
予感と、イチゴとあたたかい麦茶
春の陽気が暖かい今日この頃。
最近の私の日課は、冷凍庫から取り出した市販のいちごを、ただひたすらにパクパクと食べることだ。
砂糖の衣をまとった冷たい果実が、口の中でシャリリと音を立てて溶けていく。
そのひんやりとした刺激が、今の私にはたまらなく心地いい。
冷凍いちごの酸味はより鮮明に、そしてどこか懐かしく感じられる。
以前、誰かに言われた言葉をふと思い出す。
「あなたの周りには、双子の魂が見える」
随分と前のことだ。当時は遠い未来の物語のように聞き流していたけれど、不思議なことに、このいちごを口に運ぶたび、その言葉が今の私に柔らかな重みを持って寄り添ってくる。
今、私の体は、まるで誰かを迎え入れるための準備を始めているかのように、自然といちごを欲している。
まだ「完全な妊婦」ではない、揺らぎの中にいる私。
そんな私にとって、この時間はただの休息ではない。未来の予兆と、静かに対話するための儀式のようなものだ。
冷凍いちごで冷えた舌を、熱い麦茶でゆっくりと温める。
香ばしい麦の香りが、湯気とともにふわりと立ち上り、部屋の空気を優しく包み込んでいく。
冷たさと温かさ、シャリシャリとした果実の歯応えと、麦茶の穏やかな喉越し。
そのコントラストを丁寧に味わうたびに、不思議な安心感が胸の奥底に広がっていく。
もしかしたら、本当に来てくれるのかもしれない。
もしそうでなくても、数年前に投げかけられたその言葉は、いずれ現実という名の花を咲かせるのだろう。
「いちご時間」が終わるころには、冷えたはずの指先までじんわりと温まっている。
春の兆しを待ちわびるように、私はもう一粒、冷凍庫のいちごに手を伸ばす。
麦茶の温もりと、いちごの甘酸っぱい予感。
この静かで、愛おしい時間を、今はただ大切に抱きしめていたいと思う。