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錠剤・カプセル剤が飲みにくい人への対処法

    錠剤やカプセル剤を飲みにくいと感じる人は少なくありません。
    そのような場合に役立つ方法の一つが「簡易懸濁法」です。
    今回は、簡易懸濁法について説明します。


    簡易懸濁法とは
    日本服薬支援研究会という薬剤の服薬・使用方法について検討する研究会があります。
    日本服薬支援研究会は、簡易懸濁法という錠剤やカプセル剤を懸濁状の液体にして服用させる方法の普及にあたっています。
    ここまで聞くと、そんな簡単なこと誰にでもできると思われたかもしれません。
    しかし、どの薬でも懸濁液にできるわけではありませんし、懸濁液にするとよくないものもあります。
    この判別は意外に難しいのです。
    実際には7〜8割の薬がこの方法で服用することが可能です。
    しかし逆に言うと、2〜3割の薬はこの方法を使うことができなかったり、ある特定の条件を設定しないと使うことができなかったりします。
    そして、この2〜3割の薬を無理に懸濁液にすると効果がなかったり、有害な作用を発生させたりすることになります。

    専門知識が必要な理由
    そのままでは懸濁液にして飲めない場合の対処法が大事で、ここの知識があるのが薬剤師です。
    しかし現実的には、各論でこのことを理解するためには、さらに専門的な知識を学ぶ必要があります。
    この知識を勉強し、試験に合格した人が、簡易懸濁法認定薬剤師、簡易懸濁法指導薬剤師と呼ばれる人たちです。
    簡易懸濁法指導薬剤師は、簡易懸濁法認定薬剤師の資格取得後に受験できるようになっています。
    現在、簡易懸濁法認定薬剤師は76名、簡易懸濁法指導薬剤師は30名います。
    私は現在、住んでいる県で唯一の簡易懸濁法指導薬剤師です。

    胃ろうへの薬剤投与にも使われる
    簡易懸濁法は、服薬が困難な人が錠剤やカプセル剤を服薬するための方法と書きましたが、胃ろうがある人に薬剤を投与する方法でもあります。
    胃ろうとは、PEGとも呼ばれ、口から食事を摂ることが困難な方に対し、お腹の皮膚から胃へ直接通じる小さな「食事用の窓(穴)」を作る処置やその構造のことをさします。
    胃ろうを作ってまでして生命を維持させることに反対する人もいますが、それはその人やご家族の考え方によると思います。
    胃ろうを作ってでも生きていこうとしている人にその方法を提供することは、医療人として必要なことだと私は思います。

    薬剤師にもっと相談を
    ただし、主に介護職の方からは、胃ろうから薬剤を投与する際に簡易懸濁法を使うことに対して否定されることもあります。
    錠剤はあらかじめ潰して、カプセル剤はあらかじめ外した状態で調剤を要望されることも多いと認識しています。
    あらかじめこのようにしてしまうと、実際の成分含量が低下したり、低下しやすくなったりしますので、本当はおすすめしません。
    おそらく、仕事として間違いなく薬を使用させたいという義務感からの要望だと思うのですが、もう少し薬剤師に相談していただければと思っています。
    錠剤やカプセル剤が飲みにくいと感じたとき、あるいは介護の現場で薬の投与に困ったとき、ぜひ身近な薬剤師に相談してみてください。
    薬剤師であれば、細かな知識はなくても、その場で調べる方法はありますので、適切なアドバイスができると思います。
    そのうえで、より専門的な対応が必要な場合は、簡易懸濁法認定薬剤師・指導薬剤師につなぐことができ、さらに適切なサポートを受けることができるはずです。
    簡易懸濁法は患者さんへ確実な薬物療法を実施してもらうための有力な方法の一つになります。

    まとめ
    ・簡易懸濁法は、錠剤やカプセル剤を飲みにくい人を支援する方法の一つである
    ・すべての薬に使えるわけではなく、専門的な判断が必要になる場合がある
    ・胃ろうからの薬剤投与にも広く活用されている
    ・薬を砕いたりカプセルを外したりすると、薬の性質が変わることがある
    ・服薬や介護の現場で困ったときは、薬剤師へ相談することが大切である

     
     
    60代大学教授が、自分の体で試した美容・健康・老化対策の記録と日常をエッセイとして発信しています。 試行錯誤の過程を通して、加齢との向き合い方と健康寿命について考えています。 薬剤師、薬学博士、FP2級。天野光喜は筆名です。

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