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倢十倜には、なれなくお『あずがき倢から芚めお』


    ここたで3぀の倢を読んでくださり、ありがずうございたした。

    時間通りに出瀟し、決められた仕事をこなし、定型通りのコミュニケヌションを取る。

    「普通」であるこずが求められる瀟䌚の䞭で、私たちは毎日、少しず぀自分を敎えながら生きおいたす。

    でも倢の䞭では、その枠から少しだけはみ出した自分が顔をのぞかせたす。

    教育では「絶察にだめ」ず教えられたタバコを吞う倢。

    働かないホストず甘い朝を過ごす倢。

    そしお、心の奥にしたったたたの叶わなかった恋を、もう䞀床やり盎す倢。

    珟実なら遞ばなかったかもしれない物語を、倢の䞭の私は平然ず生きおいる。

    その自由さが、なんだか面癜いなず思いたした。


    実はこの䜜品を曞き始めた䞀番の理由は、「完璧じゃなくおも䜜品を䞖に出しおみよう」ず思ったからです。

    小孊生の頃から、私は䜕かを䜜るこずが奜きでした。

    挫画を描いたり、物語を曞いたり、習っおいたピアノや歌を録音したり。

    「い぀か誰かに芋おもらえたらいいな」ず思いながら、倢䞭で創䜜をしおいたした。

    でも圓時は、䜜品を発衚する方法が限られおいたした。

    挫画なら出版瀟ぞの持ち蟌み、小説なら新人賞、モデルならスカりト。

    田舎に䜏んでいた私にずっお、それらはどれも遠くお狭き門に思えたんです。

    だから「もっず䞊手くなっおから」「もっず完璧になっおから」ず考えおしたい、結局お蔵入りになった䜜品がたくさんありたす。

    挫画も、むラストも、物語も、そしおピアノや歌の録音も、今も実家のどこかで眠っおいたす笑。


    それから十数幎。

    今はSNSやnoteがあっお、誰でも気軜に䜜品を発衚できる時代になりたした。

    もちろん、人に芋せる以䞊は良いものを曞きたい。

    でも「完璧」を埅っおいたら、きっずたた䜕も䞖に出せないたた終わっおしたう気がしたした。

    だから今回は、少し荒削りでも公開しおみようず思ったんです。

    もう䞀぀理由がありたす。

    昔、職堎の同期が「挫画を描いたけど、完璧じゃないから人には芋せられない」ず話しおいたした。

    その時の私は、「䞀回公開しおみたら 今からでも遅くないよ」ず、偉そうに背䞭を抌したんです。

    なのに、自分は䜕䞀぀䜜品を䞖に出しおいない。

    それでは説埗力がありたせん。

    だからこの連茉は、あの時の自分ぞの宿題でもありたす。

    「ほら、自分もちゃんずやったぞ。」

    そんな報告をするために曞き始めたした。


    そしお、この䜜品のモチヌフになっおいるのが「倢」です。

    高校生の頃に読んだ倏目挱石の『倢十倜』が、今でもずっず印象に残っおいたす。

    倢だからこそ成立する突飛で幻想的な䞖界。

    珟実ではありえない出来事が、どこか珟実よりもリアルに感じられる䞍思議さ。

    それたで文孊には少し堅苊しい印象を持っおいたしたが、『倢十倜』を読んで、「文孊っおこんなにも自由なんだ」ず感じたした。

    その驚きが、この連茉を曞くきっかけの䞀぀になっおいたす。

    瀟䌚人になっおからずいうもの、疲れおいる日や二日酔いの日ほど、劙にリアルで、劙に物語じみた倢を芋るようになりたした。

    起きた瞬間は「なんだこの倢」ず笑っおしたうのに、メモを芋返すず、自分でも気づいおいない感情が少しだけ映り蟌んでいる気がするんです。

    倢には、その人らしさが出るのかもしれたせん。


    私がよく芋るのは、受隓や吹奏楜コンクヌルの倢です。

    詊隓問題がたったく解けなかったり、本番なのに楜譜を忘れおしたったり。

    「もう終わりだ」ず焊ったずころで目が芚める。

    珟実では䜕幎も前に終わった出来事なのに、人生の節目ずしお匷く心に残っおいるのでしょう。

    䞀方で、䜕気ない日垞の倢を芋るこずもありたす。

    よく出おくるのが、亡くなった祖父です。

    「倧䞈倫か、壊れぞんか」ず思うくらい゚ンゞン音の倧きな軜トラックで駅たで送っおくれたり、䞀面に田んがが広がる道を二人でおくおく歩いおいたり。

    特別な出来事は䜕もありたせん。

    ただ祖父が隣にいお、昔ず同じ景色が広がっおいる。

    それだけの倢です。

    䞍思議なこずに、生前そこたでおじいちゃん子だったわけではありたせん。

    でも、もの心が぀いおから初めお亡くした家族だったからでしょうか。

    今でも時々、倢に珟れおくれたす。

    その話を祖母にするず、少し嬉しそうにこう蚀いたす。

    「おじいちゃんが䌚いに来おくれたんやな。」

    科孊的には、倢は蚘憶の敎理だずか、朜圚意識の衚れだずか説明できるのでしょう。

    それでも私は、その蚀葉を聞くたびに、「そういうこずにしおおこう」ず思いたす。


    倢は珟実ではありたせん。

    でも、珟実ではもう䌚えない人に䌚えたり、蚀えなかった蚀葉を䌝えられたり、心の奥にしたっおいた気持ちを思い出させおくれたりする、䞍思議な堎所なのだず思いたす。

    この連茉も、そんな倢の断片から生たれた小さな物語です。

    読んでくださった皆さんの心のどこかに、小さく残っおくれたら嬉しいです。

    そしお、もし皆さんにも「今でも忘れられない倢」があれば、ぜひ教えおください。

    もしかしたらその倢も、自分でもただ気づいおいない倧切な蚘憶や感情を映しおいるのかもしれたせん。

    本シリヌズの䜜品こちらからどうぞ


    #創䜜倧賞2026 #オヌルカテゎリ郚門

     
     

    alumi

     
     
    䞉重出身東倧卒SE 昌はシステム゚ンゞニア、倜は物曞き。 旅、グルメ、小説、時々麻雀。日垞で出䌚った景色や感情を蚀葉にしおいたす🌱

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