
「今、お腹壊してて…」:不審電話を1時間足止めした、ある小学生の天才的撃退術
またまた鳴り響く、我が家の固定電話
まったく固定電話に出なかった私が、知り合いの校長からの電話をきっかけに出るようになりました。
ここ2週間で、こんな感じで電話が来ています。
①旧知の校長から業務に使えるAIについて講師依頼
②マンションセールスの間違い電話(記事化済み)
③①と別の旧知の校長からの相談
④校長会OB会幹事の方から(記事化済み)
⑤今回の怪しい電話
毎回、違う人たちからです。
大切な用事もあったわけですが、変な電話だったらnoteのネタにしてやれという気持ちが強くなり、ここ最近は、ちょっとしたワクワク感を覚えてしまう不届き者の私です。
今回かかってきたのは、こんなお電話でした。
「今ですね、そちらのご近所を回っておりまして、本の買い取りをさせていただいているんですよ。本は1冊からでも構いません! 何か不要になった本はございませんか?」
私の脳内スピーカーは即座に叫びました。
(いや、いらない本は山ほどあるけど、お前みたいな見ず知らずの何者かに売るつもりは1ミリもねえ!)
しかし、そこは大人です。
「あ〜、うちはもう全部処分しちゃいまして、1冊もないんですよ」
と、100%嘘のプロフェッショナルな対応でやんわりお断りしました。
相手は意外にもあっさりと引き下がり、電話を切ったのですが…。
切った後、猛烈に違和感が込み上げてきたのです。
「本1冊」の裏に潜む、現代のリアルなホラー
よーーく考えてみてください。
わざわざ車を走らせて、ガソリン代と人件費をかけて、たった1冊の古本を買い取りに来るビジネスって、どう考えても破綻していませんか?
もし買い取った本を10円で買い叩かれたとしても、こちらとしては馬鹿らしいだけです。
気になってネットで調べてみたところ、出るわ出るわ、恐ろしい文字のパレードが。
「押し買い」の罠: 本を口実に家に入り込み、「他に貴金属や不用品はありませんか?」と強引に居座り、大切な資産を安値で巻き上げる手口。
空き巣・闇バイトの下見: 「いま家に誰がいるか」「どんな人が住んでいるか」「資産がありそうか」を電話の受け答えや、実際に訪問した際の外観からリサーチする不審な動き。
大体、今回の電話の主、なんだか妙にゴタゴタしていてセールストークもカミカミ。
お世辞にもプロとは言えない手際でした。
今思えば、どこのお店か名前をしっかり聞いて、ここに晒してやればよかったとプチ後悔しています。(聞いたのですが忘れてしまいました。)
みなさんも「本1冊から〜」という甘い言葉には、くれぐれも警戒してくださいね。
20数年前、私のクラスにいた「対・不審電話の天才」
この怪しい電話を切りながら、私はふと、今から20数年前に担任したある教え子のことを思い出していました。
その子は、クラスでもいつもみんなを笑わせるムードメーカーだったのですが、ある日「先生、ちょっと話聞いてよ」と、とんでもない武勇伝を持ってきたのです。
当時、まだ固定電話が連絡の主役だった時代。
その子(4年生)が一人で留守番をしているとき、1本の電話がかかってきました。
「もしもし、おうちの人いる?」
名乗りもせず、妙に馴れ馴れしい大人の声。
当時、不審電話が子どもの家に掛かってくることが報告され、指導をしている最中の出来事でした。
子どもながらに「あ、これ怪しいやつだ」と察知したその子は、あえて「うーん、ちょっと分かりません」とトボけました。 相手は子どもが相手をしてくれることに味を占めたのか、「分かりませんじゃなくて、ちょっと見てきてよ。何時頃帰ってくる?」と、家の中の状況を探ろうとしつこく食い下がってきます。
普通なら怖がって切るか、泣き出しそうな場面。
しかし、ここからが彼の真骨頂でした。
「あ、僕おしっこしたくなったので、ちょっとトイレ行ってきます。待っててください。」
そう言い残し、受話器を放置して本当にトイレへ直行。
ここまで聞いて、私は既に大爆笑。
「ほんとにおしっこに行ったの?」
「本当に行きたかったんですよ。でも、時間掛けて、5分くらいほっときました。」
驚くべきことに、その不審な大人は、小学生がおしっこを終えて戻ってくるまで受話器を握りしめてじっと待っていたのです。
戻ってきた彼に、相手がさらにアレコレ質問を重ねると、彼は再びこう言い放ちました。
「すみません、なんかお腹こわしてるみたいで、もう一回トイレ行ってきます!今度はうんちをしてきます。」
もう、私の笑いは止まりません!
圧倒的な社会性と、大人の悪意をいなすユーモア
私が
「戻ってきたらまだ繋がってたの?」
と大爆笑しながら聞くと、彼はニヤリと笑って、
「まだつながってたんですよ。」
と言いました。
結局、彼はその後も「トイレ作戦」を繰り返し、相手の質問をすべて「知らぬ存ぜぬ」でかわしながら、なんと1時間近く(!)も電話を長引かせたというのです。
このエピソード、単なるおバカな笑い話ではありません。
彼の何が素晴らしいって、「大人の悪意ある空気を瞬時に察知し、相手に主導権を絶対に渡さなかったこと」、そして「『トイレ』という子どもならではの無敵のカードを使って、相手の毒気を完全に抜いてしまったこと」です。
緊迫した場面でこれほど不敵かつユーモラスに立ち回れるなんて、凄まじい対応能力であり、卓越した社会性だと思いませんか?
彼は間違いなく、私が出会った中でもトップクラスの「強者(つわもの)」でした。
現代の固定電話サバイバル
当時の話は
「いや〜、あの子は最高だったな!」
と大爆笑で済みましたが、現代はあの頃よりもさらに世知辛く、そして凶悪な事件が増えています。
変な受け答えひとつで、闇バイトのターゲットリストに載ってしまうような、背筋の凍る時代です。
怪しい電話には、
・そもそも出ない(留守電対応にする)
・出ても即、ガチャンと切る
これが鉄則。
あの頃の彼のようにユーモアで撃退するのは、現代ではちょっとリスクが高すぎるかもしれません。
みなさんの家の固定電話、怪しい「本1冊のパラドックス」に狙われていませんか?
少しでも違和感を覚えたら、すぐにシャッターを下ろしてくださいね。
ただ、我が家の固定電話は最近面白くなってきているので、相手がチョロそうなら、相手をするかもしれませんね。
思えば、今回の相手はチョロそうだった!
ネタにしたい欲求と、防犯意識のせめぎ合いです!!