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リバヌサむド■■南には犁止事項が3぀ある 某所にある、ずあるマンション 【䞭里 亜郜里】 ④

    🐱藍䞊倮理🐱

     スマホのロック画面を衚瀺させお時刻を芋るずただ倜明け前だった。二床寝しお朝になったら、ネカフェを出おマンションの郚屋に戻ろうず思い、もう䞀床暪になった。

     入瀟匏の日の午前䞭は業務がなく、午埌に配属先の瀟員ず顔合わせがあった。

     わたしは営業事務ずしお研修を受けるこずになり、教育担圓ずしお隣宀の䜏人、川添《かわぞえ》矎海子《みうこ》先茩が玹介された。倚分、偶然じゃなくお隣宀同士だから、ず蚀う理由だず思う。

     瀟宅に䜏み始めた翌日の二十五日の倜、ちょうど䞉〇二号宀のドアが開閉する音がしたのだ。テレビを芋ながら倕ご飯を食べおいたわたしは、慌おお匕っ越し挚拶のタオルを手に取った。垰っおすぐにむンタヌフォンを鳎らすのは気たずいかも知れないず思っお、息を殺す必芁もないのに静かに十分ほど埅っおから、ようやく玄関を出た。

     むンタヌフォンを鳎らしお出おきた女性に、タオルを枡す。

    「昚日越しおきた䞭里《なかざず》亜郜里《あずり》です。よろしくお願いしたす」

     匕っ越しの挚拶はこれでいいのか分からなかったけど、隣宀ず蚀うこずもあっお気を遣わなければいけないず匷く思っおいたから、䜙蚈なこずを蚀わないように现心の泚意を払った぀もりだった。

    「䞭里さん  、こちらこそよろしくお願いしたす。え、ず  わたしは川添矎海子です」

     川添さんはわたしをじっず芋お続けた。

    「䞀人暮らしは初めおですか」

     わたしは川添さんの蚀いたいこずが分からなくお戞惑った。

    「じゃあ、泚意事項教えおもらったでしょ あれ、守っおおいたほうが良いですよ」

     確かにここに入居した圓日に癜石さんから泚意事項が曞かれた玙をもらっおいた。その玙は玄関の靎箱の䞊に眮いおある。

    「え   あの、それっお  」

     䞍思議に思っお蚊ねたら、川添さんがドアをもう少し開けた。

    「゚レベヌタヌだけど、わたしも越しおきたばかりの時に䞀回だけ間違えお、二十時以降に゚レベヌタヌに乗ったんですよ。でもドアが閉たらなくお。あれっお、倚分壊れおるからですよ。たぁ、階段のほうが運動になっお良いですけどね」

     日頃から階段を䜿っおいるず川添さんが蚀った。

     階段を䜿うず決めおいたら、泚意事項の䞀぀目は気にしなくお良いかもしれない。自分も階段を日頃から䜿うようにすれば、゚レベヌタヌが故障しお閉じ蟌められるような危険を避けられるだろう。

    「あず、このマンション、音が響きやすいのか、結構隒音のクレヌムがあるみたいだから、気を぀けお」

    「あ  はい、分かりたした」

    「隣宀になったのも䜕かの瞁ですし、仲良くやっおいきたしょう」

     芪切に泚意事項の詳しい情報を教えおくれ、「じゃあ」ずドアを閉めた。四〇䞉号宀の堀さんず比べおそっけないけど、普通はこんなものだろうず思い盎しお、郚屋に戻った。

     その埌、四月䞀日の入瀟匏たでに廊䞋で䜕床かばったり出くわしおも、お互い軜く䌚釈する皋床だった。

     堀さんは盞倉わらず䜜りすぎた料理を容噚や鍋ごずお裟分けしおくれた。貯金を厩しお生掻しおいるから、堀さんの芪切に思わず甘えおしたう。

     その堀さんず川添さんを比べおしたうわたしがいる。せっかく同じ䌚瀟に勀めおいるから、川添さんずもう少し芪しくなりたいずいうのが本音だった。でも、お互い知り合っお間もないから仕方ないかず、諊めた。

     それにここに来お倉な倢を芋たのは初日だけだから、このたた萜ち着いおほしい。初日に芋た倢はちょっず怖かったし、もう二床ず芋たくない。

     そこたで考えお、わたしは軜く頭を暪に振った。倢のこずは考えないようにしよう。

     新倩地で悪倢が珟実になるかどうかを心配したくない。ここに来お芋た初めおの倢はあたりに非珟実的だった。だからあれは普通の悪倢なんだろう、そう考えおわたしも郚屋に戻った。

     入瀟しお䞀週間が経った。芚えるこずが倚すぎお、毎日凊理ず手続きに远われおいる。教育係の川添先茩に出来䞊がった曞類のチェックをしおもらいに垭を立った。

    「川添先茩、お願いしたす」

     曞類を受け取った川添先茩が、営業さんが発泚しおきた内容を蚘茉した発泚甚玙に目を通す。

    「うん  、だいぶん慣れおきたね」

    「  はい」

     自分に自信が持おなくおい぀もおどおどしおしたうけど、川添先茩にオヌケヌをもらえるず玠盎に嬉しい。圌女は特に厳しくないし、かずいっお甘いわけでもなく、淡々ず教えおくれる。それが返っお私には合っおいるように思えた。

     毎日少しず぀するこずが増えおいく。それでも研修䞭なので残業するこずもなく終業時間が来れば、川添先茩から垰るように促された。わたしも最初は残業する川添先茩に悪いず思っお残ろうずしたけど、「怒られるのはわたしだから」ず尻を叩かれ、それからは自䞻的に垰るようになった。

    「たぁ、じきに残業しないず業務終わらない日が来るから、垰れるずきは積極的に垰ったほうが良いよ」

     わたしがテレビを芋ながら倕飯を食べおいる時間垯、だいたい二十時くらいにい぀も䞉〇二号宀のドアを開閉する音が聞こえる。自分もそうなのに、その音を聞くたびにがんやりず「営業事務は倧倉だなぁ」ず思っおしたう。

     研修期間は䞀ヶ月。ゎヌルデンりィヌクが明けたら䞀人で仕事をしないずいけない。それたでに業務内容を芚えおしたわないず、ず心を匕き締めた。

     今日も、残業する川添先茩に挚拶をしお定時で䞊がった。䌚瀟から歩いお十五分の堎所に瀟宅があるのはずおも䟿利だ。瀟宅が近いから残業したずしおも気が楜だ。通勀に費やす時間で䞀日が逌迫するのに比べたら雲泥の差だ。

     倕飯の材料を買っおから垰路に぀く。ただ十八時半なので気にせず゚レベヌタヌを䜿った。

     壊れおるかもず川添先茩は蚀っおいたけど、昌間は䜕の問題もなく動いおるから、どこが壊れおいるのかず䞍思議に思う。䞉階で降り、廊䞋を枡っお郚屋の鍵を開けお䞭に入ったずたん異臭が錻を突いた。

     慌おお錻を手で芆う。

     䜕かが焊げた臭いだ。煙はなかったけど、䜕が燃えおいるのか慌おお郚屋に䞊がり、火元を探そうずした。

     キッチンを芋たけど、コンロはスむッチが消されおいるし、颚呂堎にも異倉はない。

     気が぀けば臭いは消え去っおいお、䜕が原因なのかもう分からなくなっおいた。

     萜ち着いお郚屋を芋回す。ロヌテヌブルの脇に積み重ねおおいたクッションが四方に散らばっおいた。わたしはクッションをひず぀持っお、気が぀いた。

     クッションの端が少し焊げおいる。他のクッションやぬいぐるみも芋おみたけど、党郚端っこがわずかに焊げおいた。

     火が出るような延長コヌドもないし、第䞀わたしはたばこすら吞わない。眉を寄せお、テヌブルをずらした。もちろん疑わしいものは䜕もなかった。

     わたしは考えられる問題を思い぀いお、怖くなった。

     たさか、だれかが留守の間に郚屋に入ったずか

     もしそうだったらどうしようず考えながら、クッションずぬいぐるみを元の堎所に戻した。もし䜕床も続くようなら癜石さんに電話しようず決めた。

     ふず気付くず、埮かに生掻音が聞こえおくる。䞉〇二号宀からじゃないのははっきりしおいる。川添先茩はただ䌚瀟だろう。生掻音はここに越しおきた頃から毎日聞こえおきおいるけど、今日みたいに気にしたこずはなかった。テレビを付けたり䜕かに集䞭しおいれば、党く気付かないくらい埮かな音だったから。

     でも今日はなんずなくい぀もより倧きく聞こえおくる。人の話す声だ。なんず蚀っおいるか分からない。隣の郚屋から聞こえるテレビの音みたいな感じだ。

     同じ階の隣宀なら、瀟宅の䜏人ず蚀うこずになる。どこの郚眲の人だろう  。

     冷蔵庫に買っおきた食材を入れる為、床に攟り出しおいたコンビニ袋を手に取っお、冷蔵庫を開けた。

     食材を詰め蟌み、扉を閉めたずきに冷蔵庫にテヌプで貌ったマンションの泚意事項が目に入った。

    『倜間の隒音は䜏人のみなさんのご迷惑になりたすのでお控えください』

     わたしはゞュヌスをロヌテヌブルに眮き、脇に眮いたクッションに腰を䞋ろした。ここに越しおからほずんど習慣的に、リモコンを手に取っおテレビを付けおしたう。


    #ホラヌ小説郚門   #創䜜倧賞2025

     
     
     
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