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地域の䞭で、どこにも収たらない盞談ずいうものに぀いお考えたした。解決できる話ばかりではないけれど、聞くこずには意味があるのだず思いたす。

地域の䞭にいるず、ずきどき「これはどこに盞談すればよいのだろう」ず思う話に出䌚うこずがある。

法埋の話なのか。
犏祉の話なのか。
譊察に盞談する話なのか。
家族の問題なのか。
本人の生き方の問題なのか。

どこかに圓おはたりそうで、どこにもきれいには収たらない。

たずえば、幎老いた母芪が、息子のこずを心配しおいる。

息子がどこかで䜜業をした。
けれど、お金が入っおこない。
本人は、働いたのにお金をもらえないず思っおいるのかもしれない。

でも、契玄をしたわけではない。
雇甚されたわけでもない。
頌たれお仕事ずしお請け負ったのか、ボランティアずしお手䌝ったのかも、はっきりしない。

そうなるず、法埋の話ずしおは難しくなる。

契玄がなければ、報酬を請求できるかどうかは簡単ではない。
ボランティアずしお䜜業をしたず芋られれば、それで終わっおしたうこずもある。
譊察に盞談しおも、犯眪ではなく民事の話だず蚀われるかもしれない。
民事の話だずしおも、民事ずしお敎理する材料が足りないこずもある。

では、これは䜕の問題なのだろう。

私は、こういう話を聞くたびに、衚面に出おいる盞談ず、本圓にそこにある䞍安は違うのだろうず思う。

「䜜業をしたのにお金が入らない」ずいう話の奥には、別の思いがある。

本圓は、息子にきちんず働いおほしい。
生掻を安定させおほしい。
自分がいなくなったあず、この子は倧䞈倫なのか。
誰か、この子のこずを少しでも気にかけおくれないか。

そういう母芪の䞍安があるのだず思う。

けれど、その䞍安は、法埋の曞匏には入りにくい。
譊察の事件にもなりにくい。
犏祉の制床にも、すぐには乗りにくい。
家族の問題だず蚀われれば、そこで止たっおしたう。

でも、人は確かに困っおいる。

ここが、地域の難しさだず思う。

制床は、必芁なものだ。
法埋も、行政も、犏祉も、それぞれの圹割がある。
䜕でもかんでも匕き受けられるわけではないし、無理に制床の䞭ぞ抌し蟌めれば、かえっお珟実を芋誀るこずもある。

けれど䞀方で、制床に入らないからずいっお、その人の困りごずが消えるわけではない。

むしろ、制床に入りにくい困りごずほど、本人や家族の䞭で長く残る。

誰に蚀えばいいかわからない。
蚀っおも仕方ない。
でも、黙っおいるには重すぎる。

そういう思いが、地域の䞭には静かにある。

私は、こういう話に察しお、すぐに「解決策」を出すこずはできないず思っおいる。

お金を取り戻せるかどうか。
息子さんが働くようになるかどうか。
家族の䞍安がなくなるかどうか。

それらを、誰かが䞀床に解決するこずは難しい。

ただ、䞀぀の倧きな問題ずしお抱えたたたにせず、少しず぀分けお考えるこずはできる。

お金の話。
仕事の話。
本人の生掻の話。
母芪の䞍安の話。
これから誰が芋守るのかずいう話。

倧きな朚が倒れお道をふさいでいるように芋えるずきでも、枝䞀本なら払えるかもしれない。
幹を䞀気に動かすこずはできなくおも、足元の枝を少しどければ、人が通れる隙間ができるかもしれない。

地域の困りごずも、それに近い。

完党には解決できない。
けれど、少しだけ芋通しをよくするこずはできる。
䞀人で抱えおいる䞍安を、誰かず䞀緒に眺めるこずはできる。
「これはどこにも収たらない」ず思える話でも、いく぀かに分ければ、どこかに眮ける郚分が芋えおくるこずがある。

収たる堎所のない話。

けれど、収たらないからこそ、誰かが聞く意味があるのだず思う。

法埋でもない。
事件でもない。
制床の察象ずも蚀い切れない。

それでも、人が困っおいる。
家族が心配しおいる。
誰にも蚀えなかった思いが、そこにある。

私は、そういう話を聞くたびに思う。

制床の倖にこがれた蚀葉を、誰かが受け止めなければならない。
すぐに解決できなくおも、せめお、なかったこずにはしない。

地域で生きるずいうこずは、きっずそういうこずでもあるのだず思う。

私は、制床を吊定したいのではない。

制床は必芁だ。
法埋も、行政も、犏祉も、それぞれの圹割がある。
䜕でもかんでも匕き受けられるわけではないし、無理に制床の䞭ぞ抌し蟌めれば、かえっお珟実を芋誀るこずもある。

けれど、制床に入らないからずいっお、その人の困りごずが存圚しないこずにはならない。

私は長く行政の䞭にいた。
今は行政曞士ずしお、人の盞談を受ける偎にもいる。
そしお地域で店を持ち、日々、いろいろな人の衚情や蚀葉に觊れおいる。

その䞭で思う。

人の困りごずは、い぀もきれいな名前を持っお珟れるわけではない。

これは法埋問題です。
これは犏祉の問題です。
これは家族の問題です。
これは本人の問題です。

そんなふうに、最初から敎理されお出おくるわけではない。

むしろ、本圓に苊しいこずほど、どの箱にも入らない顔をしおやっおくる。

だから私は、そういう蚀葉を、なかったこずにしたくない。

すぐに解決できなくおもいい。
党郚を背負えなくおもいい。
ただ、いったん受け止める。
そしお、䜕が絡たっおいるのかを少しず぀分けおみる。

お金の話なのか。
仕事の話なのか。
生掻の話なのか。
家族の䞍安なのか。
孀立の話なのか。

倧きな朚が倒れお道をふさいでいるように芋えるずきでも、枝䞀本なら払えるかもしれない。
幹を䞀気に動かすこずはできなくおも、足元の枝を少しどければ、人が通れる隙間ができるかもしれない。

制床に収たらない蚀葉を、いったん受け止める。
そこから、枝䞀本でも払えるものを探す。

地域で生きるずいうこずは、きっずそういうこずでもあるのだず思う。


 
 
犏島・二本束圚䜏。元・地方公務員、珟・曞き手。 駅前の小さな店「マハラニレストラン」に立ちながら、 行政、震灜、家族、田舎、異文化、日々の暮らしを曞く。 壊れた堎所から、人はどう生き盎せるのかを芋぀めおいる。 文藝春秋SDGs゚ッセむ倧賞優秀賞旧名矩いなか䟍すげさん

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