとつ。

    うろうろしていると、アルカ専属のシューズフィッターの女性が現れ、案内してくれた。

    一人ひとり測定をしてくれるというが、娘は嫌がるだろうか?と思ったら、特別感が嬉しいのか、ノリノリである。

    まずは足裏の測定。専用のインクを使った足のスタンプを紙に貼り、足の形をチェック、そして足の甲、かかとなどを採寸していく。

    そして、適切な靴として白のハイカットシューズを提案された。もとはドイツで作られたものを、アルカがオリジナルとして販売しているらしい。

    ここで私は「高い!」と思ったのだが、夫は「これぐらいの値段はかける必要がある」と思っていたようで、普通の顔をしていた。

    実際、この時は1歳を過ぎており、もう歩けるようになっていた。

    さて、実際に試着をし、娘はシューズフィッターに「こっちにおいで」とおもちゃで促され、よちよちと歩いていく。

    そこで私は、思わず「えー!ぜんぜん歩き方ちゃうやん!」と言った。

    実はファーストシューズは義理の両親からいただいており、この日まで、時々公園で履かせていた。

    もらっておいて大変失礼な話だが、そのシューズを履いていた時の彼女は、どうしても頭の位置がぶれやすく、左右に揺れているような歩き方をしていた。

    「それは赤ちゃんだからしょうがない」と言えばそうなのだが、職業柄、夫と私は、どうしてもそれが気になってしまうのだ。

    それがどうだろう。アルカのこの白ハイカットシューズを履くと、頭のブレはほとんどなく、まっすぐと女性フィッターの元へと、娘は歩いていくのだ。

    それも、満面の笑顔で。

    「今度はお母さんのところに行ってごらん」とフィッターから促され、私が手を広げると、その笑顔で彼女は歩き始めた。

    美しい、と思った。駆け寄る娘に、ときめいた。

    またシューズフィッターから良い点として話を受けたのは、「膝が持ち上がっている」ということだった。

    膝を高く持ち上げることによって、かかとに踏み込みが入り、足の前方でしっかりと床を蹴ることができるという。

    今まではずり足というか、スリッパで歩いているような感覚で、片足が床から離れることがあまりないように思った。だが、この靴によってかかとがしっかり上がり、膝が持ち上がっている姿が見られるようになった。

    今、動画を撮ればよかったと、心底後悔している。ことばでの説明は難しい。だが、ほんとに違って見えた。

    その理由に、この白のハイカットシューズの指先、かかとの部分を触ってみると、ガッチガチに硬いのである。

    おそらく、上から物が落ちてきたとしても、痛くないのではないかと感じるほどの頑丈さである。

    予期せぬ落下物があったとしても、カバーしきれるというのもポイントが高かった。

    画像
    かかとの硬さは社交ダンスシューズと似ている

    その分、硬いことによって子どもは動きづらいと思ったり、不快感を感じるのではないかと心配していたが、笑っている彼女を見ていると、さして嫌な感じはない。

    むしろ靴にサポートされて、羽が生えたようにぐんぐん前に進むのが楽しいようだ。

    この靴のポイントは、もうひとつ。金具付きの2つの折り返しベルトにあると思う。

    子どもの足の甲の高さに合わせて微調整できるのだ。

    これが、ひとつだけとベルトで、なおかつ折り返しのないタイプの靴だと、土踏まず辺りがズレやすい。

    子どもは、土踏まずの形跡が未発達だから、その緩みが気になって一歩一歩を気にする歩き方になりがちだ。

    とすると、金具付きの折り返しベルト、できれば2つ付いている靴は、当たりだと思う。

    阪急梅田店の靴コーナーの脇では、同年代の子どもを持つ親たちが、メジャーなメーカー靴を試着しまくっている。

    その片隅で、全身で5千円くらいのファストファッションでまとめた夫婦が、真っ白な硬いシューズを履きこなす一歳を見つめている。

    「もう、これしかない」とは感じたが、あの値段である。3万越え。普段の靴でも買ったことのない価格ですよ。

    この値段を一足目で払う。そしてサイズアウトのたびにこの価格で買い続けていく。途方もない値段を想像し、私は夫の顔を見た。

    買う気満々の顔で、娘を見つめていたーー。

    半年後、デジャヴかと思うほど、同じシチュエーションを経験することになる。

    画像
    ハムストリングからふくらはぎにかけて、安定した使い方で階段を登れるようになった。(社交ダンス講師としての見解です)

    ここまで読んでいただいた皆さんは、「やっぱり、高い買い物をしただけの夫婦だったな」というふうに思われる方もいるかもしれない。

    私も客観的に見たら、そうかもしれないと思う。

    ただ、考えてみてほしい。

    日々周りの人と接する中で、親世代の人と話す中で、「腰が痛い」「足底腱膜炎でつらい」「痛みのない日々を送りたい」、こんな言葉を聞かれることはないだろうか。

    子供の時に、自分が体の不調を感じる未来を想像していただろうか。

    私は、痛みを抱えながら年を重ねていくことが怖いとさえ思う。

    とすると、子どもの時に親ができることは何だろうか。

    子どもたちが自分のやりたいこと、例えば「アイドルになりたい」「どこか遠い国に暮らしたい」「大きな試合で勝ちたい」など、親が想像もできないようなやりたいことを見つけたとき。

    もし靴が合ってなかったとしたら、自分の思うように行動できるだろうか。彼ら彼女たちがその一歩を踏み出すとき、痛みがあれば、きっと後悔が残るはずだ。

    その一歩を守ることができるのは、幼児期なのではないかと思っている。

    勉強よりもまず、足を守ること。鍛えること。

    価格が高ければいいというわけではない。その子に合った靴を試着して探すという労力はなかなか大変だ。日本に流通されているものの中から選ぶというのは、結構骨の折れる作業だと思う。柔らかい靴が多いから。

    「子供の靴を、成長ごとに選び続ける」という長期戦なのだ。息切れするのは、しょうがない。

    けれども、私は娘が嬉しそうな顔でその靴で歩く姿を見てきた。最初に選んでよかったなと思った。

    我が家の家訓を考えるとしたら、

    「土台(足)をあなどるなかれ」

    だろうか。

    画像
    はじめてのディスニーランド。
    「わたし、あるく!」と言っていた。
    白い靴がお気に入りだ。

    サイズアウトしたハイカットシューズは、汚れを取り除き、購入した時のオレンジの箱に入れて残している。

    剥げているところもあり、誰かに譲ることは難しい。数年後にはクローゼットの奥に眠ることになるだろう。

    けれども、とても可愛らしく、愛着を感じている。初めての子育ての、夫婦の青春だったと思う。

    ここまで来て、4足目はどうするかとなるのだが、一つ問題が生じた。

    夫はこのまま同じ靴を購入し続けたい。私は正直同じ靴は飽きた、違うものも試してみたい。

    ゴングが鳴った。親のエゴのぶつかり合いである。

    ここからが、キッズシューズ編に突入である。

    私たちの娘に対する思いは、どこまでも深い。

    画像
    グリコのポーズ。

    あなたへのおすすめ