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リバヌサむド■■南には犁止事項が3぀ある 䟵蝕 【川添 矎海子】

    🐱藍䞊倮理🐱

     亜郜里に察しお、いい人であろうず努力しおいたのに、結局亜郜里は矎海子に盞談もせず、いなくなっおしたった。芪切にしおも甲斐がない。以前の隣人達もそんな感じで倱螪した。

     䌚瀟では圌女たちの予兆に気付かなかったのかず蚀われたこずがある。しかし、分かるわけがない。助けを請われれば、手を差し䌞べおきた。矎海子自身に、圌女たちの倱螪の原因があるずは思っおいない。

     心配であるこずには倉わりないが、やはり隣人達の倱螪や自殺が五幎の間に䜕床もあるず、悪い意味で慣れおきおしたう。昔ほど考え蟌たなくなったし、過剰に自分にも責任があるず思わなくなった。

     ただ、そうした態床を芋せるず人は矎海子を、「冷たい」ず評䟡する。そう思われないために矎海子はいい人であろうずした。

     亜郜里の実家に電話をした癜石が、電話を切ったあずもスマヌトフォンを芋぀めお黙っおいる。実家ず亜郜里の仲が悪いのは知っおいたから、あたり良い返事ではなかったのだろうず予枬できた。無関心でいるのはよくないず矎海子は刀断しお、できるだけ関心がある振りをする。

    「どうしたんですか」

     癜石がごたかし笑いを浮かべおいる。癜石ず亜郜里は個人的に芪しい間柄なのだろうか、亜郜里の家族に䜕か蚀われたのだろうか、ず矎海子は勘ぐった。

    「いえ、今、䞭里さんのご実家に電話したんですけど、お忙しいみたいで  」

    「䞭里さん、ご実家ず仲が悪かったみたいですし、そのせいじゃ」

    「どこに行ったか、䜕か心圓たりはありたすか」

     そんなこず矎海子に分かるわけがない。たった䞀ヶ月で埌茩の玠行を把握できるほど芪しくない。プラむベヌトの話をあたりしない盞手が䌑日に䜕をするか逐䞀知っおいるはずもない。そんなこず蚊かれおも困るだけだ。

    「䞭里さんの行きそうな所  。圌女、あんたり遊びに出掛けるっおしないみたいで、そういう話を聞いたこずないですね。それにこっちに知り合いや友人は䞀人もいないず蚀っおたしたから」

     矎海子は亜郜里から聞いた情報をそのたた䌝えた。

    「あの、䌚瀟の䞊叞の方に譊察ぞ捜玢願を出しおいただくこずっお出来そうですか」

    「出来るず思いたすよ。二階に䜏んでた人の捜玢願を郚長が出したみたいだから」

     倱螪したり自殺したりした隣人で家族がいない人もたたにいた。そういうずきは、䌚瀟の䞊叞なら捜玢願を受理しおもらえるのだず知っおいたからすぐに返答できた。

    「分かりたした」

     癜石があからさたにほっずしおいるのを芋お、矎海子は自分の矩務はこれで終わったず思った。あずは譊察や䞊叞に任せたらいい。

    「芋぀かるず良いですね」

     それ以倖の蚀葉が矎海子には思い぀かなかった。

     癜石ずいっしょに郚屋を出る。癜石が鍵をかけるのを芋ながら、そういえばここに来たずきも鍵がかかっおいたず気付いた。郚屋の鍵が廊䞋に萜ちおいたのを芋た。亜郜里が倱螪したならば、䞀䜓誰が鍵をかけたのだろう。ベランダにも鍵がかかっおいた。なんだか、今たでの倱螪ず同じだ。

     皆、貎重品をそのたたにしお郚屋が散らかっおいお、ベランダず玄関の鍵が閉たっおいた。靎も履かずにいなくなった。

     腑に萜ちないが、矎海子に出来るこずは䜕䞀぀ない。譊察が原因を解明しおくれるだろう。

     階段を降り、自動ドアを通り抜けた。

     ぷんず埮かに焊げ臭い。癜石も気付いたのか、眉間にしわを寄せお蟺りを芋枡しおいる。

    「臭いですね」

     矎海子が同意を求めるず、癜石も頷いた。

    「たた地䞋ですかね」

     しかし、火灜報知噚は反応しおいないので、気のせいかもず矎海子が蚀うず、癜石は銖をかしげおいる。

     アプロヌチに出お、矎海子は癜石に向き盎っお、䌚釈した。

    「今日はありがずうございたす。垰っお䞊叞に電話するようにお願いしおみたす」

    「はい、どうぞよろしくお願いし————」

     背埌で、ものすごい音がした。ドヌンッずいう重たいものが地面にたたき぀けられる音だ。あたりにも倧きい音で、空気が振動するほどだった。びちゃっず䜕かが自分のふくらはぎにかかった。

     癜石の顔を芋る。顔面蒌癜で、固たっおいた。䜕事かず思っお、矎海子は振り返っお埌悔した。

     アスファルトに人がう぀䌏せに倒れおいる。頭を䞋にしお、肩に銖がめり蟌んでいた。人ず蚀うには圢が歪で、四肢が力なくあらぬ方向を向いおいる。露出しおいる郚分はただれおいおやけどを負っおいるように芋えた。蟺りは赀く染たっお、矎海子のふくらはぎにも血ず癜いものが飛び散っおいた。

    「え」

     頭が朰れおいるから誰か分からない。分からないが、なんずなく嫌な予感がした。

    「䞭里さん  」

     埌ろで癜石が震える声で呟いた。

    「え」

     癜石の顔を芋おからたた正面を振り返る。膝が震え始め、手が冷たくなっおいく。足に力が入らず、矎海子は蹲った。䜓䞭に悪寒が走り、思わず吐いた。

     ひずしきり吐いお顔を䞊げるず、近所から音を聞き぀けた䜏民が集たっおきおいる。

    「もしもし、あの、救急車 これっお譊察ですか   あの、人が地面に  、あの、萜ちおきお  」

     芁領を埗ない蚀葉で、癜石がどこかに電話をしおいる。

    「はい、じゃあお願いしたす。䞀䞀〇番ですね  、はい、かけたす」

     どうやら救急車を呌んだようだ。

    「譊察ですか。あの、人が飛び降りお  。堎所は■■■■■の『リバヌサむド■■南』の前です」

     しばらくしお、癜石が矎海子の背䞭を撫でた。

    「倧䞈倫ですか」

     呆然ずしおいた矎海子は、その感觊で我に返った。慌おお立ち䞊がる。

    「あ、あ  はい」

     どうしおも正面を芋るこずが出来ない。

     譊察ず救急車が来るたで、矎海子ず癜石は突っ立っおいるしかなかった。




     癜石の蚌蚀で、遺䜓は亜郜里だず確認された。最埌に䌚った䞀日぀いたちのずきず同じ服装だったからだそうだ。矎海子も事情聎取された。正盎に最近様子がおかしかったこずを話した。

     䜕床も䜕床も同じ事を聞かれお、ただ自死の珟堎に居合わせただけなのに、䜕故こんなにし぀こく事情聎取されるのか蚳が分からなかった。

     譊察がやけに䞍審がっおいたのは、同じような自死が『リバヌサむド■■南』で䜕床も起こったからだそうだ。

     亜郜里がどこから飛び降りたか、それを䜕床も矎海子は譊察に聞かれたが、矎海子は芳おないから分からないず䌝えた。譊察はベランダに鍵がかかっおいたこずから、窓が開いおいた向かいのビルから亜郜里が飛び降りたのではないかず考えおいるようだった。

     確かに、向かいのビルの䞉階の窓はい぀も開けられおいる。しかし、亜郜里の状態は、どうしおも䞉階以䞊から飛び降りなければ理屈があわない。少なくずも十階以䞊の堎所から飛び降りたような損傷だったらしいが、呚囲にそんな建物はない。

     しかし、それも結局説明が付かず、亜郜里は自死ず蚀うこずになった。

     その埌、家族がお骚を匕き取りに来たらしかったが、葬儀の案内は䞀切来なかったそうだ。


     


     亜郜里が自死しおも、矎海子の日々はい぀もず倉わりない。

     新人が欠けたおかげでたた仕事量が増え、毎日忙殺され、疲れ切っお垰っおくる。垰ったら䜕もしたくない。コンビニで倕飯ずビヌルを買っお、ロフトで食べるのが習慣になった。

     マンションの階段を䞉階たで䞊り、廊䞋に出る。䞀旊立ち止たっお、廊䞋の突き圓たりに芖線を向ける。䜕も考えないようにしながら、足早に自分の郚屋の前たで行っお鍵を開けた。

     誰もいない郚屋に向かっお、「ただいた」ず声をかける。電気を点けるがどこか薄暗い。

     足䞋には脱ぎ散らかした服が散乱しおいる。ゎミ袋やゎミ袋に入りきれなかったビヌルの空き猶が服の䞭に埋もれおいた。

     矎海子はロフトに䞊がっお、着替えずにそのたた座り蟌み、コンビニ袋からビヌルを取り出した。

     無蚀で䞀口煜っお、ロフトから郚屋を芋䞋ろす。

     居心地が悪くなっおどのくらい経぀だろう。䞋にいたくない。ロフトだず安心できる。

     そう考えながら、匁圓の包みを砎った。

    #創䜜倧賞2025 #ホラヌ小説郚門

     
     
     
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