海月の人魚 |半透明ハイキング
あなたに、恋をしていた。
たゆたう海の中、半透明のわたしはふわふわと浮かぶ心許ない存在。
ある日浅瀬に流された私のそばに、あなたが飛び込んできた。
生前好きだった人に似ていた。楽しそうに海を泳ぐあなた。
海の支配者に会いに行き、せめて人魚にしてよと懇願する。
あの夜、海の泡になって消えた私は、こんな弱い存在に変えられてしまっていた。
支配者は悪魔のように笑った。
「その姿でいられるのは、願いが叶うまでだ。次はお前の魂を食ってやる」
引き換えに、半透明の人魚になった。
ついに、あなたがきてくれた。
早朝のまだ誰もいない海辺にあなたがいた。
浅瀬の岩に腰掛け、あなたに微笑む。
息を呑んだあなたは
「なんて綺麗なんだ....」と呟いた。
朝日を透かした私の身体は輝いていた。
2人で冒険した。珊瑚礁の森でダンスしたり、岩場に腰掛けてたくさん話した。

わたしの身体はもうほとんど透けていた。

あなたがキスした瞬間、わたしの身体は海にたゆたう泡に変わった。
フォロワーさんたちが参加していて面白そう!と思い今回初参加です。よろしくお願いします。
