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桜色のネックレス 最終章 10年後、今でも

    ~あらすじ~

    32歳の主婦・河野さくらには、どうしても手放せない桜色のネックレスがある。
    それは大学時代、仲の良かった男友達・晴人から贈られたものだった。
    男女6人で過ごした大学生活。ある夜、晴人に誘われたドライブをきっかけに、さくらは彼から突然の告白を受ける。優しくて、一緒にいると安心できる存在。それでもさくらは、晴人の想いに応えることができなかった。
    卒業、別れ、そして10年後――。
    結婚し、家庭を持った今でも、ネックレスを見るたびに思い出す夜のドライブと、あの時伝えられなかった本当の気持ち。
    少し切なく、どこかあたたかい、大学時代の恋の記憶。

    これまでの話はこちらから


    最終章 10年後、今でも

    次の日。

    ついに、この町ともお別れだ。

    何もわからないまま来た町。

    でも、振り返ればとても充実した4年間だった。

    そんなことを考えながら、私はホテルをチェックアウトした。

    昨日待ち合わせをしたコンビニへ向かうと、車には晴人と潤が乗っていた。

    「おはよう。今日はありがとうね。」

    「いいの、いいの。俺も潤も暇だから。」

    すると潤が、ニヤニヤしながら言った。

    「俺も一緒でよかったのかよ〜? 本当は2人きりがよかったんじゃないの〜?」

    「ばか、そんなことないから。」

    「そうだよ〜。」

    「えー、どうだか〜。」

    そんなやり取りをしながら、私たちは空港へ向かった。

    あのとき。

    晴人は本当はどう思っていたんだろう。
    やっぱり、私と2人きりになりたかったのだろうか。


    空港に着き、手荷物検査場を通る時間になった。

    晴人と潤とは、ここでお別れだ。

    「じゃあ、気を付けて帰ってね。」

    「またいつでも来いよ。」

    2人はそう言ってくれた。

    正直、泣きそうだった。

    こんな私のために、朝早くから見送りに来てくれて。

    「うん、ありがとうね。またね。」

    私は手を振って、2人と別れた。


    大学卒業後、あの6人とは会っていない。

    みんな就職先もバラバラだったし、忙しくて集まる機会もなかった。

    だからもちろん、晴人ともあれ以来会っていない。

    今、どうしているんだろう。


    あのとき。

    もし晴人と付き合っていたら。

    結婚していたのだろうか。
    子どももいたのだろうか。

    そんなことを、ふと考えてしまう。

    まるで失恋したみたいだ。
    自分から振っておきながら。

    桜色のネックレスを見るたび、晴人のことを思い出してしまう。

    今思えば、すごく大学生らしい出来事だったなあと思う。

    社会人になって。

    結婚して。

    もう、あの日みたいなドライブをすることもないだろう。

    夜の公園で告白されることも、きっとない。

    だからこそ。
    10年経った今でも、あの日のことを覚えているのかもしれない。

    きっと晴人も、今は幸せな家庭を築いているんだろう。

    もしまた、2人で会う機会があったら。

    私たちは何を話すんだろう。

    きっと、あのドライブの話になる気がする。
    いや、絶対になると思う。


    「さくらはさ、なんであの時、俺のこと振ったの? 正直に教えてよ。」

    もしかしたら、晴人はそんなふうに笑って聞いてくるかもしれない。

    そのとき私は、何て答えるんだろう。



    これを読んでいるあなただったら、どうしますか?

    私はきっと――。


    (終)


     
     
    フリーランスワーママの頭の中のお話です。某アイドルとこんな関係だったらなあ、って思いながらストーリー進めてます。 おやすみ前にゆるっと読めるような内容です。 不定期更新です。

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