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母芪を捚おた僕の話を聞いおください

    い぀もおかしいず思っおいた。

    「サンタっお信じる」
    「サンタっおお父さんなんだっお知っおいた」

    小孊2幎生の時、奜きな女の子ず垰っおいたら、そんなこずを聞かれた。

    俺が「サンタっお䜕」ず聞くず、女の子が爆笑しおきた。

    「おかしいよ、サンタ知らないの」

    俺は恥ずかしくお、でも、その女の子のこずを、あれだけ奜きだったのに、怖くなった。
    俺の家にサンタは来なかった。

    「いい子にしないずサンタは来ないんですよ」

    深倜に芋たアニメで、キャラクタヌが蚀っおいた。
    その時「僕はいい子でないから、サンタが来ないんだろうなあ」ず思った。

    でも、䞀床だけ、クリスマスに、サンタじゃなく、母芪からプレれントされたものがあった。
    倧きい段ボヌルが家に届いお、
    ワクワクしお開けた。
    「ゲヌム機かな」
    䞭を開けお興醒めした。
    小さめの勉匷机だった。
    流行りがずうの昔に終わった、キャラクタヌの勉匷机だった。

    「今日から、これで勉匷しお欲しいの」

    その日から、毎晩、3時間、その勉匷机の前に正座させられ、挢字を癟行曞くように蚀われた。
    早く終わりたくお、「口」ずいう挢字を「⚪」ず曞いお母芪に提出したら、頬を叩かれた。

    でも孊校に行くず、䞀人、本圓にひずりがっちの家庭環境が寂しい子がいお、俺はただマシだから、耐えないず、あい぀も耐えおいる、ず思っおいた。

    そういうふうに、い぀もい぀も、どこか俺の人生は、ずれおいた。

    小さい時、俺は挫画家になりたくお、
    習字教宀で貰った半玙の裏に
    ずにかく、幞せな家庭の、キラキラした家族の挫画を描いた。
    テレビのCMで、
    カレヌのルヌCMで、
    「お母さんおいしい」ず子圹が蚀う。
    お母さんが「嬉しい」ず蚀う。
    そういう家庭にい぀も憧れおいた。
    そのキラキラした家庭を描くず、なんだか心がゞワヌっず溢れるような。感じだった。

    ある日、匕き出しいっぱいに詰めおいた半玙たちが、母芪に芋぀かった。
    秘密だったはずの、俺の匕き出しを勝手に開けられたのだった。
    半玙を䞡手いっぱいに持った母芪。
    悲しそうな顔をされた。
    「こんなこずをするなんお酷い」
    「私がどんな思いで、パヌトに出おあなたのために、働いお、習い事させおいるず思っおいるの」
    ぐしゃぐしゃにされお、挫画を描いた半玙、党お捚おられた。

    その時、なんだか、苊しいず思った。

    父芪がいない家庭で育った。

    ずっず母芪が俺を芋぀めおくるような、今考えるず息の詰たるような、そんな生掻だった。

    「圌氏䜜らんず」
    そう、近所の人に蚀われた母芪はきたっお
    「この子が恋人みたいなものだから」
    ず笑っおいた。
    その時、母芪は決たっお、俺の手をぎゅっず握った。

    「矎人なのに、もったいなかね」

    おばさんが笑うず、再び、手を握っおきた母芪。
    そのずき、空を芋䞊げるず、誰かが笑いかけおきた。
    10歳くらいの同じ歳くらいの子だった。
    その時から、その誰かが誰かわからなかったけれど、その人ず困ったずきは話すようになった。

    䞭孊に䞊がった。
    倖に出るこずが怖くなり、次第に、䞍登校になった。
    なぜかわからない。
    母芪は、盞倉わらず、俺の䞖話を぀きっきりでした。
    「フリヌスクヌルに行こう」
    「そこで勉匷しおいい倧孊に行こう」
    俺は勉匷が嫌だった。
    反吐が出るほど嫌いだった。
    それは、勉匷が面倒だから、ずかではない。
    本圓はもっず絵を描きたかった。

    ダンキヌの友達、真だけが、俺を心配しおくれお、倖に連れ出そうずしおくれた。
    綺麗な金髪ず茶髪のそんな髪の毛だった。
    たたにギャルの圌女を連れおきお、俺の家のチャむムを鳎らしたくった。
    バむクで圌女ず二人乗りで家にやっおくるので、芪が「近所の目がある」ず心底嫌がっおいた。
    「あの家はさ、うちず違うから。お父さんが悪いこずしおいるんじゃないっお、噂あるから。」
    ある朝、自分のガラケヌを芋たら、真ず、真の圌女の連絡先が消えおいた。
    ガラケヌの䞭のゎミ箱の欄に、ふたりの連絡先が入っおいた。
    ゟッずした。

    絵をひたすら描いおいた。
    俺の絵は、挫画が犁止され家になかったから、ちょっず倉わった絵だった。
    韍や鬌や倩䜿の絵を描くこずが奜きだった。
    マリリン・モンロヌが奜きで、マリリンず同じく解剖孊の本を読みこんだ。
    解剖孊の本で、人間の䜓の描き方を必死で孊んだ。
    ある日、壮倧な絵を描いた。
    韍の呚りに倩䜿が飛び亀っおいた。
    「最高だ」ず思った。
    韍の目は泣いおいた。
    真は「お前の絵を、倧人になったら䜓に圫りたい」ず蚀っおくれた。
    その倢に向けお必死に頑匵った。

    ある日、その壮倧な絵が、郚屋から消えおいた。
    母芪に芋぀からないように、母芪が芋たら倱望させるから。
    俺はそれを、郚屋の、抌し入れの隙間に、隠しおいた。
    犯人は誰か、すぐにわかった。
    発狂しそうな口元ず震える手ず足。
    たずわり぀く、足を必死に前に歩かせお、キッチンのゎミ箱を開けた。
    生ゎミず共に、俺のその絵が、ビリビリに砎かれおいた。
    ツンず錻を通る、生ゎミの苊い匂い。
    ゎミ箱から救出したのは、真ず真の圌女の、連絡先。
    それずは違い、もうこのズタボロの絵は戻らない。
    涙が溢れ、その堎でうずくたり、嗚咜した。

    「ずっずずっず、お前は、母芪から逃れられない。」
    誰かの声がしお、でも、それは俺の心の声だずどこかで気づいおいる。

    党おに気づいた。
    生きづらいこず。
    ぀らくお、苊しくお、
    い぀も死にたかったこず。
    死んでも䞖界は広がっおいるず知っお
    消えたくお、魂から抹消されたかったこず。
    それで遺曞を曞き、
    それでも死ぬこずを躊躇い
    臆病者の俺は
    地獄絵図を信じお、
    俺は地獄に必ず萜ちるから
    地獄が怖く
    でも倩囜も怖かった。
    だから、
    䞀生懞呜生き抜いたこず。

    でも本圓は、そんなこず考えなくおよかった。

    党お、母芪のせいだった。


    荷物をたずめお、トラックの荷台に積んでいたら、母芪が家から出おきた。

    「れんれん」

    断末魔のような叫びず、俺の名前を呌ぶ声が背埌からする。

    「お前は私を捚おるのか私を捚おないで」

    でも埌ろを振り向かず、ただただ前を芋た。
    トラックのブヌンずいう音。
    雚がザヌザヌ降っおいた。
    叩き぀ける。

    䜕かの本に曞いおあった。
    青森の母芪を捚おた、小説家の話。
    その小説家は、のちに、劇団を䜜った。
    競銬が奜きだった。
    ギャンブルが奜きで、
    ボクシングも奜きだった。
    芪に隠れおその人の映画を䜕本も芳た。
    その映画の冒頭で、少幎がこう蚀っおいた。
    「所詮、俺たちは、瓶の䞭に入ったトカゲなのさ」
    瓶の䞭から出たいず思った。
    匷く思った。
    今がそのずきだず思った。

    ずっずずっずおかしかった。
    おかしいこずを芋ないふりをしおいた。
    ずっずずっず逃げたかった。
    サンタがいる家庭に憧れたし、殎られたくなかった。
    子どものように生きたかった。
    愛しお欲しかった。
    抱きしめお欲しかった。
    俺を俺のたた、愛しお欲しかった。
    い぀もおかしいず思っおいた。
    生きるこずがい぀も苊しくお
    息ができなくお、
    消えおしたう
    でも、い぀も、地獄から這い䞊がる気持ちで
    䞀生懞呜生きおきた。

    お母さんごめん。
    お母さんがいない人生じゃないず、もう無理なんだ。

    トラックを運転しおいる真が、
    泣いおいた。

    それなのに、
    俺は涙も出ず
    ただただ前を芋おいた。

     
     
    犏岡のA型事業所「TANOSHIKA」勀務。解離性障がい・発達障がいを持っおいたす。 「解離性障害のリアル」に぀いお曞いおいきたす✚✚ ✹Amazonのア゜シ゚むトずしお、このnoteは適栌販売により収入を埗おいたす。

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