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カルパスそば【我が干しそば道 精進の176杯目】

    ●メニュー名:

    カルパスそば
    (またの名を、死肉色のラフレシアそば )

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    やぁ諸君、ご機嫌いかがかな?
    全日本干しそば党 党首の佐奈田堂さなだどうだ。
    一束の干しそばから始まる、偉大なるマンネリズム劇場、
    我らが全日本干しそば党 党本部公式noteへようこそ。
    本日も諸君たちの潜在意識に熱く、深層心理に諄くどく語りかけるマンネリズムでサブリミナルな一杯をお届けしよう。
    そして今回は、日常の中に潜むささやかな異変、
    それを一杯のそばとして顕現させる試みを記録していく。

    いいかね諸君、
    我らが日々朴訥にとり行う干しそば道とは、実は単なる食事ではない。
    それは、己の内面を丼に投影する行為なのである。

    そして時に‥、それは美しさではなく、
    人の本能に訴えかける「何か」として現れることもある。

    本日の一杯は、まさにその類のものである。
    フフフ、どうも不穏な空気を感じないかね?
    引き返すなら今のうちだぞ。

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    ●解説:

    今回点てたのは「カルパスそば」である。
    いただき物のチョリソーカルパス(無選別品)を惜しげもなく蕎麦に投入し、今流行りの「進化系肉そば」の極北を目指した試みだ。
    カルパスという洋の要素に合わせ、薬味は長ネギではなくタマネギ。七味ではなく黒胡椒。さらに黒煎り七味も重ねる。

    ここまでは、まだ良かった。
    問題は、その“結果”である。

    私は丼を前にして、一瞬、動きを止めた。

    ‥これは、何だ。
    そば、ではない。

    咲いている。

    それも、ただの花ではない。
    死肉色の花弁を広げ、
    腐臭をもって虫を誘う、あの異形の花の王

    ラフレシアである。

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    (Rafflesia arnoldii / ラフレシア・アルノルディイ Wikipediaより)

    中央に集約されたタマネギとスパイス。
    その周囲に展開する、赤く艶めくカルパスの花弁。
    そして、その下に潜む干しそばという大地。

    構造は、あまりにも完成されていた。

    ラフレシアは、死肉の色と匂いでハエを誘い、
    受粉という目的を果たす花である。

    この一杯に腐臭はない。
    むしろ香りは、普通に美味そうだ。

    だが、視覚が拒絶する。
    点てた瞬間から、本能が警鐘を鳴らしている。
    「これは、何かがおかしい」と(;゚д゚)ゴクリ…

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    (Rafflesia arnoldii / ラフレシア・アルノルディイ Wikipediaより)

    ふと、頭をよぎったのは‥、戦後の闇市だ。

    焼け跡に立ち上がった、名もなき屋台の群れ。
    そこでは、手に入るものを手に入る形で食に変え、
    ただ生きるために、ただ腹を満たすために、
    名もなき一杯が日々、無数に生まれては消えていった。

    そこに「美意識」などというものはない。
    あるのは、生存と、衝動と、混沌だけである。

    本日のこの一杯は、どこかその空気をまとっているように思えてならない。
    残飯をコンクリートミキサーにぶちこんで吐き出したような、そんな異形さをまとう一杯にみえるのだ。
    なによりここまで闇落ちしかけた一杯だ、この一杯には、闇市のカストリ焼酎がとても似合いそうである。
    ただしカストリ酒には、たまに吞んではならないメチルアルコールが混入されているので用心が必要だ。

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    (屋台でカストリ酒を飲む人々。瓶にはアルコール度数を記した札のみで中身は不明 1947年)

    そして、今日の干しそばについてもお伝えせねばなるまい。
    この干しそば、信州ほしの製造「挽きたて香る信州そば」、企業内のコードネームでローソンspecと呼ばれるこのローソンPBそばは、40年を超える我が駄そば道、そして10年に及ぶ干しそば道を歩んだ私が「これぞ駄そば、これぞ大衆そば!」と心の底から感銘を受けた干しそばで、世の駄そば大衆そばファンに最も一押しの、ローソンでしか手に入らないPBそばなのである。お陰で満足いく一杯に仕上がった。
    信州ほしの製の代表的な干しそばには「信州田舎そば小諸七兵衛」「信州小諸七兵衛更科そば」「信州手振りそば」の三種があり、私が愛するローソンspecは、いわばそれらに続く第四の蕎麦といえるものだ。
    ここだけの話だが、実は信頼できる確かな筋からの情報によると、この干しそばは、どうやら過去に同社で発売されていた商品をローソン仕様にして再提供を始めたものだということなのだ。
    つまりこの干しそばローソンspecは、同社の小諸七兵衛や信州手振りそばの「実の親」といえる存在なのだろう。
    ・・まさに、あの有名なアメリカのことわざどおりではないか。

    老兵は死なず、ただ去っていく
    ‥ふりをして
    表舞台から身を隠しゴッドファーザーになる

    (原文)Old soldiers never die,They just fade away. And behind the scenes, he becomes a godfather.(嘘)

    信州ほしの製の干しそばには、その他にも歌手のDEEN池森氏とのコラボ品「信州小諸 池森そば 小諸ニハ兵衛」が存在する。

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    ●干しそば:

    信州ほしの製 挽きたて香る信州そば 235円/税込(4束入り)
    《ローソンスペック》
    販売は星野物産

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    ●つゆ:

    キッコーマン濃いだし本つゆ
    ヤマサしょうゆ
    (つゆ50cc しょうゆ10cc 水300cc)

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    ●チョリソーカルパス:

    製造 (株)楯岡ハム

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    ●タマネギ:

    北海道産

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    ●黒煎り七味:

    エスビー(10振り)

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    ●黒胡椒:

    エスビー(5振り)


    ●コメント:

    ‥はっきり言おう。今回は、奇をてらい過ぎた。
    美意識としては、大敗北である。
    なにより見た目が、本能的に気持ち悪い。

    味は悪いというほどではないが、旨いとも言い切れない。
    ‥いや、これは明らかに旨くはないな。
    カルパスの食感と蕎麦が合わない。さらにいうと、そば汁の熱でカルパスの脂分が溶けて、蕎麦自体に異様なヌメりを与えるのだ。
    これが何だか気持ち悪い。
    油が溶けだして半端に温まったカルパスも最低だ。傷みかけて味が落ちた安い肉を喰らっているようで非常に不快になる。
    カルパスは、やはりビールと共にあるべき存在なのだろう。

    だが、この失敗は無駄ではない。
    干しそばとは、完成を求めるものではないのだ。
    試行錯誤、その連なりこそが道である。


    ●注意点:

    この先、二度と点てることはないだろう一杯だ。
    故に注意点も浮かんでこない。


    ●全日本干しそば党 党首より:
    干しそばの神様、蕎麦神様。本日は誠に良い学びを賜りました。
    この失敗を糧とし、次なる一杯へと昇華させる所存にございます。
    蕎麦神様は偉大なり。
    蕎麦神様は偉大なり。
    蕎麦神様は偉大なり。

    諸君、
    干しそばの光に( ゚д゚ )クワッ!!

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    ●追伸:
    全日本干しそば党の歴史は、Instagramから始まった。
    https://www.instagram.com/sanada_do/

    ※本稿は、Instagram 2026年2月13日のPOSTより引用・加筆

     
     
    ここは私が干しそばで点てた家そばの備忘録。決して町の立喰いそば屋の食レポではない。私は干しそばで点てる駄蕎麦・大衆蕎麦を日々世界に発信する秘密結社「全日本干しそば党」党首である。党は現在、北は北海道から、南は遠く海を越え香港に支部を置く。 諸君、干しそばの光に( ゚д゚ )クワッ!!

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