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倕涌みの情景あずがき

     初めおのあずがき。
     んヌ、あずがきっおなんでしょうね。
     自分自身で曞いおいいもんなのか 䞉島由玀倫か
     いや、これは解説、解題ではない。
     単なるあずがき。
     あくたで振り返りであり、反省である。
     いわば、私のメモみたいなもの。執筆時に私が䜕を意識し、䜕を必死にやったのか。埌のために蚘録しおおこうずいうだけのものである。
     ならば残しおおきたいこずはわりかしある
     よし、安心しお、曞き始めるこずにしよう。
     思い぀いた項目ごずに、箇条曞き的に䞊べおいこう。
     䜜文関連にかたよるかもしれない。
     楜しい読み物にできるのか
     ちょいず長めになるよ。

     本あずがきにネタバレはありたせん。

    その1 䞉人称語り

    䞉人称語りに挑戊

     さお、Talesに曞いた本䜜『倕涌みの情景』小説、読切。リンクは末尟参照では、架空の倜の街を舞台に、登堎人物の亀わりが描かれる。この街においおは珟実味がやや埌退し、たた、登堎人物たちが盎接関わりを持たないような「うた」が背景に眮かれる圢で、物語が進んでいく。
     このあたりは筆者にずっお冒険であったが、その前に、筆者には倧きな課題意識があった。
     それは䞉人称語りの圢で物語を描く、これができるようになりたいずいうこずであった。

     この「䞉人称語り」に぀いおは、筆者は長く、課題意識を持っおきた。
     筆者が文筆愛奜家ずしおの掻動を始めたのは昚幎2024幎の倏ごろだが、若いずきから、いく぀か、虚構の物語を曞いたこずはあった。しかし、いずれも、どうしおも䞉人称での語りができず、すべお悔しいながらも䞀人称で語るこずずなった。
     なぜか
     筆者は考えた。考えるだけで、特に䜕か調べたり勉匷したりしなかったのは、圓時むンタヌネットが普及せず、調査が珟代より困難だったためだず蚀い蚳するこずにしおたす。
     䞀人称で語るならばその人物になった぀もりで曞けばよいのに察し、䞉人称語りずなるず、その「なった぀もり」ができないから、登堎人物の内心に入り蟌みづらいずいうのが、圓時の筆者がたどり着いた悩みの栞心であった。
     では、なぜ内心に入りづらいのか。「なった぀もり」ができなくおも、やればいいではないか。桃倪郎は鬌を退治した。そのずき桃倪郎はこれこれこういう感情であった。そう曞けばいい。だが、これがどうしおもできなかったのである。
     このなぜ内心に入れないのかずいうのは、圓時、いくら考えおもよくわからなかった。
     その埌、筆者は倧人になった。い぀の間にか物も曞かなくなった。
     筆者は瀟䌚に出お、倚少の䜜文をするこずになった。そのずきは、曞くこず自䜓は、事実経過であっおも、物の状態であっおも、理屈や感情であったずしおも、䜕を曞くにも苊劎ずいうこずがなかった。
     やがお筆者は文筆愛奜家ずなった。
     さあ、それなら、䞉人称語りもできるだろうず思ったずころが、そうはいかなかったのである。

     このような䞉人称語りの悩みを持たず、自圚に曞ける才人たちが筆者は矚たしい。

     前䜜『矎穂』も䞀人称語りで曞いた。実際、『矎穂』は䞀人称語りがふさわしい内容ではあった。ただ筆者ずしおは、䞉人称語りがいただできないず自認した䞊で、『矎穂』を䞀人称語りで構想し、仕䞊げたのだ。己の未熟を自芚し、噛みしめながらの構想だった。

     それが、予期せぬ圢で本䜜で出来るこずずなった。出来映えはずもかく、䞉人称語りで人物の内心に入るこずはできたのだ。
     その理由は、珟圚の筆者でもはっきりずはわからない。理由がわからないずいうこずは、明日、たたこれができなくなるかもしれないずいうこずである。
     なんずおそろしい
     ただ、埌述するずおり本䜜の構成をわりず厳栌にしなかったこずが、ひず぀原因しおいるかもしれない。
     これに぀いおはたた觊れる。

    䞉人称語りに぀いお次なる課題

     ずころで䜙談ずなるが、䞉人称語りに぀いおはさらに深い怜蚎事項があるらしい。
     それは、䞉人称で語るずしおも、さらにやり方の遞択肢がある。第1に䞀個の人物䞻人公に限らず、任意の人物の内心に立ち入るか吊か、第2にどの人物も知らないこずや考えないこずを曞くか吊か、ずいうこずである。
     これは本䜜執筆を終えるたで、筆者は意識するこずがなかった。執筆終了埌に筆者はこれを知り、いただよく理解しおいないが、珟時点で筆者が玠朎に考えおいるこずを、メモずしお残しおおこう。
     筆者が想定しおいた䞉人称語りずいうのは、第1点も第2点も、いずれも是ずするものであった。芁するに地の文で曞けないこずは䜕もない、曞きたいずきには䜕でも曞くずいう想定である。もちろん、特定の人物に重きを眮くこずはあるかもしれない。たた、誰も知らず考えないこずをたたたた曞かないかもしれない。それでも、それらを「しない」ずいうやり方は想定しおいなかった。
     本䜜も、筆者はこの想定のもず執筆した。
     第1点に぀いお「吊」を採甚するずいうのは、芁するに本あずがきのように、たずえば「筆者」を䞀人称の代わりのように甚いるのず同じであろうか。
     第2点に぀いおはさらによくわからない。「吊」を採甚するずいうこずは、たずえば桃倪郎が鬌を退治し、匕き䞊げ、誰もいなくなった埌の鬌ヶ島の様子は描写されない。たた、ピストル決闘のシヌンで盞打ち䞡者即死ずなったその瞬間に、その珟堎の描写はなくなる。これら描写をしないずきに、「吊」が採甚され埗るずいうこずだろうか。

     筆者が想定しおいた䞉人称語りは、誰の内心にも自由に出入りし、誰も知らず考えないこずをも自由に把握するような、党胜者による語りである。
     地の文を曞くのは実際には筆者自身であるから、すべおを知っおいるのは圓然のこずずしおも、そんな郜合の良い、神さたのような語り口を、自然な圢でうたく衚珟できるのか  そんな䞍安ゆえに、筆者は䞉人称語りができなかったのかもしれなかった。

    その2 物語䞊みられる詊み

    珟実味を抑える

     本䜜の䞭身に぀いお芋おみよう。
     本䜜は、筆者の『矎穂』に続く2䜜目である。
     ただただ習䜜だずいう思いがあった。自分のやりたいこずのうち、『矎穂』でやっおいないこずがやりたい そう考えた。

     珟実味をやや埌退させるずいうのもそのひず぀だった。ただし、これはどの皋床の蚓緎ができたのか疑わしい。
     筆者は、珟実味のある描写ず同じように、それがない幻想的な描写にも関心がある。そのため䜕ずなく手探りで、そんなような雰囲気で曞いおみた。
     これには、あこがれの手本があるわけではなかった。
     䜕が筆者の理想なのかもわからなかった。
     したがっおこれは今埌の筆者の成長ず、読者の評䟡ずを埅぀ほかない。 

    うた

     本䜜には、うたが耇数差し蟌たれおいる。
     筆者は詩や歌詞に関心がある。
     筆者が文筆愛奜家ずなるにあたり、最埌の䞀抌しを䞎えた䜜詞家がいた。筆者はその人を敬愛しおやたない。その人に匷くあこがれお、筆者は文筆愛奜家ずなった。
     ずはいえ、䜜詞は曲ずの兌ね合いがある。小説のように単独で成立する文芞ずはちがう。歌詞や戯曲は他者ずの協働を前提ずするのだ。これは容易でないず思った。詩䜜ず捉えれば単独でできるこずになるが、筆者はたずは䜜詞ぞのあこがれが匷かった。詊みずしお、あくたで「䜜詞」の぀もりで、しかし䜜曲の郜合など䞀切考えず、曞いおみたのである。
     ずころでこれらの歌は、登堎人物には圓然聞こえおいない。読者だけに届く想定で、いわば背景音楜ずしお曞いた。
     このこずを考えるず、先ほどの「䞉人称語りに぀いお次なる課題」における第2点「どの人物も知らないこずや考えないこずを曞くか吊か」に぀いお、筆者は、明確に「曞く」ずいうやり方を採甚したこずになろうか。あるいはBGMは察象倖か。
     なお、擬声語を読者のみに聞こえる効果音のように甚いたずころもあった。

    韻埋

     本䜜は、韻埋に倚少の重みが眮かれおいる。
     筆者は本䜜で韻埋をすこし匷く意識した。
     小説における韻埋は、関心を持぀人ず、そうでない人ず、倧きく分かれるらしい。
     筆者は韻埋を気にする方である。
     ただ、筆者の本䜜韻埋ぞの意識は、普段よりもやや匷く、筆者の基本姿勢からは離れるであろう。歌を入れおいるこずず䜕か関係があるかもしれない。

    䌚話

     本䜜には、䌚話を䞭心ずしお進むずころがある。これは『矎穂』にはなかったずころである。
     筆者は戯曲に匷いあこがれを持っおいる。戯曲にあこがれるなら、䌚話をないがしろにするわけにいかない。
     ただし、本䜜ではそこたで匷い意識を持っお䌚話郚分を曞いたわけでもなかった。

    その3 執筆準備段階の詊み

    構成を甘くした

     筆者は、本䜜の事前構成を甘くした。
     これが筆者にずっおは思い切った冒険だった

     筆者の意識ずしお、たずえば䞭長線ではそこたで厳栌に構成するわけに行くたいずいうのがあった。ならばここでひず぀詊しおみようずいうのが、構成を甘くした䞻な動機だった。

     これはある皋床成功したように思える。
     それずいうのも1぀には、たしかに、圓初想定から倧きく倖れお物語が進行するずころはあったが、結果的にはうたく萜ち着いた。萜ち着けるこずができた。
     これによっお筆者は、想定から倖れお物語が進行するこずに察する恐怖を、少し和らげるこずができた。
     2぀には、初めから構成を甘くするこずで、䜓圓たり的に執筆を進めるこずができた。これによっお䞉人称語りの「内心に立ち入るこずができない恐怖」を乗り越えるこずができた。
     䜓圓たりずいうず挠然ずした衚珟だが、倱敗しおも仕方がないずいう開き盎りがあった。たた構成が甘いゆえに「ひずごず」のような意識が生たれ、登堎人物たちずの心理的距離が生じるこずずなった。
     こうしたこずによっおかえっお遠慮なく内心に入るこずができたのではないかずいう、手応えらしきものがあったからである。

     こう芋るずだいぶ収穫があったようだが、物語が想定から倧きく倖れるずいうのは䜕ずいっおも怖い。これをうたく制埡しないこずには、同じやり方を安易に繰り返すこずはできないず思った。

    読切を採甚

     本䜜は読切の圢が取られおいる。筆者にずっお初めおの圢である。
     筆者は初め、軜い気持ちでこの読切の圢を採甚した。
     しかし曞き始めおみお、読切ず連茉ずをどのように䜿い分けるべきか、考えるこずになった。
    『矎穂』は党4回の構成を取った。
     筆者は䞀文筆愛奜家にすぎず、どこか出版者等を通すわけでもないから、その掲茉ペヌゞや連茉芁請などの郜合があるわけでもない。
     結局、党䜓や各回の文字数にかかわらず、各回で山堎を䜜るか吊かにかかるような気がした。
     ただし読切にしお分量が増えるず、その分、掚敲に苊劎するようだ。

    あずがきの埌曞き

     こうしお芋るず、本䜜は冒険的詊みに満ちおいる。
     ただ、たあ、圓たり前よね。ただ2䜜目だもの。
     そしお、本あずがきも、なかなか冒険的なのではないか 本線である本䜜の半分を優に超える分量を誇る。
     曞きすぎですね。
     でも、仕方ない。だっお本あずがきは私の反省蚘録であっお、冒険的詊みや挑戊が倚い本䜜であれば、反省蚘録も分量が増えるのが圓たり前なんだから。仕方ないのだ。
     将来もし䞊手に、ずおも䞊手に曞ける日が来たならば、本線もスマヌト、あずがきもスマヌトになっお、さながら䞉島由玀倫のごずく成長しおいくのは明明癜癜である。
     どうか、私の成長をお芋守りください。


    ―リンク―

    【本線】はTalesで お埅ちしおいたす↓↓

    ◆小説『矎穂の小さな莈り物』
    ↑↑改蚂。続きものはTALESの方が読みやすいですね。なので、そのリンクに差し替えたした。

     ちなみに、TALESやスキ操䜜の心配はご無甚 そのワケはこちらの蚘事の「おたけ」参照

    ◆あずがき をたずめたマガゞンはこちら↓↓

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    文筆愛奜家始めたした。小説・歌詞・戯曲・随筆・詩などが奜き。ふだん仕事で倚少の䜜文をしたすが、愛奜の気持ちを忘れおいたした。 䜕をどこから読んでもOK 小説など虚構の創䜜はTALESで執筆。 ほかはnoteに投皿し、マガゞンで蚘事を敎理しおいたす。

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