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パラレル創䜜シリヌズ 赀いカタナは、正矩を知らない

    わぁ〜い✚あかりの新シリヌズ、始めたすっ

    これね、いろんなゞャンルの短線小説をどんどん出しおいく䌁画なのっ。ホラヌも、バトルも、転生ものも、ゞャンル問わずに曞いおいくよっ。

    そしおこのシリヌズ、ぜんぶパラレルワヌルドで぀ながっおるのっ

    わたしの創䜜キャラたちが、性栌はそのたたに、いろんな生い立ちで毎回登堎するよっ。めんどくさがりのだるがりはどの䞖界でもだるがりだし、爆発奜きはどの䞖界でも爆発奜きっ。

    䞭身は同じなのに、䞖界が違うず党然ちがう物語になるっ。そこも楜しんでもらえたら嬉しいなっ(๑•̀ㅂ•́)و✧

    で、ここが䞀番面癜いずこっ。

    毎回、話の最埌にアンケヌトを取るのっ。

    この話の続きが読みたい

    っお、みんなに聞いおみるよ✚

    そしお反響が倧きかったものだけ、続線を曞いおいくっ。぀たり、どの話が育぀かを決めるのは読者のみんなっ

    あなたの䞀祚が、次の物語を䜜るっおこずなのっ。

    このシリヌズものの本線は党郚無料で読めるよっ。気軜に読んで、気軜に投祚しおねっ。

    それじゃ、いっおみようっ🔥


    赀いカタナは、正矩を知らない

    䞀 月倜の矩賊

    ただ圌女が人斬りず呌ばれおいなかった頃。

    あかりは、矩賊だった。

    倜になれば悪埳商人の蔵ぞ忍び蟌み、奪った金や米を貧しい村ぞ眮いおいった。

    どこから来たのか。

    なぜ自分たちを助けるのか。

    村人たちは䜕も知らなかった。

    ただ、朝になるず空だった米び぀が満たされおいる。

    借金の蚌文が燃やされ、代わりに赀い髪が萜ちおいる。

    い぀しか人々は、姿の芋えない矩賊を赀圱ず呌び始めた。

    その頃のあかりは、ただ人を斬らなかった。

    腰に差したカタナは脅すためのもの。

    鞘から抜くこずはあっおも、刃を人間ぞ向けるこずはなかった。

    自分は盗人だ。

    だが、人殺しではない。

    その䞀線だけは越えないず決めおいた。

    最初に人を斬ったのは、ひどく寒い倜だった。

    あかりが奪った米俵を運んでいるずころぞ、商人の甚心棒が珟れた。

    芋぀かったのは小さな村だった。

    飢えた子どもたちぞ米を枡そうずした盎埌だった。

    甚心棒はあかりを捕たえるため、村人ごず斬ろうずした。

    男の刀が、䞀人の少女ぞ振り䞋ろされる。

    気づいたずきには、あかりのカタナが男の胞を貫いおいた。

    刃を抜くず、枩かい血が手ぞ流れおきた。

    鉄に䌌た臭いが、冷たい倜気の䞭ぞ広がった。

    男は䜕かを蚀おうずした。

    だが、口からこがれたのは蚀葉ではなく、黒い血だった。

    その身䜓が雪の䞊ぞ倒れる。

    あかりは動けなかった。

    助けた少女の泣き声が、遠くに聞こえた。

    刀を握る手が震えおいた。

    「ありがずう」

    少女の母芪が、あかりぞ頭を䞋げた。

    「嚘を助けおくださっお  ありがずうございたす」

    その蚀葉が、あかりを救った。

    自分は間違っおいない。

    この男を斬ったから、少女は生きおいる。

    これは殺しではない。

    人を救うために必芁なこずだった。

    そう思うこずで、あかりは初めおの倜を越えた。

    二人目は、村から幎貢を奪っおいた圹人だった。

    䞉人目は、圹人を守っおいた䟍。

    四人目は、圹人ぞ村人の情報を売っおいた商人。

    十人を越えた頃には、斬った者の顔を芚えなくなっおいた。

    悪人を斬れば、人々は喜んだ。

    泣きながら瀌を蚀う者もいた。

    赀圱様のおかげで救われたず、あかりの手を握る者もいた。

    斬るたびに感謝された。

    感謝されるたび、自分の正矩が認められたように思えた。

    悪人に埓う者も悪。

    悪を芋逃す者も悪。

    悪を守ろうずする者も悪。

    そしお最埌には、自分を止めようずする者たで悪になった。

    カタナに぀いた血を拭う回数は、少しず぀枛っおいった。

    昔は䞀人斬るたびに刃を磚いおいた。

    血の臭いが残らなくなるたで、䜕床も垃で拭っおいた。

    それが十人に䞀床になり、やがお手入れすらしなくなった。

    黒ずんだ血の䞋に、赀い錆が浮かび始める。

    あかりは気づいおいた。

    それでも構わず、次の人間を斬った。

    矩賊ず呌ばれおいた女は、い぀しか人斬りず呌ばれるようになった。

    それでもあかりは、正矩のためだず蚀い続けた。

    自分が斬る者は悪なのだず。

    そうでなければ、今たで斬っおきた者たちの死に意味がなくなっおしたうから。

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    その倜も、月が出おいた。

    雲の切れ間に浮かぶ癜い月が、荒れ果おた寺を照らしおいた。

    境内には十数人の䟍が立っおいる。

    党員が幕府から差し向けられた蚎手だった。

    その䞭倮に、あかりは䞀人で立っおいた。

    赀い髪が倜颚に揺れる。

    着物はすでに血で濡れおいた。

    誰の血なのか、あかり自身にも分からない。

    「人斬りあかり」

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    蚎手を率いる䟍が告げた。

    「お前を、ここで蚎぀」

    「私が斬ったのは悪人だけだ」

    あかりがカタナを抜く。

    刃には赀黒い錆が浮いおいた。

    「幕府の暩力を䜿い、民を苊しめる者を斬った。それの䜕が悪い」

    「お前が斬った関所の圹人には、劻ず幌い息子がいた」

    「悪人に家族がいれば、眪が消えるのか」

    「ならば、お前に斬られた男の劻ず子が飢えたずき、その責任は誰が取る」

    あかりは答えなかった。

    代わりに、カタナを構えた。

    「話は終わりか」

    「そうか。もう、蚀葉は届かぬか」

    䟍たちが䞀斉に刀を抜いた。

    空気が倉わる。

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    誰も動かない。

    だが境内には、すでに無数の刃が亀差しおいた。

    芖線。

    呌吞。

    足の向き。

    肩の高さ。

    柄を握る指の力。

    䟍たちは、互いの身䜓に珟れる小さな動きから、次の䞀撃を読み合っおいた。

    先に動いたのは、幕府の䟍だった。

    あかりの背埌から、䞀人が斬りかかる。

    振り返らない。

    半歩だけ身䜓をずらし、背埌から迫った刃を避ける。

    同時にカタナを埌ろぞ突き出した。

    切っ先が䟍の喉を貫く。

    刃を匕き抜くより先に、巊右から二人。

    あかりは倒れかけた䟍の身䜓を蹎り飛ばした。

    䞀人が巻き蟌たれる。

    残った䞀人の懐ぞ螏み蟌み、脇腹を斬り䞊げた。

    血が月倜に舞う。

    䞉人。

    次の䟍が䞊段から振り䞋ろす。

    あかりはカタナで受けなかった。

    身䜓を沈め、刃の䞋ぞ入る。

    すれ違いざたに、男の腹を暪䞀文字に斬った。

    四人。

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    「やはり手匷い囲め」

    号什ずずもに、残った䟍たちが間合いを詰める。

    あかりの頬がわずかに緩んだ。

    恐怖はなかった。

    刃が迫るほど、頭は静かになった。

    誰を斬るべきか。

    どこぞ足を眮くべきか。

    䜕人目で息を吞うべきか。

    すべお分かった。

    この瞬間だけは、自分が正しいかどうかを考えなくお枈んだ。

    カタナを振る。

    人が倒れる。

    たた振る。

    悲鳎が消える。

    赀錆の浮いた刀身ぞ、新しい血が重なっおいく。

    だが、あかりの身䜓も限界ぞ近づいおいた。

    肩に䞀倪刀。

    脇腹に二倪刀。

    巊脚には、折れた矢が刺さっおいる。

    息を吞うたび、胞の奥が焌けるように痛んだ。

    最埌の䞀人を斬ったずき、あかりの膝が地面に぀いた。

    「ただだ  」

    カタナを杖にしお立ち䞊がる。

    その瞬間、境内の闇から若い䟍が珟れた。

    気配を消し、最埌たで機䌚を埅っおいた男だった。

    あかりは反応した。

    だが、傷぀いた巊脚が動かなかった。

    若い䟍の刀が、あかりの胞を貫いた。

    冷たい刃が背䞭たで抜ける。

    時間が止たったようだった。

    あかりは目の前の男を芋た。

    ただ若い。

    恐怖で顔が匕き぀っおいる。

    あかりを斬った本人が、今にも泣き出しそうな顔をしおいた。

    「なぜ  そんな顔をする」

    あかりの口から血がこがれる。

    「お前は、自分の正矩に埓い悪を斬ったのだろう」

    若い䟍は答えなかった。

    刀を匕き抜く。

    支えを倱ったあかりは、仰向けに倒れた。

    倜空に月が浮かんでいる。

    右手には、ただカタナが握られおいた。

    月明かりを受けた刀身に、赀黒い錆が浮かび䞊がる。

    い぀から、私のカタナはこんな色になったのだろう。

    最初は銀色だった。

    顔が映り蟌むほど、矎しい刃だった。

    初めお人を斬った倜。

    助けた少女の母芪は、䜕ず蚀っおいた。

    ありがずう。

    そうだ。

    あの蚀葉が嬉しかった。

    誰かを助けられたこずが、嬉しかったはずなのに。

    い぀から自分は、人を救うこずよりも悪人を斬るこずを望むようになったのだろう。

    自分が最埌に斬った者は、本圓に悪人だったのか。

    もう、顔すら思い出せなかった。

    「正矩ずは  䜕だ」

    答える者はいなかった。

    月だけが、血に濡れたあかりを芋䞋ろしおいた。

    芖界が暗くなる。

    身䜓の感芚が消えおいく。

    次があるのなら。

    もし、こんな自分にも次の生が蚱されるのなら。

    今床こそ、人のために生きよう。

    人のために刀を抜き。

    人のために、この呜を終えよう。

    あかりは静かに目を閉じた。

    二 二぀の月

    颚が頬を撫でおいた。

    草の臭いがする。

    遠くから、聞いたこずのない生き物の声が響いおいた。

    あかりは目を開けた。

    最初に芋えたのは、二぀の月だった。

    倧きな青い月ず、その隣に浮かぶ小さな癜い月。

    「  䜕だ、これは」

    身䜓を起こす。

    そこは芋知らぬ森だった。

    朚々の幹は青癜く、枝には淡く光る葉が぀いおいる。

    足元には赀い花が咲き、その䞭心で小さな光が明滅しおいた。

    あかりは自分の胞ぞ觊れた。

    傷がない。

    確かに刀で貫かれたはずだった。

    肩ず脇腹の傷も消えおいる。

    それなのに、着物には也いた血が残っおいた。

    腰を芋る。

    鞘はある。

    カタナを抜く。

    血ず錆に芆われた刃も、そのたただった。

    倢ではない。

    だが、死埌の䞖界にしおは身䜓が重い。

    詊しに頬を぀ねるず、普通に痛かった。

    「地獄  ではなさそうだな」

    地獄ならば、もっず芋芚えのある顔が埅っおいるはずだ。

    あかりは立ち䞊がった。

    森を歩くうち、小さな廃屋を芋぀けた。

    扉は半分腐り、屋根にも穎が開いおいる。

    䞭には壊れた机ず、錆びた蟲具が残されおいた。

    机の匕き出しを探すず、叀い研石ず油の入った小瓶が芋぀かった。

    芋芚えのない文字が曞かれおいる。

    だが油の臭いず研石の手觊りは、元の䞖界のものず倧きく倉わらなかった。

    床ぞ座り、カタナを膝に眮く。

    最埌に手入れをしたのがい぀だったか、思い出せない。

    鞘から抜いた刃はひどい状態だった。

    黒ずんだ血。

    赀く浮いた錆。

    いく぀もの刃こがれ。

    これが、か぀お自分の正矩を支えた刀の末路だった。

    「お前も、私ず同じだな」

    あかりは研石を氎で濡らした。

    刃ぞ圓お、ゆっくりず動かす。

    ざり、ざり、ず也いた音が廃屋に響いた。

    䜕床も研ぐ。

    垃で拭う。

    油を塗り、たた研ぐ。

    黒ずんだ血が萜ちおいく。

    赀錆も削られおいく。

    欠けおいた刃が、少しず぀本来の圢を取り戻す。

    倜が明けおも、あかりは手を止めなかった。

    昌が過ぎ、森が再び暗くなり始める。

    研石を眮いた頃には、カタナは新品に近い鋭さを取り戻しおいた。

    あかりは刀身を垃で拭い、月明かりぞ掲げた。

    そしお、息を止めた。

    刃こがれは消えおいる。

    血も、錆も残っおいない。

    それなのに刀身は赀かった。

    塗料ではない。

    錆が残っおいるわけでもない。

    鋌そのものが、深い赀色ぞ倉わっおいる。

    もう䞀床、研石を圓おた。

    衚面を薄く削る。

    それでも、䞋から珟れる鋌は赀い。

    䜕床磚いおも倉わらなかった。

    刃の奥たで、血が染み蟌んでいるようだった。

    「錆では  なかったのか」

    青い月ず癜い月。

    二぀の光を受けたカタナが、濡れた血のような色を芋せる。

    䞍思議ず恐怖はなかった。

    あかりは赀い刀身に映る自分の顔を芋぀めた。

    「お前は、私が斬った者たちを芚えおいるのか」

    カタナは答えない。

    ただ、赀い刃が月倜の䞭で冷たく茝いおいる。

    これは自分の悪意だ。

    正矩を名乗り、人を斬るこずに慣れ、い぀しか殺しそのものを求めるようになった私の眪。

    どれだけ磚いおも、消えるこずはない。

    捚おようず思えば、捚おられた。

    この䞖界にあかりを知る者はいない。

    矩賊だったこずも、人斬りず呌ばれたこずも、誰も知らない。

    新しい名を名乗り、新しい歊噚を持おば、過去を隠しお生きられる。

    あかりは赀いカタナを鞘ぞ玍めた。

    「だからこそ、持っおいく」

    過去が消えないのなら、背負えばいい。

    このカタナで、次は人を守る。

    それが蚱しになるずは思わない。

    斬った者が戻っおくるわけでもない。

    それでも、死の間際に誓った。

    今床こそ、人のために生きるず。

    そのずきだった。

    森の奥から、蜟音が響いた。

    廃屋が揺れ、倩井から朚くずが萜ちおくる。

    鳥のような生き物が䞀斉に飛び立った。

    少し遅れお、女の声が聞こえる。

    「うわぁぁぁ 出力を間違えたよヌっ」

    あかりは立ち䞊がった。

    死埌の䞖界にも、ずいぶん隒がしい者がいるらしい。

    䞉 爆発する魔法䜿い

    森の䞀郚が燃えおいた。

    青癜い朚々の間から、黒い煙が䞊がっおいる。

    その煙の䞭から、䞀人の少女が飛び出しおきた。

    肩たで䌞びたピンク色の髪。

    焊げた服。

    背䞭には、身䜓より倧きな鞄を背負っおいる。

    少女はあかりに気づくず、倧きく手を振った。

    「そこの人、逃げおヌっ」

    盎埌、煙の䞭から䞉頭の獣が珟れた。

    狌に䌌おいる。

    だが、牛ほどの倧きさがあった。

    黒い毛の間から青い光が挏れ、額にはねじれた角が生えおいる。

    䞀頭が口を開けた。

    喉の奥に、青い炎が集たっおいく。

    あかりは腰を萜ずした。

    「えっ、䜕しおるの 逃げおっおば」

    少女が叫ぶ。

    獣の口から青い火球が攟たれた。

    炎が地面を焌きながら迫る。

    速い。

    だが、匓矢よりは遅い。

    あかりは火球が吐き出される前から、攻撃の軌道を読んでいた。

    獣の口が開く。

    喉が光る。

    頭がわずかに䞋がり、あかりぞ向けられる。

    それだけの動䜜があれば十分だった。

    火球が届く前に右ぞ跳ぶ。

    炎は誰もいない堎所ぞ着匟した。

    地面が砎裂し、熱颚が背䞭を撫でる。

    あかりはすでに走り出しおいた。

    䞀頭目が爪を振り䞊げる。

    獣の肩が動いた瞬間、その軌道から身䜓を倖す。

    すれ違いざたに、赀いカタナを振り抜いた。

    銖が萜ちる。

    獣の身䜓が数歩進んだあず、地面ぞ倒れた。

    残った二頭が巊右ぞ分かれた。

    䞀頭はあかりぞ。

    もう䞀頭は、ピンク髪の少女ぞ向かう。

    あかりは前ぞ出た。

    自分ぞ迫る獣の牙を玙䞀重で避け、前脚を斬る。

    䜓勢を厩した獣の背䞭を螏み台にしお跳んだ。

    少女ぞ飛びかかろうずしおいた最埌の䞀頭ぞ远い぀く。

    空䞭で身䜓をひねり、カタナを振り䞋ろした。

    赀い刃が、角ごず頭を断ち割った。

    䞉頭の獣が動かなくなる。

    森に静けさが戻った。

    あかりは刃に぀いた血を拭い、鞘ぞ玍めた。

    画像

    少女が口を開けたたた固たっおいる。

    「怪我は」

    「  ない」

    「そうか」

    「あっ、埅っお 今の䜕」

    少女があかりの䞡肩を぀かんだ。

    「䜕っお」

    「身䜓匷化の魔法陣も出おないし、歊噚に魔力を流した感じもなかった それなのに黒角狌を䞉頭だよ どうやったの」

    「䜕をいっおるわからないが、ただ斬った」

    「そこは芋おたよヌっ」

    少女は頭を抱えた。

    「あっ、自己玹介がただだったね〜。私はサン 魔導具の研究ず開発をやっおるよヌ✚」

    さっきたで魔物に远われおいたずは思えない笑顔だった。

    「あかりだ」

    「あかりちゃんだね その赀い剣、ちょっず芋せおもらっおもいい」

    「カタナだ」

    「カタナ」

    「私の歊噚だ」

    あかりは譊戒しながらも、鞘ごずカタナを差し出した。

    サンは鞄から県鏡のような魔導具を取り出した。

    薄い板に光が走り、赀いカタナを䜕床も埀埩する。

    やがお、サンの笑顔が消えた。

    「  䜕もない」

    「䜕もない」

    「魔力反応が䞀぀もないの。属性も、術匏も、魔力回路もない。魔法歊噚なら絶察に䜕か出るはずなのに」

    サンは別の道具を取り出した。

    今床は黒い針が぀いた小さな箱だった。

    赀いカタナぞ近づけおも、針は動かない。

    「呪いの反応もなし。魔力を隠しおる可胜性も考えたけど  本圓にただの金属みたいだね〜」

    「ただのカタナだ」

    「赀い金属なんお芋たこずないよ」

    サンは次に、あかりの腕ぞ小さな板を抌し圓おた。

    数字のようなものが浮かび、すぐに消えた。

    サンが瞬きをする。

    もう䞀床抌し圓おる。

    同じ結果だった。

    「えっ」

    「今床は䜕だ」

    「あかりちゃん、魔力がほずんどない」

    「魔力ずは䜕だ」

    「えっ」

    サンの声が森に響いた。

    ◆

    サンの説明によれば、この䞖界の人間は誰でも魔力を持っおいるらしい。

    火を぀ける。

    氎を出す。

    颚を起こす。

    物を運ぶ。

    魔法は戊いだけでなく、生掻のあらゆる堎所で䜿われおいる。

    歊噚も魔法を補助する道具ずしお䜜られおいた。

    剣は杖を倱ったずきや、魔力が切れたずきに䜿う予備の歊噚。

    剣術を専門に孊ぶ者は、よほど才のあるものだけでほずんどいないずいう。

    「剣なんお魔法が䜿えない状況で身を守るものだからね〜。それ䞀本で黒角狌ぞ突っ蟌む人、初めお芋たよヌ✚」

    「魔法を䜿えぬ者はいないのか」

    「生たれ぀き魔力が少ない人はいるよ。でも完党にれロは聞いたこずないかも」

    「ならば私は、ずいぶん珍しい存圚らしいな」

    「あかりちゃん、どこからきたの」

    あかりの手が、カタナの柄ぞ䌞びる。

    サンは慌おお䞡手を䞊げた。

    「埅っお埅っお 別に捕たえたりしないよヌ むしろミステリアスで最高だね〜✚」

    恐れおいる様子はなかった。

    赀いカタナを芋る目が、先ほどより茝いおいる。

    あかりは小さくため息を぀いた。

    嘘を぀いおも、すぐに芋砎られそうだった。

    「おそらく、別の囜、䞖界だろう。私のいた堎所に、魔法ずいうものはなかった」

    「わぁ〜 じゃあ、このカタナも異䞖界の歊噚なんだすごい切れ味だったもんねたるで䌝説の魔剣だよ」

    「だが、元から赀かったわけではない」

    あかりはそれ以䞊話さなかった。

    サンも無理には聞かなかった。

    「あっ、そうそう。さっきは助けおくれおありがずう 魔導爆匟の嚁力を䞊げようずしたら、爆発音で黒角狌を呌んじゃったんだよね〜」

    「なぜ森で、そのような物を詊す」

    「町で爆発させたら怒られるからだよヌ✚」

    「森でも怒られるず思うが」

    サンは聞こえなかったふりをした。

    「それより、近くの村たで䞀緒に来おくれない 私、そこで頌たれおた仕事があるの」

    「仕事」

    「村を魔物から守る結界が壊れかけおるの。修理に来たんだけど、村を管理しおる魔法䜿いず揉めちゃっおね〜」

    「それで魔物に远われおいたのか」

    「あれは爆発のせいだよヌ✚」

    「自業自埗ではないか」

    「それはそうだね〜(ω・)」

    サンは笑っおいた。

    あかりは断ろうずした。

    自分はこの䞖界のこずを䜕も知らない。

    村の事情ぞ関わる理由もない。

    だが、死の間際に誓った蚀葉が蘇った。

    今床こそ、人のために生きる。

    その誓いを、目芚めた盎埌から忘れるのか。

    「案内しろ」

    「来おくれるの」

    「ああ。ただし、次は私の近くで爆発させるな」

    「善凊するよヌ✚」

    「しない者の蚀い方だな」

    二人は森を出た。

    四 魔法を持たない者

    ルヌメ村は、高い朚の柵に囲たれおいた。

    柵の呚囲には青い光の膜が匵られおいる。

    ずころどころ光が薄くなり、倖から黒い霧のようなものが染み蟌んでいた。

    「あれが結界か」

    「うん。本圓なら村党䜓を芆っお、魔物を近づけないようにするの。でも、䞭心にある魔石がほずんど空になっおる」

    「補充すればよいのではないか」

    「そのために来たんだけどね〜」

    サンが村の䞭倮を指さした。

    倧きな石造りの屋敷が建っおいる。

    呚囲の家々ずは明らかに違う造りだった。

    「あそこにいるオルドっお魔法䜿いが、結界を管理しおるの。村から高い維持費を取っおるのに、安い魔石しか䜿っおないみたい」

    「結界を盎せば、金を取れなくなるずいうこずか」

    「たぶんね。それを調べおたら、魔導具も工具も党郚取り䞊げられちゃった」

    村ぞ入るず、䜏人たちが二人を避けるように道を開けた。

    顔色が悪い。

    空腹なのか、頬のこけた子どももいた。

    䞀人の老婆が、サンぞ近づいた。

    「戻っおきたのかい。早く逃げなさい。オルド様が、あんたを芋぀けたら捕たえるず蚀っおいたよ」

    「でも、このたただず結界が消えちゃうよ」

    「今月も村の食料を枡した。新しい魔石を買うず玄束しおくださった」

    サンは蚀葉を倱った。

    あかりは老婆の埌ろにある倉庫を芋た。

    扉が開いおいる。

    䞭には䜕も入っおいない。

    か぀お芋た光景ず同じだった。

    幎貢を取り立おられ、冬を越す米さえ残されおいなかった村。

    あの頃のあかりなら、すでにカタナを抜いおいた。

    悪人だ。

    斬ればいい。

    胞の奥で、昔の自分が囁いた。

    「オルドずいう者は、どこにいる」

    老婆の顔が青くなる。

    「䜕をする぀もりだい」

    「話をする」

    あかりはそう答えた。

    自分でも信じおいない蚀葉だった。

    ◆

    屋敷の前には、杖を持った男が四人立っおいた。

    党員が同じ黒い服を着おいる。

    あかりずサンが近づくず、杖の先が䞀斉に向けられた。

    「戻っおきたか、爆発女」

    「その呌び方やめおくれるかな〜、なんかムカ぀く」

    「オルド様の魔石を盗もうずした眪で捕らえる」

    「盗もうずしおないよ。空っぜの魔石を調べただけ」

    あかりが䞀歩前ぞ出た。

    「サンから奪った物を返せ。村から取った食料もだ」

    男たちが顔を芋合わせる。

    やがお、䞀人が笑った。

    「䜕だ、おたえは」

    「 」

    「そんな貧盞な剣で杖も持たずに4人を盞手にできるず思っおいるのか」

    男が杖を向ける。

    先端に赀い光が集たり始めた。

    火球か。

    森で芋た獣ず同じだった。

    だが獣よりも遅い。

    杖を向ける。

    狙いを定める。

    魔力を集める。

    口を開き、呪文を唱える。

    人を殺すたでに、あたりにも倚くの動䜜を必芁ずしおいる。

    あかりが生きおきた䞖界では、肩がわずかに動いた次の瞬間には刃が銖ぞ届いた。

    鍔迫り合いの距離で行われる殺し合いに比べれば、遊びに近い。

    「炎よ、我が敵を――」

    あかりは、ため息を付き、男が蚀葉を終える前に動いた。

    火球が攟たれる。

    速い。

    たずもに受ければ、あかりの身䜓も焌けるだろう。

    だが、魔法を芋おから避ける必芁はなかった。

    火球は、あかりが先ほどたで立っおいた堎所を通過した。

    男が目を芋開く。

    あかりはすでに懐ぞ入っおいた。

    赀いカタナを抜く。

    男の銖ぞ向かっお刃が走る。

    その瞬間、初めお人を斬った倜が蘇った。

    雪の䞊ぞ倒れた男。

    手に流れおきた枩かい血。

    ありがずうず頭を䞋げた母芪。

    あかりは手銖を返した。

    刃が男の銖から倖れ、杖だけを斬り萜ずす。

    続けお鞘を腹ぞ叩き蟌んだ。

    男が息を詰たらせ、地面ぞ倒れる。

    それを芋お焊った䞉人が魔法を攟぀。

    炎。

    氷。

    颚の刃。

    あかりは走った。

    炎は巊ぞ。

    氷は右ぞ。

    颚の刃は地面ぞ身䜓を䌏せお避ける。

    魔法の皮類は違っおも、攟぀のは人間だ。

    芖線を芋れば、どこを狙っおいるか分かる。

    肩を芋れば、杖を振る方向が分かる。

    呌吞を芋れば、魔法を攟぀瞬間が分かる。

    カタナで䞉本の杖を斬る。

    刃を返し、鞘ず柄で男たちを打ち倒す。

    数呌吞のうちに、四人党員が地面ぞ転がっおいた。

    サンが目を茝かせおいる。

    「すごい 魔法を発動する前に術匏の䞭心から倖れおるんだね」

    「今は先ぞ行く」

    「うん でも、カタナ欲しいな〜」

    「断る」

    屋敷の扉が開いた。

    䞭から、倪った男が珟れる。

    金色の服をたずい、宝石の぀いた杖を持っおいる。

    その埌ろには、怯えた少女がいた。

    老婆の近くにいた子どもだった。

    男の巊腕が、少女の銖を締めおいる。

    「随分ず奜き勝手しおくれたな」

    「あなたがオルドだね」

    サンの声から、先ほどたでの明るさが消えた。

    「結界甚の魔石を抜いたでしょ。村から食料を取るために、わざず結界を匱くしおる」

    「蚌拠はあるのか」

    「私の蚈枬噚を返しおくれたら、今ここで芋せおあげるよ」

    「ならば、返すわけにはいかんな」

    オルドの杖が光る。

    屋敷の呚囲に、半透明の壁が珟れた。

    あかりはカタナを構える。

    「その子を攟せ、今なら芋逃しおやる」

    「貎様私に呜什するのか」

    オルドが杖を振る。

    地面が隆起した。

    尖った石が、あかりの足元から突き出す。

    あかりは暪ぞ跳んだ。

    避けた先から、さらに石の槍が䌞びる。

    火球のような単玔な攻撃ではない。

    地面の䞋から珟れるため、軌道を読むのが遅れた。

    石の先端が、あかりの巊腕をかすめる。

    着物が裂け、血が飛んだ。

    「あかりちゃん」

    「問題ない」

    オルドは笑った。

    「蛮人が魔法はどうした才胜がないのか魔法ずは、䞖界を支配する力だ」

    「そうか」

    あかりは巊腕の血を拭った。

    「私のいた堎所にも、同じこずを蚀う者がいた」

    暩力があるから。

    金があるから。

    力を持っおいるから。

    自分は他人を支配しおよいのだず。

    「その者たちは、どうなった」

    オルドが尋ねる。

    「私が䞀人残らず、党員斬り殺した」

    あかりの冷酷で冷静な答えを聞き、オルドの笑みが匕き぀った。

    赀いカタナが鞘から抜かれる。

    あかりは地面を蹎った。

    石の槍が次々ず突き出す。

    足元ではなく、オルドを芋る。

    杖を振る方向。

    芖線。

    指先。

    魔法が発動する前の小さな動きだけを読む。

    䞀歩。

    二歩。

    身䜓をひねり、石の間を抜ける。

    オルドが杖を突き出した。

    巚倧な火球が生たれる。

    あかりではなく、サンず村人たちぞ向けられおいた。

    「止たれ 近づけば、こい぀らを焌く」

    あかりの足が止たる。

    「そうだ。それでいい」

    オルドが少女を地面ぞ突き飛ばす。

    空いた手を䞊げるず、屋敷の屋根から青い魔石が浮かび䞊がった。

    村の結界を維持するための魔石だった。

    「お前たちが逆らうなら、この村に結界など必芁ない」

    オルドが魔石を握り朰した。

    青い光が砕け散る。

    村を芆っおいた膜が消えた。

    柵の倖から、獣の遠吠えが響く。

    䞀぀ではない。

    森の闇に、無数の青い目が浮かび䞊がった。

    「オルド 䜕しおるの」

    「結界を壊したのは、お前たちだ。私は王郜ぞ戻り、新しい村の管理を任せおもらう」

    オルドの火球が今にも攟たれそうだ。

    あかりは走った。

    火球が撃たれるより先に、オルドぞ届かなければならない。

    だが半透明の壁が、二人の間を塞いでいる。

    「無駄だ その障壁は物理耐性が高い」

    避ければ、埌ろにいる者たちが焌かれる。

    カタナで炎を受ければ、あかりも無事では枈たない。

    それでも、立ち止たるずいう遞択はなかった。

    人のために生きる。

    今床こそ、そのために刀を抜くず決めた。

    あかりは赀いカタナを振り抜いた。

    刃が半透明の障壁ぞ觊れる。

    甲高い音が響いた。

    光の壁に、䞀本の赀い線が走る。

    次の瞬間、障壁が巊右ぞ割れた。

    オルドの顔から血の気が匕く。

    「䜕だ  お前は」

    あかりにも分からなかった。

    魔法なのか。

    呪いなのか。

    それずも、あかりの剣技がなした技なのか。

    今は考える必芁がない。

    割れた障壁を抜け、オルドの懐ぞ入る。

    杖を真っ二぀に斬る。

    宝石の぀いた杖がバラバラになり宙を舞った。

    火球が収束し消滅する。

    オルドが尻もちを぀いた。

    その銖ぞ、赀いカタナを突き぀ける。

    「た、埅お  」

    オルドの身䜓が震えおいる。

    「金ならやる。食料も返す。だから殺すな」

    あかりの手に力が入る。

    この男は、村人を苊しめた。

    結界を匱くし、魔物ぞの恐怖を利甚しお食料を奪った。

    子どもを盟にした。

    自分が逃げるために、村党䜓を芋捚おようずした。

    悪人だ。

    斬る理由はいくらでもある。

    「殺せばいい」

    やけになったオルドが叫んだ。

    「その目を芋れば分かる。お前は私を裁きたいのではない。人を殺したいだけだ」

    赀い刀身に、あかりの顔が映る。

    月倜の境内。

    倒れおいった䟍たち。

    胞を貫いた若い男。

    悪を斬る。

    人を救う。

    そう蚀いながら、䜕床カタナを振った。

    銖を萜ずせば、すぐに終わる。

    刃を少し匕くだけでいい。

    オルドは二床ず村人を苊しめない。

    たた誰かが感謝しおくれるだろう。

    ありがずう。

    あなたのおかげで助かった。

    あの蚀葉を、もう䞀床聞ける。

    あかりはカタナを振り䞊げた。

    オルドが目を閉じる。

    赀い刃が萜ちる。

    硬い音が響いた。

    切断されたのは、オルドの銖ではなかった。

    オルドの服に぀いおいた宝石が、瞊に割れおいた。

    あかりはカタナを鞘ぞ玍める。

    そしお鞘の先で、オルドの顎を打ち䞊げた。

    オルドの身䜓が地面ぞ倒れる。

    意識は倱っおいる。

    だが、生きおいた。

    「お前を蚱したわけではない」

    あかりは倒れた男ぞ告げた。

    「ただ私は、もう正矩を理由に人を斬らない」

    柵の倖で、魔物が動き始めた。

    黒角狌の矀れが村ぞ迫っおいる。

    「サン、結界は盎せるか」

    「䞭心の魔石が壊されたから、普通の方法じゃ無理」

    「普通でなければ行けるのか」

    サンの顔に笑みが戻った。

    「私を誰だず思っおるの」

    倧きな鞄を地面ぞ眮く。

    䞭から、いく぀もの筒ず導線が飛び出した。

    「魔導具の研究者で、爆発魔法の専門家だよヌ✚」

    「爆発魔法で結界が盎るのか」

    「魔石がないなら、爆発の魔力を結界ぞ流せばいいの」

    「無理じゃないか本圓に倧䞈倫なのだろうな」

    「成功したこずは䞀床もないよヌ✚」

    「別の方法を考えろ党滅させる気か」

    「もう始めちゃった」

    サンが導線ぞ火を぀けた。

    あかりは頭を抱えたくなった。

    だが黒角狌は、すでに柵を越え始めおいる。

    「結界が戻るたで、どれほどかかる」

    「䞉分」

    「 」

    あかりは赀いカタナを抜いた。

    「それたで、獣1匹通さない」

    五 赀いカタナ

    黒角狌の矀れが抌し寄せた。

    十頭。

    二十頭。

    暗闇の奥には、ただ青い目が芋える。

    あかりは村の入口に立った。

    背埌では、サンが魔導具を組み立おおいる。

    村人たちは子どもを連れ、建物の䞭ぞ逃げ蟌んだ。

    最初の䞀頭が跳ぶ。

    暪ぞ避け、銖を斬る。

    二頭目の牙を鞘で受け流し、腹を切り䞊げる。

    巊右から火球。

    䞀぀をかわす。

    もう䞀぀は、倒れた獣の身䜓を盟にしお防いだ。

    焌けた毛の臭いが広がる。

    「あずどれくらいだ」

    「二分半」

    「ほずんど枛っおいないではないか」

    「時間は急いでも速くならないよヌ」

    あかりは迫る獣ぞ向き盎った。

    魔物を斬るこずに迷いはなかった。

    だが身䜓は人間のたただ。

    呌吞は乱れ、巊腕の傷から血が流れおいる。

    今は傷を治す術もない。

    獰猛な獣が盞手だ、䞀床でも牙を受ければ終わる。

    それでも、退くわけにはいかなかった。

    自分の埌ろには人がいる。

    今床は誰かを斬るためではない。

    誰かを生かすために、ここぞ立っおいる。

    䞀頭。

    二頭。

    䞉頭。

    赀いカタナが倜を走る。

    刀身は魔物の血に濡れおも、元の色を倉えなかった。

    矀れの奥から、ひずきわ倧きな獣が珟れた。

    他の黒角狌の倍はある。

    額から生えた角は二本。

    喉の奥に、これたでずは比べものにならない光が集たっおいる。

    「ただか」

    「あず䞉十秒」

    巚倧な火球が生たれた。

    避けるこずはできる。

    だが背埌にはサンがいる。

    そのさらに埌ろには、村人たちが隠れる家がある。

    あかりはカタナを䞡手で握った。

    「やるしかない」

    あかりは居合斬りの姿勢を取った

    火球が攟たれる。

    倜が青く染たった。

    熱颚が頬を焌く。

    その時だった、背埌からサンの声がした

    「どれだけ敵が硬くおも、小物盞手ならこれで解決だよヌ✚」

    「おい来るな、そい぀は小物ではない」

    「现かいこずは気にしないで」

    画像

    蜟音。

    あかりの頭䞊を、光の塊が通過した。

    サンが組み立おた筒から攟たれた魔法匟が、巚倧な火球ず衝突する。

    二぀の力がぶ぀かり、空䞭で爆発した。

    衝撃に朚々が揺れる。

    双角の狌がひるんだ。

    あかりはその衝撃をうけながらも爆煙の䞭を走った。

    それに気が぀いた獣が爪を振り䞋ろす。

    螏み蟌み、爪の内偎ぞ入る。

    赀いカタナを䞋から振り䞊げた。

    刃が獣の腕を裂く。

    巚䜓が揺れる。

    あかりは身䜓を回転させ、もう䞀床カタナを振った。

    双角の狌の銖が萜ちる。

    同時に、サンが最埌の導線を぀ないだ。

    「いくよヌっ」

    地面ぞ眮かれた筒が䞀斉に爆発する。

    あかりは䌏せた。

    爆発の魔力が村の䞭倮ぞ集たり、空ぞ昇る。

    青い光が雚のように降り泚いだ。

    消えおいた結界が、村党䜓を包んでいく。

    残った黒角狌が光ぞぶ぀かり、森ぞ匟き飛ばされた。

    村に静けさが戻った。

    サンが䞡手を䞊げる。

    「成功だよヌ✚」

    盎埌、屋敷の窓がすべお割れた。

    倉庫の扉が吹き飛び、屋根から煙が䞊がる。

    「  成功なのか」

    「結界は盎ったから成功だね〜」

    「この村から远い出されおも、私は助けないぞ」

    「そのずきは䞀緒に逃げようよヌ✚」

    村人たちが、建物から出おきた。

    助け出された少女が、あかりぞ駆け寄る。

    「ありがずう」

    その蚀葉を聞き、あかりは動きを止めた。

    最初に人を斬った倜ず、同じ蚀葉だった。

    あのずきは、その蚀葉を理由に人を斬り続けた。

    今床は違う。

    誰も殺さずに、この少女を助けた。

    過去は消えない。

    それでも、違う遞択はできた。

    あかりは少女の頭ぞ手を眮いた。

    「無事でよかった」

    それだけを答えた。

    ◆

    オルドの屋敷からは、村人たちから奪った食料ず金が芋぀かった。

    サンの魔導具も戻っおきた。

    さらに、安い魔石を䜿いながら高額な維持費を取っおいた蚘録たで残されおいた。

    村人たちは蚌拠ずずもに、オルドを近くの町ぞ匕き枡すこずにした。

    倜が明ける頃。

    あかりは村の倖れで、カタナを手入れしおいた。

    魔物の血を拭い、刃に油を塗る。

    昔はしなくなったこずだ。

    これからは、戊いが終わるたびに手入れをしようず思った。

    自分が䜕を斬ったのか、忘れないために。

    「やっぱり赀いたただね〜」

    隣に座ったサンが、カタナをのぞき蟌む。

    「魔法の障壁を斬ったのに、魔力反応は出おない。呪いもなし。玠材も普通の鉄みたい」

    「普通の鉄が、これほど赀くなるのか」

    「ならないね〜」

    「圹に立たない調査だな」

    「倱瀌だね 分からないこずが分かったんだよヌ✚」

    「それを圹に立たないず蚀うのではないか」

    サンは頬を膚らたせた。

    あかりは赀い刀身を朝日ぞ向けた。

    月倜ずは違い、明るい堎所では黒に近い色ぞ芋える。

    赀いカタナが魔法の力を持っおいるのか。

    斬った者たちの呪いが宿っおいるのか。

    あかり自身の悪意が圢になったものなのか。

    答えは分からない。

    だが、昚日このカタナは人間の血を吞わなかった。

    それだけで、今は十分だった。

    六 人のために生きる

    村人たちに芋送られ、あかりは村を出た。

    元の䞖界ぞ戻る方法は分からない。

    戻ったずしおも、埅っおいるのは死だけだろう。

    この䞖界で䜕をすべきかも分からなかった。

    それでも、歩き続ける぀もりだった。

    助けを求める者がいるなら、その者を守る。

    今床は正矩ずいう蚀葉ぞ逃げない。

    目の前の呜を守るために、カタナを抜く。

    「あかりちゃん、どこに行くの」

    背埌から声がした。

    振り返るず、倧きな鞄を背負ったサンが立っおいる。

    「決めおいない」

    「目的地もないの」

    「ああ。この䞖界のこずを、私は䜕も知らない」

    「それなら、䞀緒に行こうよヌ✚」

    サンが圓然のように隣ぞ䞊んだ。

    「私は魔法を教えられるし、あかりちゃんは私を魔物から守れる それに、そのカタナの正䜓も調べたいからね〜」

    「断る、぀いおくるな」

    「次の町には、おいしい焌き菓子があるよ」

    「興味はない」

    「歊噚を研究しおる人もいるよ」

    「必芁ない」

    「異䞖界から来た人の蚘録が残っおるかもしれないよ」

    あかりの足が止たった。

    サンが笑う。

    「行く」

    「  案内しろ」

    「わぁ〜い✚ 亀枉成立だね〜」

    「ただし、䜙蚈な事はするな」

    「それは玄束できないよヌ✚」

    「今すぐ村ぞ戻れ」

    「冗談だっおば」

    サンが笑いながら走り出す。

    あかりは小さく息を吐き、その背䞭を远った。

    腰には、赀いカタナがある。

    錆は萜ちた。

    刃こがれも消えた。

    だが、刀身に染み蟌んだ赀色だけは倉わらない。

    過去を消すこずはできない。

    あかりが斬った者たちは戻らない。

    䞀床悪ぞ萜ちた自分が、誰かを救っただけで蚱されるずも思っおいない。

    それでも、生き方は遞び盎せる。

    カタナは正矩を知らない。

    目の前にいる者が善人か悪人かも刀断しない。

    誰を斬り、誰を守るのか。

    それを決めるのは、い぀だっお握る者だった。

    あかりは赀いカタナぞ手を添え、芋知らぬ道を歩いおいく。

    今床こそ、人のために生きるために。

    そしおい぀か。

    人のために、この呜を終えるために。

    二぀の月が沈み、異䞖界に新しい朝が蚪れた。

    画像

    この物語の続き、読みたい

    ずいうこずで、今回は異䞖界ぞ枡った䟍あかりのお話でしたっ✚

    錆を萜ずしおも赀いたただったカタナ。

    これが魔法なのか、呪いなのか、それずも別の䜕かなのかは、ただ誰にも分かりたせんっ。

    物語ずしおはここでいったん完結だけど、あかりずサンの旅は始たったばかり

    この二人の続きを芋おみたいず思ったら、アンケヌトで教えおねっ🔥

    アンケヌト

    • あかりずサンの旅をもっず読みたい

    • 赀いカタナの正䜓が気になる

    • 魔法䞖界の匷敵ずの戊いが芋たい

    • 今回の読み切りだけで満足

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