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映画「ナースコール」想像以上に良かった!

    先日、映画「ナースコール」観に行きました。

    予告映像からワクワクしていた私。

    ネタバレを含みますので、ご注意ください!


    【ネタバレなし】全体を通しての感想

    やはり、大学病院時代の「日常」でした。

    でもここまでリアルに、ツッコミどころ(ここ違うやろ。とか、こんな場面あり得ん。とか)なく描いている医療映画、ドラマは今までなかったと思います。
    私が大好きなコードブルーですら、働き始めてから見ると違和感を感じる場面もありました。

    もちろん、スイスの映画なので、日本との違いはあります。
    混注するときに手袋してないやーんとか思うこともありましたが、アルコール消毒はめっちゃガシガシにやってましたし。

    そんな程度です。

    だからこそやっぱりいろんな人に見てほしい。
    見てからもそう思いました。


    どんな方が観に来ていたか

    私が観に行った映画館は、昔から地元に愛されているような小劇場。
    この映画館に行っただけでも価値があるのではないか、と思わせてくれるようなレトロな映画館でした。

    そんな映画館での上映でしたので、年齢層も高め。
    私と同年代の方はおらず、私が恐らく最年少。
    40代〜70代の方が中心で、きっと同業者はいない、いても少数派だろうという客層でした。

    逆に言えば、医療者でなくても観たいと思う映画ということです。


    【ここからネタバレです】ざっくりストーリーの流れ

    ここから先はネタバレになります。
    内容と、この映画と同じような日常経験者の私がリアルに感じたことも併せて書いていきます。
    👩💉このマークが出てきたら、私の頭の中です。
    読みながら、「わかるわ〜」って思ってもらえたら幸いです。

    ある州立病院の看護師フロリアの遅番。
    出勤シーンから始まり、エンディングはバスで帰宅。
    目まぐるしくフロリアの仕事の様子が描かれていきます。

    遅番の時間帯としては、恐らく13~22時くらいかなと思われる勤務時間。

    26人床の消化器外科かな?病棟で満床。
    一人欠勤が出ているのに、看護学生もいる。

    👩💉
    『この状況でもう詰んでますよね笑 
    他の病棟から出向とか来ないの!?
    学生さんには申し訳ないけど、忙しくて構ってあげられないよってなるやつ。』

    ただスイスの看護学生さん、日本の看護学生とはちょっと違いそう。
    食事介助とか搬送とか結構任せてたから、日本で例えるなら「医療行為ができない新人看護師」くらい権限がありそう。
    その点はありがたいかも。
    ※日本の看護学生は、基本受け持ち患者のケアのみ実施。
    指導者のOKが出れば一人でできるけど、基本は指導者や実地指導の現場看護師の監視下で実施。

    そして日勤スタッフが帰った後の16時以降は、フロリアともう一人の看護師、学生のみ。
    26人の患者を2人で看るって「13対1」で完全に崩壊してます。
    ちなみに「13対1」は「亜急性期」病棟が基本。
    夜間帯とはいえ、完全に人員不足です。絶望。


    リアルすぎる場面続々

    ここからは見ていて「わかるわー」「よくあるよ」ってなった場面、患者をピックアップ。

    あるある①入院患者対応

    新規入院の男性患者の対応です。
    入院して当日手術というのに遅刻。
    入室して着替えさせてすぐに手術室へGO。

    👩💉『私も眼科で当日入院オペの患者よくいたけど、遅刻されるとオペ時間にも影響するし困るんだよな。特に眼科はオペ2時間前に散瞳の点眼も5分おきとかにささないといけないし、そういう説明とか色々地味に大変なんよ。』

    あるある②医師の説明受けたいけど、医師いない、そして医師何もせず帰る

    医師から説明を受けたいと廊下をウロウロされている高齢患者Aさん。
    医師は緊急オペ中ですぐには対応できないとのこと。
    説明し納得させます。

    👩💉『こういう人って、言っても気になってなかなか納得しなくて、不穏になりがちよね。注意人物。』

    そして他にも医師の説明を聞きたいという家族がいて、同様に説明し宥めます。

    それで終わらないのが現実。
    医師に何度も説明お願いしますと連絡していたにも関わらず、説明せずに医師は帰ろうとしていました。
    フロリアはお願いするも、医師は「私にだって帰る権利はある!」と聞く耳を持たず、そのまま帰りました。

    👩💉『本当ふざけんな。でもよくあるんよね。処方お願いって言っても忘れて帰っちゃったりさ。で、謝罪するのは看護師。患者に怒られるのも看護師。THE板挟み。』

    あるある③要求多い特別室患者B

    ナースコールがあり、痛み止め要求。
    予告映像にも登場した厄介要注意患者です。
    とりあえず待ってもらいます。

    しかし、検査搬送、手術搬送などなどですぐに対応できず、かなり待たせてしまう。
    その結果、「痛み止めだけで30分か。薬局まで買い出しに行ってたのか?」
    時計を見ながらこの発言。
    嫌味ったらしい言い方どうにかならんのか。

    そして夜間にはなんちゃらティーをご所望で、こちらも遅いとご立腹。
    こだわりもあり、「これじゃない、なんちゃらティーだ!すぐ持ってこい!」と。
    あ、私が「なんちゃらティー」は名前忘れたんで「なんちゃらティー」です笑

    仕方なく、「なんちゃらティー」を作ることに。
    ポットでお湯を沸かしてる場面、フロリアがじーっと見つめていて、なんとも言えない空気でした。

    👩💉『確かに待たせるのは悪いけど、そういう言い方ないよな。ムカつく。この患者絶対看護師に嫌われてるわ笑 絶対担当したくない!笑
    そして本当にこういう人いる。看護師を召使のように使う人。』

    あるある④検査搬送中に電話

    検査搬送のエレベータ待ち中に電話。外線です。
    「母がメガネを忘れたみたいで、探してもらえませんか」
    今それどころじゃない。検査搬送に手術搬送、その他諸々のコール対応。
    優先順位はもちろん下がります。
    「明日にしてもらえませんか」と伝えると
    「ないと不便で母が困ってるんです💦今すぐ探してください!」と言われる。
    結局電話番号を聞き、探してまた折り返すことに。
    この電話対応後に搬送は、学生さんにバトンタッチします。

    👩💉『いや、まず忘れ物するのが悪いじゃんか。こっちも退院時のチェック怠ってたのは悪いけどさ。それなのにその要求はないでしょ。でもこういうのよくあるよなあ、今じゃないよ要求。あとそもそも、日勤帯でも外線、ピッチに飛ばすんや。クラークとかおらんのかあ。となるときついわ。』

    あるある⑤忙しい時に限って長話してくる患者

    あるある②のAさん、検温や処置を終えて退室しようとするも、愛犬の話で長話。
    なかなか退室できない状況。
    あるあるすぎます。

    あるある⑥認知おばあさんC、少し不穏になる

    Cさんの娘から電話があり、本人と話がしたいとのこと。
    Cさんに変わると「あなた誰?」といった感じ😅
    これにより少し不穏に。

    👩💉『あースイッチ入っちゃったよー。』

    しかし、さすがフロリア。
    Cさんの手を握りながら歌を歌うと、Cさんは落ち着きました。
    そして、同室の若い女性患者がそれを見て、「おばさんのために音楽流してみるよ」とスマホから音楽を流してくれることに。
    優しいですね。

    👩💉『もうファインプレーすぎる!こうやって協力してもらえるの、めちゃくちゃ助かる。』

    あるある⑦ルート入れにくいのに「一発で入れろ」の圧かける患者

    点滴ルート漏れが女性患者。
    「日中もそうだったけど放置された」と主張。
    抜針するときに「痛い!」と動かれて、フロリアに血が飛び散る。
    そして「どうせ失敗するんでしょ。一発で入れれないんだろうから。」と圧をかけられる。
    しかーし、フロリア一発でルートを入れる。この状況でさすがすぎる。

    👩💉『ほんとこういう圧かけてくるやついすぎよね。痛いのはわかるけど。これ一発で入れたら、心の中でドヤ顔だよね。』

    あるある⑧忙しい時に限って「急変→死」

    ある女性患者が急変し、そのまま亡くなる。
    実はその患者、医師の説明聞きたいと言ってた家族の患者。
    フロリアも優先順位が下になっており、唯一訪室できていなかった患者。
    家族が「看護師が早く来てれば」と怒りを露わにするが、当直医が「予測できることではなかった」と説明し、宥める。
    フロリアは自責の念に駆られる。

    👩💉『この忙しさでこれはきついよ。でもこういう時って本当に色々重なるんだよね。誇張しすぎでもなんでもなく、本当にある。16時間夜勤で2名亡くなって休憩取れなかったことも普通にあったし。ここで仕方ないじゃなくて、自分の責任を感じられるフロリアはすごい。』

    あるある⑨インシデント

    オペ後の患者D。
    お迎え時の申し送りである鎮痛剤のアレルギーがあると聞く。
    病棟に戻ってから疼痛の訴えがあり、鎮痛剤を使うことに。
    同室の患者も希望があり、2人分の準備をすることに。
    しかし、2人の鎮痛剤を間違えて入れ替えて渡してしまった。
    そのため、Dさんは発疹などのアレルギー症状が出てきて、当直医コール。
    命に別状はなく、治った。

    👩💉『この忙しさとマンパワーでインシデントしない方が無理や。こういう時ってミスが多発する。とはいえ、医療者はミスがそのまま患者の命に直結するから怖い。』

    あるある⑩指示を守らない患者

    経鼻酸素投与中なのにタバコ吸ってる。
    言っても言ってもやめない。

    👩💉『火事で死んでも知らんよ。』


    フロリアのストレス爆発

    そんな場面がありました。
    でも看護師ならみんなスカッとする場面ではないでしょうか。

    あるある③で登場したBさん。
    「なんちゃらティー」を持って行った時に、「1時間半も待った。新記録達成だ。」なんて言われ、フロリアはなんと、Bさんの時計を外に投げ捨てた。
    実はこの時計、4万フラン(約800万円)もするそう。

    👩💉『最高にスカッとするじゃん!!!フロリアナイスすぎるんやけど!!!』

    スタッフステーションに戻って我に帰り、もう1人の看護師に報告する。
    怒られるのかと思いきや、大爆笑。
    みんな思ってることは同じだ。

    そして外まで探しに行くも見つからず。

    Bさんに謝罪するも、「いいんだ、僕はどうせ死ぬんだから君にあげるよ。」と。
    Bさんは自分の思いを吐露し始め、ついには泣き出した。
    気持ちの整理がついてなかった、誰かに自分の気持ちを聞いて欲しかった、そういうことだったのかなと思う。

    フロリアは何か言うわけでもなく、隣でそっと寄り添った。

    そしてこの時計、実は外でタバコ吸ってた、あるある⑩の患者が拾ってたんです。
    ここはフィクションだなーと思いますが、フロリア救われました。


    まさに看護師のリアルだった

    こうやって文字で追うだけでも情報過多になるくらい、目まぐるしく濃密な90分映画。
    あるある場面の他にも色々ありました。
    大体が同時進行で進んでいるので、多重業務なんですよね。
    看護師、マルチタスクこなしすぎなんです。

    全く脚色されてるわけでもない。
    普通に経験したことあることばかりでした。


    絶望だけじゃなかった、小さな温かさ

    この映画では、「看護師ってこんなに大変」「絶望」というだけではなかったです。

    「患者さんに助けられる」
    あるある⑥の同室患者さんの行動。
    4万フランの時計を拾ってくれたタバコ吸ってる患者さん。

    どうしても患者さんは弱い立場、支援してもらう立場ではありますが、こうやって助けてもらうことって実際の現場でもあるんですよね。

    「今日〇〇さん様子おかしい気がするよ」って教えてくれたりね。

    看護師って完璧じゃない。
    人間だから、お互い支え合って毎日戦ってるんだ。
    この小さな温かさがこの映画のサブテーマなんじゃないか、そう思いました。

    そしてエンディング、実はバスの中で、フロリアの隣に乗ってきた人が、
    あの亡くなった患者だったのです。
    患者の肩にもたれかかってエンドロールに入りました。
    これは怪奇現象でもなんでもなく、そういう描写という理解です。

    「私はフロリアさんのせいで亡くなったなんて思ってないよ。だから自分を責めないで。」

    恐らく、自責の念に駆られていたフロリアを許してくれた、そんな場面なんじゃないかと思います。


    突きつけられた社会問題

    看護師不足。
    ずーっと言われてるけど、全然解決しないんですよね何故か。

    それはこれだけ大変だから。

    そして、その対価が見合ってないから。

    理由は簡単なのに解決しないのは何故だろう。

    それは現実を知らないから。
    机上の空論なんです。

    そして、この問題による弊害も映画では描写されていました。
    4万フランの時計のBさん。
    もっと寄り添って、話を聞く時間があれば…。
    Bさんが怒ったり、孤独を感じたり、そんなこともなかったんだろうなと思います。

    だから医療者ではない人こそ見てほしい。


    私たちにできることってなんだろう

    この映画を見て、
    「こんだけ看護師って大変なんだよ!わかったか!」ってふんぞりかえっていてはいけません。

    私たち看護師、医療者は何をすべきなんでしょう。

    「noteなどで現実を発信し続ける、声を上げる」
    「自分の職場での処遇改善や人手不足問題に対して、何か解決策を考えてみる、そして実行してみる」

    何か大きなことじゃなくてもいい。
    小さなことからやってみたいと思う。

    医療者じゃない人もぜひ何か行動してみてほしい。

    「より現実を知るために調べてみる」

    こんなことでもいいと思う。

    上映劇場の少なさが本当に残念。
    これも世の中が看護師の激務を軽んじている証拠なのかもしれない。

    配信でもなんでもいいから、日本人全員が見れるようにしてほしい。

    そして少しでもこの社会問題が解決方向に向かってほしいと願う。

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    救急病棟(キャパオーバー&「看護師向いてないよね」と言われ休職)→脳外科眼科病棟→結婚出産を機にサ高住ナースへ ☘️「関わり」「言葉」を大切に。 「向いていない」と言われた新人は、リーダーや新人指導を任されるように。 完璧じゃなくて大丈夫。そんなありのままの日々の気づき記録。

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