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15分でできる作業は、15分確保できた者の話である──鼻をかんでいたら社長がきた

    今回は総務あるあるエッセイ。


    「こんなん15分ありゃできるじゃん。」

    ——これは、上の立場の人間がよく放つセリフである。
    たしかに、作業そのものは15分もあれば終わる。
    だが問題は、“その15分をどうやって確保するか”に尽きるのである。


    あるファイルの確認作業を15分で終わらせようと決意した。
    結果として、それは悲劇のはじまりだった。

    まず、共有フォルダを開いた。
    その瞬間、電話が鳴る。

    「〇〇ですね、代わります。」


    戻ってファイルを開いた。
    また電話が鳴る。

    「〇〇は今、会議中です。」


    再び作業に戻ろうとしたら、今度は受付電話が鳴った。
    「〇〇運輸さんですね、ただいま参ります。」

    荷物を受け取り、宛先の社員に届ける。
    席に戻る。


    立ったついでにウォーターサーバーから一杯の水を汲む。

    誰かのコーヒーが飛び散っている。

    なぜ、やらかした人間が拭かないのだろうか。

    ウォーターサーバーを拭く。
    ……毎朝拭いている。

    なぜ、やらかした人間が拭かないのだろうか。
    (2回言った)

    「汚れてるの気にならないのかね」
    と、指摘してくる人間すらいる。

    気になるなら、あんたが拭いてよ。


    よし、ここからが本番だ。

    その前に、鼻をかむ。


    ……そのタイミングで社長がやって来た。

    「凛さん、ちょっといいですか?」


    いや、よりによって今!?

    鼻をかみながら社長と目が合う。


    静止。

    3秒経過。


    「こういう時、どんな顔すればいいのか分からないの」
    「笑えば、いいと思うよ」

    新世紀エヴァンゲリオン

    有名アニメの名台詞が、脳内で再生された。

    いや笑えない。ぜんぜん、笑えない。



    社長室から戻る。
    時計を見る。
    作業開始から、きっかり15分が経過していた。

    進捗:ゼロである。


    ここで伝えたいのは、ただ一つ。

    「15分でできる作業」というのは、
    “15分を確保できた者の言葉”である。

    その15分を確保するのが、いちばん難しいのだ。
    ある意味、それが真のスキルかもしれない。


    「じゃあ会議室でやればいいじゃん」と思う人もいるだろう。
    だが、私は知っている。
    会議室はみんなのものである。
    作業のために占拠するなど、私にはできない(気にしい体質)。


    そうか。
    だから人は在宅勤務を求めるのか。

    誰か宛の電話に出ることもない。
    宅配便にも対応しない。

    ウォーターサーバーだって拭かなくていい。
    社長に鼻をかんでる瞬間を目撃されることもない。

    ただ、自分の作業にだけ集中できる。


    リモートは
    電話も来ない
    鼻かめる。


     
     
     
    30代ワーママ。開設10日で0→1達成済み。ワーママ転職活動の悩み、人事の本音なども発信してます(人事歴15年超)。2026年夏、動画生成AIにハマり、楽しく記事を書いていたら、まさかの企業案件を2社受注。生きたいように生き、書きたいように書いていたら、副収入も着いてきました😊

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