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Photo byfeu_mito

脳内暴走24時

    2026年5月15日金曜日。
    その日私は、置き配を取る事を頭の片隅には置いていた。
    気が付けば21時前だったと思う。
    外は暗いし、大した物は買っていなかった為、取りに行くのが億劫だった。
    それに最近、外で蛇を見かける事も多くなっていた。
    もし置き配を取りに行き、蛇に遭遇したらどうしよう。
    頭の片隅に置いていた置き配と共に、いつの間にか蛇も居た。
    外の暗さも相俟って、私の脳裏は薄暗い恐怖に包まれた。
    それなら明日、外が明るいうちに取りに行けば良いと思うのだが、なにしろここは田舎だ。置き配に虫が付着している、なんて珍しい事でもない。
    私は、確率的には、蛇よりも虫の方が個体としても多いのだから、虫が付着している方が高いと思った。虫の方が嫌だと考え、やっと置き配を取りに行くことに成功した。なんて重たい腰なんだろうか。

    外灯を付ける。静かに玄関のドアを開け、置き配に目をやった。どうやら虫は付着していなさそうだ。念の為、蛇が居ないか辺りを見渡した。すると、ほんの少しだけ離れたところに、人生で見た事がない生物のような”何か”が存在していることに気が付いてしまった。

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    人生で見たことがない”何か”を発見した時の私の視界(泣)

    一体これは何なのか。できることなら気が付きたくなかった。なにしろ私は部屋に入ると天井に居るゴキブリを瞬時に発見する謎の能力の持ち主でもある。残念ながら、全く自慢にならない能力なのだが。この時ばかりは己の鋭い能力(これはなんて名前が付く能力なんだろか)を恨んだ。

    とにかく私は、何かあれば瞬時に逃げられるよう、玄関のドアを持ったまま体を近づけて目を凝らした。だがそれはピクリとも動かない。生き物だとしても鳴かないのは不自然だ。なにより外灯の明かりだけではよく見えない。スマホを取り出し撮影した写真がこれだ。

    それに先程チラリと見ていたテレビ番組で(確か日本テレビの「金曜ミステリークラブ!!!」だったと思う)昭和・平成ミステリーと題し、ちょうど未確認生物ばかりを見ていたので恐怖がより一層に増した。

    これ、さっきテレビで見たツチノコとか宇宙人とかそういう類の…?
    だとしたら何でうちに?もしかして着陸に失敗した宇宙人の死体?等と現実ではあり得ない妄想が私の脳内でフル回転した。
    撮った写真を拡大して見ると、コウモリの顔のように見える。

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    撮った写真を拡大したもの(泣)

    そんな馬鹿な。ここら一体でコウモリなんて一度も見たことがない。しかしどう写真を見てもコウモリの顔にしか見えない。冷静に考えると、人間の脳は点が3つあれば顔に見えると言う。脳の癖だとしても怖い。昔テレビで、生息地域が沖縄だったか、体長1m50cmぐらいのコウモリの写真を見て以来、コウモリが大の嫌いになった。勘の良い人はこの一文だけで私がどれぐらい嫌いかお分かりになる事でしょう。まずネットで調べたら簡単にどこに生息して何というコウモリの種類か分かるのに、わざわざ記憶の遠回りで説明している。だって検索したら画像も一緒についてくるじゃないか。あぁ恐ろしい、現代は便利になりすぎたね。さて私が本当に見たくないのが伝わっただろう。だがね、人間、面白いのはこんなに怖がっている、と同時にこれが何なのかという好奇心も同時に芽生えている事だ。
    これが一体何なのか気になった私は、家族や友人たちにこの写真を見せた。
    だが、納得のいく回答は得られず、諦めて明日を待つことにした。

    後日談になるが、私が昨日かなり騒いでいたので心配した家族が見に来ていた。どうやらコウモリでもなければ蛇でもない。どこかの畑から飛んできた球根の皮だったらしい。
    私は肩透かしを食らった気分になった。「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、今回は私の脳の暴走が奇妙だったらしい。

    #創作大賞2026 #エッセイ部門

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