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本気で退職を考えている人へ。

    はじめに

    37歳、二児の父です。

    令和8年3月末、14年間勤めた金融機関を退職しました。

    資産はおよそ9,500万円。
    預金、有価証券、保険積立、iDeCoを合わせた数字です。
    妻は一年前に退職していて、小学生の息子と娘の四人家族。
    今は誰も働いていない生活をしています。

    勤めていたころに、社内で心が壊れた人の話をよく耳にした。
    怖かった。いつか自分がそうなるかもしれないって。

    だから、辞める準備はずっとしていた。

    私は、ただの中堅社員。
    それなりに評価はされてきたけど、突き抜けた何かがあったわけじゃない。

    ただ、仕事は面白かった。
    やりがいもあった。
    熱量も持っていた。

    それでも、耐えられない日が突然やって来た。

    「お金があるから、決断できたんでしょ」
    そう思われるかもしれません。

    私は弱かったので、その通りだと思います。
    ただ、私の中ではそんな簡単な決断ではありません。

    何が正解か分からないと、もがき苦しみました。
    人生を雑に扱いたくないって、抗いました。

    この記事は退職を考えている人に向けて本気で書きました。
    今はそうじゃない人も、その立場になったとき選べるように、読んでもらえたら嬉しいです。

    ただ、背中を押すつもりはありません。
    私が何をどう感じて、どう動いて、どこが苦しかったか。
    きれいにまとめるつもりはないし、教訓を渡すつもりもありません。

    私の汚い思考も書きました。
    「私はこうだった」そんな事実だけです。
    テクニカルではない。
    生の心の動き。

    それでも、どこかに何か伝わるものがあればと思って書きます。

    1.私が退職した理由

    退職するには理由がある。
    何もないのに辞める人間はいない。

    私は金融機関に勤めていました。
    数年に1度、配属先が変わります。
    私もその時が来ました。

    新しい所属まで往復3時間20分。
    バス、電車、電車、電車。
    乗り換えは3回。
    噛み合わなければもっとかかる。

    一日6時間寝るとして、起きている時間は18時間。
    平日はその5分の1を電車の中で過ごす計算になる。
    一週間で16時間、一か月で66時間、一年で800時間。

    数字にすると、異常だと思った。
    でも、逃れられない現実だった。

    とはいえ、これくらいの通勤時間の人は珍しくない。

    遠いって大変ですね。
    私もそんなことを言っていた。

    私もその大変な一人に加わっただけ。

    朝は5時50分に起きます。
    誰も起こさないように、ご飯を食べて、歯を磨いて、着替えて、6時20分に出発。
    乗り換えが多いから、ぼーっとしていたら乗り過ごす。
    そうなったら終わり。

    残業も多かった。
    帰ったらみんな寝ている。
    一人で晩ご飯食べて、風呂に入って、寝る。
    そして、朝が来る。

    前の所属にいたころは、家に帰ってから子どもと少し遊んで、寝かしつけて、食器を洗って、洗濯物をたたんで、部屋を片付けて、少しだけ自分の時間を作って、寝る。
    全部なくなった。

    妻のワンオペが始まった。
    専業主婦といっても、時間が無限にあるわけじゃない。
    一人で全部やってくれた。

    その日、家族に何があったかなんて、知らない日々。

    そういう生活が始まったある朝、娘にしがみつかれた。

    平日に顔を合わせられないから、娘は夜早く寝るようになって、私の出社前ギリギリに起きて、玄関で見送るようになった。
    平日の会話はその一瞬だけ。

    娘は「仕事に行かないで」と言って、毎日泣きながらしがみつくようになった。
    私より先に娘の限界がきた。
    私はふりほどけなかった。
    妻が無理やり引き剥がした。
    玄関の扉を閉めても、泣いている声が聞こえた。

    バスに向かう途中で少し涙が出た。
    嗚咽はしない。
    でも、苦しかった。
    悲しいというより、何してんだ自分、という気持ちが強かった。

    会社員である前に私は父親。
    家族を守るために働いているはずなのに、娘を泣かせている。
    自分が情けなかった。
    泣いた後は無表情で、ずっと何が正しいのか考えた。

    そして、何のために働いているか、分からなくなった。

    これが、私の退職の入口です。
    通勤時間が長い、家族との時間がない。
    言葉にすれば単純。

    そんな人は周りに多くて、特別変なことでもない。
    それでも、私にとっては退職を決意するには十分すぎる理由だった。

    2.誰に相談したか

    退職の決断は難しい。

    人生に対して、私はクソがつくほど真面目です。
    家族との時間を作りたい。間違えられない。家族に迷惑をかけられない。
    そんな答えのないループが続く感じです。
    本当に苦しかった。

    これを誰に相談するか。
    上司か、先輩か、社外の人か。

    でも、誰かに相談してそれに引っ張られるのは違うとも思っていた。
    これは自分の人生だから。
    「こうしたらいいんじゃない」と言われたら、「ちゃうねん」となる。
    自分から相談しておいてそれかという話だけど、それが私でした。

    想定している答えをなぞられるだけ。
    そんな気がしました。

    きっと、「今だけだよ」「慣れるよ」「時間が解決してくれる」「そんな人は多い」そんなところです。

    これは事実です。
    そんなこと、分かってる。

    そして、私の方が通勤時間長いよってたぶん笑われる。
    そんなことで甘いなってバカにされる。
    ここまで働いて人生無駄にするのって失笑される。

    だから分かってるって。
    そんな架空の声が聞こえてくるようでした。

    それでも、誰かに言わないと苦しい。
    思考を自分の外に吐き出したかった。
    押しつぶされそうになった。

    悩みの大小って簡単じゃないです。
    誰かの簡単は私の難しいかもしれない。
    私の簡単は誰かの難しいかもしれない。

    私にとって、これは難しすぎました。

     
     
    37歳、二児の父。金融機関を14年で辞めました。 資産9,400万円・年間配当200万円超。 お金と人生について、私なりの考えを書いています。 答えも正解も分からない、だけど悩み切った。

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