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朝の逆転【毎週ショートショートnote】410字

    秋田柴子

    日曜の朝は近所のファミレスでモーニングを食べるのが、俺のささやかな楽しみだ。だが……

    「ちょ、何これ!」

    目の前に置かれたのは、てんこ盛りの唐揚げ定食。
    「え?モーニングのレギュラーですよね?」
    変なヒト、という顔で店員はさっさと離れていった。

    翌日の月曜、今度はホメダ珈琲のモーニングが巨大なはみ出しカツサンドになっていた。どうやら馴染みの牛丼屋も、朝定食が牛丼セットになったらしい。
    まるで朝メシと夜メシが逆転したみたいだ。

    駅に向かうと、いつもは満員の電車がガラ空き。
    首を捻りながら会社に着くと「おはよう!お疲れ様でした!」と早々に終業。
    メシだけじゃなく全てが逆転したのか。

    思わぬ休みに家でゴロゴロしていると、あっという間に日が暮れた。
    ああ、今日は月9ドラマの日だ。カップ麺をすすりながら『ミスなか』を観始めた時、突如電話が鳴った。
    会社から?
    訝しみながら出ると、上司の怒声が炸裂した。

    「おまえ何してるんだ、始業は夜9時だろう!」


    * この作品は、以下の企画に参加しております。



     
     
     
    小説を書くわんこ(SS~長編)。創作大賞2025『栗と牡丹』入選。→2026年4月『栗は月色、こがね色』として朝日文庫より刊行。第2回日本おいしい小説大賞最終候補、第31回やまなし文学賞『雨を知るもの』佳作→作品集刊行。餃子とピザとあんこが好物。一人BARと野鳥観察が趣味。

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