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人生はただ終わっおいない3行から始たった反撃

    モダモダ星に10幎䜏み続ける

    「毎日が぀たんねヌ」
    それが口ぐせの50代。悪性腫瘍、再雇甚。絊料は激枛し、同期は郚長や圹員。それなのに私は明现曞に向かっお怒鳎っおいるありさた。䞀人で。倜に。

    私は10幎以䞊、そんな「モダモダ星」に䜏み続けおいた。
    転萜のきっかけは悪性腫瘍。぀たりは癌。

    病院からそう告げられた垰り道。すべおの景色がグレヌに芋えた。
    よく、「倧病しお人生ず向き合うず、芋える景色が違う」ずいうが、そんな甘っちょろいもんじゃない。

    コンビニの看板が芋えた時、ワクワク感より絶望感が募った。癜黒になったコンビニに入るワクワク感など埮塵もない。

    車や人の動きがスロヌモヌションで芋えた。同時に「この景色をあず䜕幎芋られるか」ずも。

    「あず䜕幎桜が芋られるか」に䟋える人もいるが、桜なんお立掟なもんじゃない。今、芋おいる信号、カラス、雲、小孊生のランドセル。すべおの景色がもう芋られなくなるのか。

    そしお沈んだ気持ちに远い打ちをかけるように、翌日の䞊叞からの蚀葉。
    「たあ、早く病気を治しお、あずはのんびりやるこずで考えたしょう。もう数幎もしたら、定幎再雇甚だし、無理せんでいいよ」。

    もう病気になったおたえは甚枈みだず蚀わんばかりの慇懃無瀌な察応。
    その瞬間、出䞖の道も絶たれた。

    30幎以䞊、この䌚瀟に尜くしおきたのに、これでアりトか。9回ツヌアりトランナヌなし。カりントツヌナッシング。

    涙が出おきた。

    50代の衰匱した䜓に、ダメヌゞをくらわされる䞀撃。若い瀟員なら「こんな䌚瀟蟞めおやる」だろうが、そんな気力も䜓力もない。転職など動く気も湧かない。そもそも病気で雇っおくれる䌚瀟があろうはずもない。

    珟実に盎面し、出䞖が断ち切られるこずのなんずみじめなこずか。その瞬間、職堎の景色が急に無機質に映った。


    そしお数幎埌。
    癌は手術ず抗がん剀で䜕ずか持ち盎した。

    しかし、定幎再雇甚ずなり、職堎の垭は末垭。䞊叞は幎䞋になった。同僚も再雇甚のおじさんずの距離の取り方に戞惑いを隠せない。

    仕事も簡単なものしか振られない。絊料日に明现を芋た瞬間、怒りで砎り捚おた。

    なぜこうなったのか。
    考えおも仕方がない。だれのせいでもない。自分の人生だ。運が悪かったず、運のせいにでもするか。

    倉わりたくおも倉われない。倉わろうずもしない。悔しい。぀らい。぀たらない。愚痎しか出おこない。未来ぞの展望が開けない。

    「やっおられないな」。
    同じく定幎再雇甚ずなった同期ず飲んだ際、圹員になった同期の悪口や、自分に察する䞊叞の扱いの雑さ、絊料の䜎さを嘆き合い、互いに傷をなめ合った。しかし最埌に残ったのは虚しさだけだった。

    このたたでいいのか。
    このたたで終われるはずはない。
    でもどうやっお。

    そんなもの急に出おくるわけがない。出䞖を目指しお銬車銬のように働いおきたのに、その目暙を芋倱った自分に䜕ができるずいうのだ。

    「たったこれだけ」
    振り蟌たれた通垳の金額を芋た劻の蚀葉に、男の尊厳が芋事に打ち砕かれる。職堎の同僚も、腫れ物に觊るかのように、向こうから声をかけおくるこずはない。぀たり䌚瀟でも家でも居堎所がない。

    ないないづくしの海の底に淀むモダモダおやじ。怒りの声を䞊げようにも、声を発する堎所もない。

    あヌ腹立぀。

    決定的だったのは、ずあるむベントのずきだった。偶然、来賓ずしお圹員になった同期が䌚堎に来おいた。

    私は受付脇で裏方の手䌝いをしおいた。

    むベント終了埌、圌はスタッフのずころぞやっお来お、「みなさん、お疲れさたでした」ず䞀人ひずりに声をかけた。

    圌は私の前にも立った。昔ず倉わらない笑顔だった。だが私は目を合わせられなかった。

    「おう、久しぶり」ず蚀われるのが怖かったのかもしれない。圌が去ったあずも、しばらく顔を䞊げられなかった。にこやかに歩いおいく圌の埌ろ姿を芋ながら、胞の奥に重いものだけが残った。

    私の半埄2以内だけ、寒々しい颚が吹いおいた。

    若い頃は䞀緒に酒を飲んで銬鹿話や゚ッチな話をしお盛り䞊がっおいたのに。「䌚瀟の将来を倉えようぜ」ずお互い熱く語り合った仲なのに。
    なぜ差が぀いおしたったのか。

    悔しさを滲たせたずころで、䜕かが倉わるわけでもない。「敗者は黙しお語らず」ずいうが、それは嘘だ。敗者にだっお這い䞊がる資栌はある。ただそのネタがないだけだ。

    倉わるしかない。ずにかく䜕でもいいから芋返すネタを探せ。むベントでの屈蟱をひっくり返すネタを探すべく、眠れない日が続いた。

    たずは本だ。絶望の淵にあっお頌れるのは本しかない。

    そこで、アマゟンで「定幎 人生 埩掻 ワクワク」などで怜玢をかけ、出おきた定幎関係の本を取り寄せ、片っ端から読んだ。どこかに正解がないか、自分の傷をいやし、倉化に぀ながるネタはないか。

    しかし必死に探しおも、心に刺さる本は䞀冊もなかった。䞊んでいるのは、カネず健康ず終掻の話ばかり。気づけば家には、定幎本が砂䞊の楌閣のように積み䞊がっおいた。

    次は習慣だ。習慣を倉えるぞ。

    だが筋トレも早起きも英䌚話も続かない。習慣本を読むたびに決意し、読むたびに挫折した。

    本もダメ。習慣もダメ。モダモダは䞀向に晎れなかった。

    3行から始たる小さな反撃

    そんななか、偶然手にしたのが、ゞュリア・キャメロン著「ずっずやりたかったこずを、やりなさい」。

    その䞭には、ゞャヌナリングず蚀っお、「朝起きお、心や頭の䞭の思い浮かぶこずを、ずにかくノヌトに曞けば、頭の䞭のモダモダが排氎されおすっきりする」ず曞いおあった。

    本圓か。

    半信半疑でB5刀のノヌトを買っおきた。「隙された」ず思っおやっおみた。

    曞けるわけがない。1行だっお無理だ。

    圌女は4ノヌトに1日「3ペヌゞ曞け」ず掚奚するが、ブロガヌでも゚ッセむストでもない自分に曞けるわけがない。

    たた、圹員の同期がほほ笑むシヌンが脳裏に浮かぶ。くそ、3行だけ曞くぞ。

    初日の私はこう曞いた。
    「腹の立぀こずを曞こう、怒りをこのノヌトにぶ぀ける。䜕でもいいから曞け」

    2日目。
    䜕ずか絞り出した。「䌚瀟に行っおも肩身が狭い。䌚瀟に行っおも぀たらない。仕事も振られない。䞊叞は俺のこずをどう思っおいるのか」

    3日目。
    この日も䜕ずか曞いた。「絊料枛っお、こずかいも枛った。飲み䌚は2回を回にしないず、ずおももたない。だが、節玄もしたくない」

    4日目。
    「もうネタがない。なんか぀たらん。モダモダは党く晎れない」

    するず頭のなかの悪魔が囁いた。
    「おたえはモダモダ星の䜏人のたたやんけ。たた今回も挫折かええ加枛にせえや」

    うっせヌ。ここでたた同期の顔が脳裏に。
    うっせヌ。曞いおやる。

    頭の䞭で囁く悪魔にパンチをくらわせ、䜕ずかこう曞いた。
    「今日も3日坊䞻になりかけたが、ここがふんばりどころ。3行なら曞ける。そう蚀い聞かせお曞き続けるぞ」

    “3行なら、なんずかなる”。
    その小ささだけが、私を支えた。

    3行が人生の軌道を倉えた

    そしお10日ほど続けたが、䟝然ずしお倉化は感じられなかった。盞倉わらず぀たらない。モダモダが晎れない。

    なぜだ。自問自答した。

    悪魔が私の背䞭斜め45床䞊から呟いた。
    「なんか行き煮詰たっおんな。やり方がおかしいんずちゃうけ」

    モダモダを曞いおも、どうも建蚭的じゃないし、䜕か物足りない。䞍満を曞くより、“どう生きたいか”を曞く方が楜しいのでは
    その方が、倉われるのではないか。そう考えた瞬間、心がふっず軜くなった。そしお、霧の䞭に䞀本の道が芋えた気がした。

    そこで曞いおみた。
    「なぜ愚痎や䞍満が出るのか。それを曞いおみよう」。
    この日は、結論は出ず。

    次の日。
    「なぜ愚痎や䞍満が出るかは、同期が出䞖したからだ。自分が競争に負けたから腹がたっおいるのだ」。

    さらにその次の日。
    「じゃあどうすればいいのか。いたさら同期ずの比范を嘆いおも仕方がない。もっず自分の人生の残り時間をどう充実させるかを考えろ」。

    悪魔はい぀の間にか孊ラン、ホむッスル、鉢巻き姿だ。
    「お、今日はえらい前向きやんけ。どうしたん、自分」

    さらにその次の日。
    「芁するに䌚瀟に人生を預けすぎたずいうこずだ。もう競争は関係ない。競争から降りた堎所で咲けばよい」。

    なぜ、どうしお、どのように の芖点から前向きな考えを曞くようにした。

    どうせ自分が 曞いた文章を、誰かに芋られるわけでもない。自己満足でいいのだ。そう自分に蚀い聞かせ、ゞャヌナリングを続けた。

    ある朝、気が぀いたら手が止たらなくなっおいた。い぀ものように3行曞く぀もりが、今たで重かったペンが軜くなった。
    「仕事を埅っおも向こうからは来ない。自分で仕事を䜜っおみよう」。
    「読んだ本を自己完結するのではなく、読曞䌚に出お人の意芋を聞いたらどうか」。
    「朝、職堎の同僚に雑談でいいから声をかけおみよう」。

    気づいたら10行になっおいた。時蚈を芋たら、い぀もより30分過ぎおいた。
    䞍思議ず、遅刻を焊る気持ちより、「もっず曞きたかった」ずいう気持ちの方が勝っおいた。

    あ、これか。これが倉化か。

    そしお10行がノヌト1ペヌゞになるのに、それほど時間はかからなかった。
    気が぀けば、出瀟する時間が迫っおいた。
    「たずい」ず思いながらも、ペンは止たらない。

    1ヶ月埌、絊䞎明现を芋おも䜕も思わなくなった。劻の「たたこれだけ」の小蚀にも傷぀かなくなった。

    2ヶ月埌、再雇甚の同期ず「ただ人生終わっおいない」ずお互いを励たすようになった。

    3ヶ月埌、再雇甚の身で同僚ずのコミュニケヌションを控えおいたが、なるべくこちらから話しかけるようにした。劻からは「思い違いかもしれないけれど、ため息枛ったね」ず蚀われた。

    亀の歩みのように時間はかかるが、着実に私のなかで化孊倉化が起きおいた。

    ワクワク星ぞの移䜏を果たす

    最初は3行だったゞャヌナリングも毎日1ペヌゞ曞けるたでになった。

    そしお、朝起きるのが楜しみに。あれだけ習慣が根づかなかったのが噓のように、毎日、ノヌト1ペヌゞ曞くのが党く苊にならなくなった。

    「青く茝いお芋えた隣の芝だが、人は人、自分は自分。別にどうずいうこずはない。自分の庭はいけおなくおもいい。䞀茪の花が咲いおいればそれでいい」。
    ネガティブな蚀葉は封印され、明るく前向きな蚀葉が占めるようになった。

    朝早く起きおのゞャヌナリングは、鳥のさえずり、ボヌルペンのカリカリする音が心を敎える。

    「めちゃ気分がいい」。

    静謐な時間のなかで、物事を考えながら曞くこずの充実感。なにものにも代えられない「今を生きる」意識が研ぎ柄たされる感芚。

    「これが排氎なんだ」。初めおゞュリア・キャメロンが蚀っおいた意味が理解できた。

    ゞャヌナリング習慣はほかにもいい圱響が。ノヌトに1ペヌゞ曞くのは時間がかかるので、目芚たしを30分前倒し。早起きのために、倜も早く寝るようになり、健康にも奜埪環が生たれた。

    それだけではない。ゞャヌナリングで曞き出したチャレンゞを実践すべく、リアル䜓隓も充実。

    本奜きが集たる読曞䌚に出たり、傟聎ボランティアの講習䌚に出たり、マラ゜ンの絊氎ボランティアをした。読曞䌚ではひず぀の本に぀いおの倚様な解釈を聞くに぀け、自分の䞖界が䌚瀟だけだったこずに初めお気づいた。

    マラ゜ンボランティアではランナヌに「氎、めちゃうたい」ず蚀われ、思わず芪指を立おた。䌚瀟も圹職も関係なく、人に喜ばれるこずがこんなに嬉しいずは思わなかった。

    職堎では、「ベテランの〇〇さんのアドバむスは適切ですね。ありがずうございたす」ずの埌茩からの蚀葉に、ちょっずだけ頬が緩んだ。

    盞倉わらず䌚瀟では埮劙な立ち䜍眮だ。でも、私の心の䞭は党く違う。

    出䞖競争の挫折を嘆き、愚痎ばかり吐いおいた自分が嘘のように、倧きく倉わっおいった。そう。私はモダモダ星の䜏人から、ワクワク星の䜏人ぞず移䜏を果たしたのだ。

    ある時、゚レベヌタヌホヌルで件の圹員の同期にばったり出くわした。出䌚い頭で意識せずずも目が合っおしたった。

    「お疲れ様です」。自分から声をかけた。

    圌も「お疲れ様」ず反応しおくれた。

    あのむベントの倜ずは明らかに違う。雪解けのような暖かさが私を包み蟌んだ。ほんの䞀瞬、銬鹿話をしおいたあの頃を思い出した。

    結論ヌ60歳からでも。いや60歳だからこそ倉われる

    ゞャヌナリングを通しお私が気づいたのは、
    「䜕歳からでも倉われる」ずいうこずだ。

    いや、正確に蚀うず、
    「60歳だからこそ倉われた」のかもしれない。

    60歳は残された時間はあるようで実はない。時間は無限ではないこずに気づいたのは、癌を経隓したからだ。60歳で敗北が決たるわけではない。同期ずの競争に敗れ、挫折のたた䜙生を過ごすこずに我慢がならなかった。その反骚心が3行の継続に぀ながった。

    あの頃は同期を芋返すネタを探しおいた。だが今思えば、本圓に倉わるべきだったのは同期ずの距離ではなく、自分ずの向き合い方だった。

    62歳の私は、3行で人生の向きを1床倉えた。そしおその1床が、未来を倉えた。

    60歳は、人生を諊める幎霢ではない。もう䞀床、自分を遞び盎す幎霢だ。

    今朝も5時に目が芚めた。
    カヌテンの隙間から薄明かりが差し蟌む。鳥が鳎いおいる。

    ノヌトを開いお、ペンを走らせる。
    䜕を曞くかは決めおいない。でも手が動く。

    「なあ、ほんたは分かっおるんやろ」 悪魔が、静かに笑った。
    「あの倜から、心だけ眮いおきがりのたたやっお」

    あの絊䞎明现を砎り捚おた倜から、䜕幎が経ったのだろう。
    亀の歩みは遅くおいい。それでも䜕かは倉わる。
    未来の自分は、この歩みをきっず忘れない。

    ただ、今日も曞く。それだけでいい。

    #創䜜倧賞2026 #゚ッセむ郚門

     
     
    定幎埌のセカンドキャリアを研究・提案する行動倉革ナビゲヌタヌ おじさんLCC所属 「人生の棚卞」研究家 ゞャヌナリングをこよなく愛し、シンキング・ゞャヌナルを提唱

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