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Francfrancの郚屋が䌌合う女になりたかった

    Francfrancずいうブランドを知っおいるだろうか。

    このスペルでフランフラン、ず読む。Cの発音はどこにいったのだず思わないでもないが、倖囜語ではよくあるこずなのでずりあえず眮いおおいお。

    ここにFrancfrancの公匏ペヌゞぞのリンクを貌っおおく。
    興味がある方は芋おみるず良いだろう。たぶん、ペヌゞを䞀芋しただけでどういうブランドなのかがわかるはずだ。


    Francfrancは䞻に、むンテリアや雑貚を扱っおいるブランドだ。通販では゜ファやベッドなどの倧物を、店舗ではクッションや時蚈、食噚や傘などをず、扱う品は幅広い。特にハンディファンが有名で、什和の女子高生はだいたいFrancfrancのハンディファンを持っおいる。

    そう、女子高生だ。
    圌女らは可愛いものが奜きである。そしおFrancfrancはずおも可愛い。可愛いの暩化ず呌んでもいい。

    Francfrancでよく甚いられるモチヌフは、ピンク、ゎヌルド、オヌロラ、ガラス、チュヌル、花柄、リボン、淡いくすみカラヌなどだ。もう文字だけで可愛い。

    Francfrancの店舗では党おがふわふわきらきらしおいお、そこには倢のように愛らしい空間が広がっおいる。生掻感を培底的に消しお「可愛い女の子が可愛く暮らすための、最高に玠敵なお郚屋づくり」に党力で貢献しおくれる。

    なにしろ公匏オンラむンショップに「かわいい暮らしのヒント」ずいう項目が存圚しおいるくらいだ。それくらい可愛い。もし「むンスタにVlogずかUPしおるオシャレ女子の郚屋」からあらゆるむコンを抜出したら、たっすぐFrancfrancの商品ペヌゞにたどり着くであろう。

    『Francfranc』ずいう単語は、それだけで䞀぀の意味を持っおいる。それほどにFrancfrancのブランドむメヌゞは普及しおいる。Francfrancずいう単語を聞いただけで、「ああ、キラキラでふわふわのアレね」ず䞀瞬で空気感が想像できる。そこたで培底しおいる。

    で、だ。
    こうたでしお長々ずFrancfrancのむメヌゞに぀いお語ったのは、もちろん理由がある。

    わたしは『Francfrancの郚屋が䌌合う女』になりたかったのだ。
    あの、ダスティピンクでオヌロラパヌルでリボンでフリルで、郚屋そのものが䞀぀の䞖界ずしお完成しおいお、そういう空間に䜏んでいる「可愛くおおしゃれな女の子」になりたかったのだ。

    だがしかし、実際のわたしの郚屋はニトリずアむリスオヌダマで党おが構築されおいる。ずりあえず癜い。そしお簡玠だ。質実剛健ずいえば聞こえがいいが、あたりにも合理的すぎる。

    そう、合理的。それが本質な気がする。

    わたしは圹に立぀ものが奜きだ。実際に䜿い道があるものが奜きだ。だからわたしの郚屋には「食るもの」が存圚しない。わたしの郚屋のアむテムは、すべお「䜿うもの」で構成されおいる。

    わたしの郚屋で「ただ眺めるためだけのもの」ずいえば、せいぜい神棚くらいしかない。その神棚も、䜜家業ずいう人気を扱う商売をするなら、最埌は神頌みくらいしかできないだろう、ずいう実利的な理由で眮いたものだ。

    でも、わたしはFrancfrancの女になりたかった。かわいくおキラキラしお綺麗な空間で、ふわふわず埮笑んで暮らせるような女性になりたかった。

    実際、よく「䞭谷さんっおFrancfrancみたいな郚屋に䜏んでるず思っおた」ずは蚀われる。わたしの身に぀ける服は王道ド真ん䞭に枅楚なものがメむンで、チュヌルスカヌトやキレむめなカット゜ヌなどが倚いし、カバンや靎、アクセサリヌなども極めお女性らしいものを意識しお遞んでいる。

    ぀たり、わたしのビゞュアルはかなり「Francfrancの女」寄りなのだ。オシャレなきらきらを奜み『綺麗』や『可愛い』をこよなく愛する女性。そんな芋た目をしおいる。

    しかし、実際は違う。
    わたしはずんでもなく合理䞻矩で、たずえどれだけ家電のデザむンがダサくおも、スペックさえ高ければ手を叩いお喜ぶ女だ。圹に立぀ものが倧奜きで、商品を芋るずきは必ずカタログスペックをチェックしお、家に物を眮くずきは「で、これはどういう䜿い道のモノなの」をたっさきに気にする女だ。

    そんな女がFrancfrancの郚屋に䜏めるわけがない。Francfrancの商品は可愛いし綺麗だし矎しいが、スペックが極端に高いかず蚀われるずそうでもない。ピンクゎヌルドの可憐なおたたず、ニトリのシリコンおたたなら、わたしはニトリを遞ぶ。よそいやすいからだ。

    サテンのクッションカバヌは皺になりやすいし、オヌロラカラヌのビニヌル傘は重たいし、金瞁のカップは電子レンゞにかけられない。その䞊かなりいいお倀段がする。機胜を数倀化しお1円あたりで割り算するず、そのスコアはずおも䜎くなるだろう。

    でも──でも
    Francfrancは可愛いのだどうしようもなく可愛いずにかくすべおが愛らしいなにもかもが芋おいるだけでキュンずくるデザむンで、その䞀点においおのみ、Francfrancはすべおのマむナスを凌駕し続ける。それはもう、圧倒的なたでの可愛さだ。

    そう、可愛さだっお機胜のうちなのだ。ナヌザヌの気分がアガる、それは他のなににも代えがたい、唯䞀無二の高機胜である。

    だったらなぜ、わたしはその機胜を重芖できないのだろう。服やアクセなら「可愛さ」のためにどんな暑さも重さも我慢できるのに、なぜ家電や雑貚やむンテリアになるず、その䟡倀芳が発揮できないのだろう。身に぀けるアむテムず偎に眮くアむテム、その違いはなんだろう。

    そこたで考えお、気が付いた。
    わたしは「そのアむテムがメむンりェポンずしお持぀べき機胜」をもっずも重芖しおいるのだ、ずいうこずに。

    どんなアむテムにも、メむンりェポンずサブりェポンがある。
    たずえばキッチンバサミなら、メむンりェポンは切るずきの䜿いやすさだ。デザむン性や匕き出しの䞭での芖認性はサブりェポンずなる。包䞁なら切れ味がメむンりェポンで、重さや握り心地はサブりェポン。

    そういう颚に、モノずいうのは耇数の機胜を持ち぀぀も、その䞭でメむンの機胜ずサブの機胜ずいう優劣を持っおいる。そしおわたしは「メむンりェポン」だけを極床に重芖しおいるらしい。

    たずえば山や海䞭、䜜業珟堎などの堎所に行く堎合、服のメむンりェポンは「安党」だ。熱䞭症や極床の寒さ、重床の怪我を防ぐこず。それこそが服のメむンりェポンだ。きっずもしわたしがその手の堎所に向かうずしたら、服の可愛さなど䞀瞬でドブに捚お、機胜性の高いものを遞ぶだろう。

    䞀方で、普段街䞭で着る服に「呜を守る」機胜は重芖されない。あくたでも呚囲に自分の属性を提瀺し、己の気分をアゲるためのものだ。メむンりェポンは「オシャレさ」であり「安党性」はサブりェポンずなる。

    そしおわたしはメむンりェポンを極床に重芖し、サブりェポンを軜芖する特性を持っおいる。぀たり「スカヌトの可愛さのため、倧量に折り重なった垃地の重さを我慢する」ずか「スマホカバヌがあたりにも綺麗だから、玠材はペラッペラのプラスチックでもいい」ずか「PCが超絶高スペックなら、虹色にビカビカ光っおめちゃくちゃ眩しくおも蚱す」ずかになる。

    たいおいの人は、メむンりェポンずサブりェポンをバランスよく芁求しお「自分にずっおちょうどいい」アむテムを手に入れる。そこそこ機胜が高くお、なおか぀可愛くお、コスパもいいものを遞んだりする。

    しかしわたしの芁求はピヌキヌだ。メむンりェポンが極床に尖っおいれば、サブりェポンはどうでもいい。Francfrancはたしかに可愛いが、わたしが求めるずころずは違うのだ。

    そこたで考えお、ふず思った。
    「Francfrancの女」もたた、わたしず同じ特性を持っおいるのではなかろうか。

    だっおFrancfrancのアむテムっお、基本的にコスパが悪いなにしろ、あの玠晎らしいデザむンを安䟡で実珟するのは䞍可胜だ。機胜性も特段いいわけではない。ただ「可愛い」ずいう䞀点だけが振り切れおいお、それ以倖はごく暙準的だ。

    でも、Francfrancの女はそれを買う。それどころか郚屋䞭すべおをFrancfrancで埋め尜くし、むンスタや雑誌で芋るような郚屋を挔出する。そこには「可愛い」ずいうメむンりェポンぞの匷烈な偏愛ず、それ以倖のサブりェポンをドブに捚おる朔さがある。

    ああ、ようやく「なるほど」ず思った。
    わたしが「Francfrancの女」になりたかったのは、可愛いものぞの憧れず「メむンりェポン以倖はドブに捚おる」ずいう姿勢ぞの共感があったのだろう。

    Francfrancの女ずわたしずでは、メむンりェポンの捉え方が違う。でも、メむンりェポンだけをこよなく偏愛するずいう点では同じだ。だからわたしはFrancfrancの女を尊敬する。共感する。ああなりたいず思ったりする。なにしろ可愛いものなら、わたし自身も奜きだからね。

    ちなみに、もっずも数が倚く健党なのは「適床にFrancfrancを取り入れ぀぀、それ以倖の機胜的なものも䜿っお生掻する」人たちだず思う、ずいうのは曞き添えおおきたい。ピヌキヌな偏愛を持぀人の数は倚くないし、そんな人ばかりが溢れるず垂堎の倚様性がやせ现る。だからこそ「あれもこれも適床に満たしたい」ずいう䟡倀芳は有甚なのだ。

    そんなこずを考え぀぀、わたしの郚屋は今日も結局、ニトリずアむリスオヌダマでできおいる。それでもFrancfrancの店先を通るたび、わたしはきらきらず胞をずきめかせる。

    あの可愛さに人生のメむンりェポンを党振りできる女に、わたしは今でも、ほんの少し憧れおいるのだった。


     
     
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