メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo byiwakushiro_diary

ラブカ奇譚【毎週ショートショートnote】

    「……だからきっと、二人は死後の世界で結ばれたのかな、って……」
    「くだらないな」

    常に深海魚の研究に没頭している教授に想いを寄せる助手の私は、少しでも気を引こうと最近聞いたLOVE怪談を語ってみたが、一蹴された。


    「幽霊も死後の世界も存在しないし、そんな話を私にする意味も不明だ」
    「……教授って、ほんと感情が退化してますよね」
    「……深海魚は視力が弱く、眼が退化していると言われる。だがそれは、一度手に入れた機能も手放すという強い進化なんだ。私もまた、研究第一の環境に適応した進化をしているんだよ」

    教授らしい考え方だが、私だって譲れない。

    「教授!」

    私は研究室にあったラブカの剥製を持ち出し、顔の前に掲げた。

    「同じ深海生物でも、ラブカの眼は少ない光を敏感に集められるように進化しました。教授も、身近な人間の好意にはもう少し敏感になりましょう!」

    私だって、鈍感な教授に適応し、ガンガン押していく!
    『恋は盲目』に『進化』してやるぞ!




     
     
     
    三児の父です。 子供たちが成長して、ようやく多少の余裕ができたので、しばらくはリハビリがてら、気楽さを忘れずにつらつら綴っていきたいです。

    あなたへのおすすめ