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幼馴染はじめました【毎週ショートショートnote】

    秋田柴子

    『6年2組同窓会のお知らせ』?
    幹事の名前にも記憶がない。覚えてるのは、俺がサッカー部のエースでモテまくっていたことだけだ。

    当日、受付で記念カードが配られた。昔のクラス写真に『幼馴染はじめました』というキザなメッセージが付いている。
    俺が会場に入ると、一斉に黄色い声が上がった。まあ悪い気はしない。

    「よお、点取り屋! 相変わらずモテてんな」
    「はは、よせよ――あれ? あの可愛い子、誰?」
    「何言ってんだ、シンゴ。咲耶さんだよ。彼女が幹事なんだ」

    へえ、あれが? 昔は超地味だったのにな。

    「咲耶ちゃん、このあと二人で飲まない?」
    「そうね。幼馴染らしく公園でビールなんてどう?」

    俺たちは夜の公園で仲良く乾杯した。
    すぐそこはホテル街だ。うまくいけば……
    うまく……
    え? か、体が……うごかな……

    「シンゴくんさ。昔、私が告白した手紙をクラス中に晒しまくったよね」

    遠のく意識の中で冷たい声が響く。

    「さっきのカード、誤字っちゃったから書き直すね。見える? 6年2組・点取り屋・・・・のシンゴくん」

    ポケットから抜き出されたカードに赤い文字が浮かぶ。

    幼馴染はしめました


    (467字)

    【あとがき】
    抱えていた原稿がひとまず終わったので、遅ればせながらの参戦です。
    相変わらず身辺は落ち着かないですが、書くことと読むことだけはぼちぼちでも続けていきたいですねえ。
    今月残り1週間で、お仲間の創作大賞作品を読みにいくつもりです!
    皆さま、よろしくお願いいたします!!

    *この記事は、以下の企画に参加しております。

    【既刊一覧】


     
     
     
    小説を書くわんこ(SS~長編)。創作大賞2025『栗と牡丹』入選。→2026年4月『栗は月色、こがね色』として朝日文庫より刊行。第2回日本おいしい小説大賞最終候補、第31回やまなし文学賞『雨を知るもの』佳作→作品集刊行。餃子とピザとあんこが好物。一人BARと野鳥観察が趣味。

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