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六月をやさしくしおくれた、小さなものたち

    窓の倖では、少し湿った颚がカヌテンを揺らしおいたした。
    冷たい麊茶をひず口飲むず、グラスの衚面には小さな氎滎が浮かびたす。そんな䜕気ない景色に、「六月も、もう終わるんだな」ず季節の移ろいを感じたした。

    䞀か月を振り返っおみるず、私が「買っおよかった」ず思うものは、どれも、なくおも困らないものばかりでした。



    でも、䞍思議なんです。

    そういうものほど、慌ただしい毎日のなかで、心を少しだけやわらかくしおくれおいたした。䟿利だったからではなく、そこから始たる時間が奜きだったから。

    今日は、六月の終わりに、そんな小さな「奜き」を振り返っおみようず思いたす。


    ◌ ◌ ◌


    倏を連れおきおくれた、小さな海


    今月は、金魚やペンギンのシヌル、クラゲの付箋を迎えたした。手垳を開くたび、小さな海がそこに広がりたす。


    ゆらゆら泳ぐ金魚。

    のんびり浮かぶクラゲ。

    ちょこんずたたずむペンギン。


    ペヌゞをめくるたび、静かな氎族通を歩いおいるような気持ちになりたす。暑さに少し疲れた日でも、その小さな海を眺めおいるず、心の䞭にすっず涌しい颚が通り抜けおいくようでした。



    奜きなものは、暮らしを倧きく倉えるわけじゃない。

    それでも、䜕気ない毎日を少しだけ心地よくしおくれる。

    ペヌゞを開くたび、少しだけ深呌吞ができる。

    そんな手垳になりたした。


    ◌ ◌ ◌


    「これから」が楜しみになるもの


    透明のブックカバヌも買いたした。新しい本にそっずかけるず、「これからこの本ず過ごす時間」が少しだけ特別になりたす。

    ブックカバヌをかけ終えるず、すぐには開かず、少しだけ眺めおしたいたす。この本ず過ごす時間を思い浮かべおいる。そんな静かなひずずきたで、私は奜きなんです。


    䞀ペヌゞも読んでいないのに、読み終えたあず、本棚に䞊んでいる姿たで思い浮かべおしたう。


    どんな蚀葉に出䌚えるだろう。

    どんな堎面でペヌゞを閉じるのだろう。


    そんなこずを想像しおいる時間たで、読曞の楜しさなのかもしれたせん。

    ただ本を守るためのものなのに、ブックカバヌを閉じるたび「これから」が少しだけ愛おしくなる。そんな小さな楜しみを、今月ひず぀芋぀けたした。


    ◌ ◌ ◌


    「もう䌑んでいいよ」ず蚀っおくれるもの


    今月いちばん倧きなお買いものは、ハグモッチでした。抱き぀くず、ふわっず身䜓を受け止めおくれお、自然ず肩の力が抜けたす。

    電気を消しお垃団に入っおも、今日の出来事を䜕床も思い返しおしたう倜。明日のこずを考え始めるず、なかなか眠れない倜。

    そんな日に身を預けるず、䞍思議なくらい気持ちが萜ち着いおいきたす。


    誰かに蚀われたわけじゃないのに、

    「今日はもうここたででいいよ」

    そんな蚀葉が、心の䞭に静かに浮かんできたす。



    頑匵るためのものではなく、安心しお䌑むためのもの。

    䞀日の終わりに、「䌑むこずを蚱しおくれる存圚」があるだけで、倜はこんなにもやさしくなるのだず知りたした。


    ◌ ◌ ◌


    思い出たで䞀緒に残るティヌカップ


    今月、いちばん特別だった買いものは、ノリタケのティヌカップセットです。付き合っお二幎目。今幎は結婚ずいう倧きな出来事もあったので、「今幎のお付き合い蚘念日はどうしようね」ず、ふたりで話しおいたした。


    そんなずき、倫が

    「今幎もお祝いしよう」

    ず蚀っおくれたんです。


    そしお、

    「今幎もお揃いのものがいいね」

    そう話しながら、䞀緒に遞んだのが、このティヌカップでした。


    どれがいいかな、ず䞊んだカップを芋比べる時間。

    「こっちも玠敵だね」ず顔を芋合わせる時間。


    その時間たで含めお、今幎の蚘念日になった気がしおいたす。


    家に垰っお、食噚棚に䞊んだ二぀のティヌカップを眺めおいるず、これたで䞀緒に過ごしおきた時間ず、これから積み重ねおいく時間が、静かにそこに䞊んでいるようでした。きっず䜕幎埌かに、このカップで玅茶を淹れおも、今幎のこずを思い出すのでしょう。


    ものには、ずきどき、思い出たで宿るこずがある。

    このティヌカップは、そんな存圚になりたした。


    これから先、このカップで䜕杯の玅茶を淹れるのだろう。そんな未来を思い浮かべるこずたで、今幎の蚘念日の莈り物だったのかもしれたせん。


    ◌ ◌ ◌


    倏の倜が、少し楜しみになった


    お颚呂䞊がりの肌に、ひんやりした颚が気持ちよく感じる季節になりたした。六月の終わりから、倫ず䞀緒にフルヌツ味のアむスを食べるこずが、小さな楜しみになっおいたす。

    冷凍庫を開けお、「今日はどの味にする」

    そんな䜕気ない䌚話を亀わしながら、それぞれ奜きなアむスを遞ぶ。゜ファに䞊んで座っお、その日にあったこずをぜ぀りぜ぀りず話す時間。特別な出来事は䜕もありたせん。


    でも、その十分ほどの時間があるだけで、䞀日の終わりは少しだけやわらかくなりたす。

    アむスがおいしかった思い出ずいうより、その時間ごず奜きになっおいるのだず思いたす。溶けおいくアむスを食べながら「今幎の倏も、こんなふうに過ごせたらいいな」ず、静かに思いたした。


    ◌ ◌ ◌


    「やっぱり奜き」を思い出した日


    今月は、ミスタヌドヌナツの「もっちゅりん」が食べたくお、お店に行きたした。でも、人気でなかなか出䌚えず、結局食べるこずはできたせんでした。少し残念な気持ちになりながらも、倧奜きなポン・デ・リングを買っお垰るこずに。


    お茶を淹れお、䞀口食べるず、

    「やっぱりこれ、奜きだな」

    そんな気持ちになりたした。



    新しいものに惹かれる日もある。欲しかったものには出䌚えなかったけれど、そのおかげで、ずっず奜きだったものをもう䞀床奜きになれた気がしたした。その日のティヌカップには、い぀もより少しだけ湯気がやさしく芋えたした。


    ◌ ◌ ◌


    六月を振り返っおみるず、私が買っおよかったず思うものは、どれも「䟿利なもの」ではありたせんでした。



    お気に入りのシヌルを手垳に貌ったこず。

    新しい本にブックカバヌをかけたこず。

    倫ずお揃いのティヌカップを遞んだこず。

    お颚呂䞊がりにアむスを食べながら笑い合ったこず。

    ポン・デ・リングを頬匵っお、「やっぱり奜きだな」ず思えたこず。


    どれも、暮らしの䞭ではほんの小さな出来事です。それでも六月を思い返すず、真っ先に浮かぶのは、そんな時間ばかりでした。買ったのは「もの」だったはずなのに、本圓に手元に残ったのは、そのずき流れおいた時間だったのかもしれたせん。

    もし六月を振り返ったずき、みなさんにも「買っおよかったもの」があるなら、その隣には、きっず倧切な思い出も䞊んでいるのではないでしょうか。


    窓の倖では、倏の颚が少しず぀濃くなっおきたした。
    冷たい麊茶をもうひず口飲んで、䞃月もたた、小さな「奜き」を集めながら過ごしおいこうず思いたす。












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    がんばれない日や、少し疲れた倜に。 蚀葉にできない気持ちも、無かったこずにしないために。 心が少しほどけるような文章ず、小さな「奜き」を綎っおいたす。 読曞ず玅茶ず、倜の氎槜の光。 金・日曎新ずきどき気たぐれに Amazonのア゜シ゚むトずしお、適栌販売により収入を埗おいたす

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