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呪願の代償 終章 バッドエンド

     箕形第一小学校の生徒達の間では、新たに生まれた噂話で持ちきりだ。

    『死ぬ電話』の噂話はいつの間にか飽きられて消えた。


     子供達は、おばあちゃんやおじいちゃんに、この町で実際に起こった昔話を教えてもらう。

     母親や父親が交わす、町内会で小耳に挟んだ不幸な話に、子供達は耳をそばだてる。

     町のみんなが知っている噂話と交じって、子供達は面白可笑しくこそこそ話をした。


    『怖いお化けをやっつけてた拝み屋さんが死んじゃったんだって』

    『この前、あそこの古い井戸に、女の子が落ちて死んだんだって。お父さんもお母さんもみーんな死んだんだって。あの家に住むと不幸になるんだって』

    『昔、あそこの井戸に人喰い婆があかちゃんをいーっぱい捨てていたから、あかちゃんの祟りにあうんだって』

    『怖いね?』

    『怖いね!』


     不審者が出なくなった公園で遊ぶ子が増えた。公園で拾った綺麗なラムネ瓶を、得意そうに持っている子もいる。

     ブランコで遊んでいる男の子も片手にラムネ瓶を持っていた。

     近くにいた友達から、「その瓶、綺麗だね、見せてよ」と話しかけられた。男の子は慌ててラムネ瓶を後ろ手に隠して、「嫌だ。この瓶は、僕の物だから」と見せなかった。

    「何だよ、けち。もう遊んでやんない」

     行こ行こと、その子を置いてみんな別の遊具へ走って行った。

     男の子はブランコから下りて、走り去った友達を眺める。

    「何だよ、このくらいで遊ばないって。けちなのはおまえらじゃん」

     男の子が不満を漏らした。

     ほんの少しだけ、綺麗なラムネ瓶が煤けた。



     子供達がまことしやかに噂し合う。

    『ラムネ瓶を拾ったらお願い事をしたらいいよ、絶対に叶うから』

     

     
     
     
    ホラー物書き。感想ください。褒めてください。 漫画原作:大野ちた (アマゾンアソシエイトに参加しています) 創作大賞2024ホラー小説部門角川ホラー文庫賞受賞。 「完璧な家族の作り方」「胡乱な聖典の信じ方」 2026年8月7日発売。「海から来るもの」