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Photo bytama0531

沈む寺【毎週ショートショートnote】

    amanatz

    他に人家のひとつも見当たらない山奥の寺に、日が沈んでいく。
    うら寂しい景色は、沈んだ気分を晴らしてくれるようには思えない。

    ――勧められるままにこの『日没寺』まで来てはみたが、本当に私の悩みは解決するのか。

    寺には薄気味悪いほどの静寂が流れていたが、よく眺めてみると、庭は手入れが行き届き、建物も特に朽ちておらず、綺麗なものだ。
    そして本堂に足を踏み入れると――まるでたった今完成したかと見紛うような、錆びひとつない仏像が輝きを放っていた。

    ……そういうことか。
    合点がいった。

    「ここは――『時』から『日』が沈んで残された『寺』なのだ」

    (先生、〆切を恐れても、いい作品はできませんよ。気分転換にぴったりの場所をご案内します)

    私にここを勧めた編集者の言葉が脳裏に蘇る。

    「つまりここは、『時』から解放された場所。そして――」

    一人で言葉を発すると、どんどん頭が冴え渡ってくる。
    そう――『言』うほどに、新たな『詩』のアイデアが浮かんでくる。



     
     
     
    三児の父です。 子供たちが成長して、ようやく多少の余裕ができたので、しばらくはリハビリがてら、気楽さを忘れずにつらつら綴っていきたいです。

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