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Photo byhiiro_archive153

あの暗闇の駐車場が、私の生きる原点

    こんにちは、愛音です

    いつだったのかな?
    心が真っ暗で不安で、
    押しつぶされそうな夜が一生続く、
    そんな風に思っていた

    一度でも心に闇が来れば
    もう太陽は望めない

    14歳の私は、夕飯を食べ終えて
    コートを掴んで家を飛び出た
    後ろから母が何か言ったかもしれない
    でも返事なんてしなかった
    したく、なかったから

    家のすぐそばには広い駐車場があった
    駐車場と言ってもほぼ利用されてなくて
    ただの広い土地がそこにあるだけ

    その広い土地に入ってゴロンと寝転んだ
    ガタガタのアスファルトに寝転んでも
    コートのおかげで痛くはなかった

    空を見上げば、私だけの世界がある

    駐車場近くには明かりも少なくて
    真っ暗なのは当然、そして音も滅多にしない

    真っ暗なおかげで星が見えるんだ
    冬だから空気も澄んでいる
    昼間には見えない小さな星が、今、瞳に映る
    小さな星を数えた
    星座なんて分からないから、
    せめて今夜出会えた星々の数だけでも覚えていたい

    人の気配のない寂しい駐車場
    そこが当時の私には秘密基地だったんだ
    学校は保健室登校になってしまった
    心がいつ爆発するか分からない
    この先の人生が明るくなることもない

    助けて、助けて、誰か大丈夫って言って…

    人生が真っ暗なのは怖いのに
    実際真っ暗な夜の駐車場には行ける
    なんだか矛盾してるけど理屈はあった

    心がもう真っ暗だから
    これ以上の闇に飲まれることはない
    なにより星に会える
    真っ暗闇に浮かぶ数個の星
    私の人生にも星があれば、会ってみたい
    人生に星に会って、大丈夫と言われたい
    そのためなら何度でもここに通うよ

    夜の駐車場にはどれだけ通ったか分からない
    夕飯が終われば、コートを掴んで家を出て
    いつしかそれが自分と向き合う時間になっていた
    駐車場の静けさと夜空の優しさ
    その二つがたまらなく心地よくて
    気づけば歌を口遊んでいた
    「翼をください」だった

    助けて…助けて…夜は私を迎い入れてくれるけど
    朝になれば夜空は消える…
    無神経に背中を押す、太陽なんて見たくないの…


    夜にしか居場所を見つけられなかった女の子
    冬が終わり、桜の季節がやってきたけれど
    その女の子の心には春の日差しも、ピンクの桜も
    なにも届かず、そして見えなかった
    15歳、完全に不登校になった

    夜が恋しくて、星を数えるのが落ち着いて、
    冷たいアスファルトの上に転がっても
    心は少しも寒くもなく、痛くもなかった
    口遊むのは「翼をください」ばかりだった
    歌に心を乗せ、夜空に助けを求めた
    いつか迎えに来てくれる?
    もう、明るい世界じゃ生きられないよ…

    暗闇はは私を迎えには来なかった
    私が生きるべき世界は、真っ暗な夜空じゃないから
    まだ明るい世界で、やり残したことが沢山あるから
    だからいくら手を伸ばしても、その手を取ってはくれず
    歌を口遊んでも、拍手は聴こえない
    遠くで瞬く星々からはメッセージが
    「迷ったら、ここにおいで
    でも本当の生きる世界はここじゃない」

    苦しくても、悔しくても、
    辛くても、痛くても、
    人には生きる場所がある
    闘って、守られて、
    叱られて、認められて、
    明るい世界にも少しずつだけど
    居場所を見つけた
    「ここにいて、いいんだよ」
    無神経だと思った太陽が声をかけてくれた
    温かくて、優しい声に、不意に涙が零れそうになる

    夜は好きだ
    真っ黒の心地よいベールが心を包んでくれる
    星を数えるのも荒れていた心が落ち着いた
    音がしない世界で口遊めば、いつかそれが叶う気がした

    けれど明るい世界も悪なんかじゃない
    ゆっくり私のペースを認めてくれて
    ボロボロの心を癒す温かな言葉をくれる
    それでも日差しになれるのには時間が必要だった
    明るい世界は場違いだと強く思ったから
    でもいくら時間がかかっても待っていてくれた
    明るい世界は根気強いと知った
    昼間に散歩が出来るようになると
    風の声、花の香り、
    太陽のエール、それらを改めて知った

    夕食後に家を飛び出すのを止めていた
    生きる世界を変えた
    嫌いになったんじゃない
    少しだけ、前向きになったんだ
    明るい世界で、生きられたら
    なにか、変わる?


    39歳の今
    明るい世界で生きています
    青空を見て、太陽に挨拶して、
    雲に恋して、風に尋ねる、
    それが今の生き方で、今の居場所

    あの駐車場ですごしたいくつもの夜
    きっとその時間があったから
    今は明るい世界が居場所と言えるようになったんだ
    心の癒してくれた夜の深いベール
    音のしない世界で口遊む、願いを込めた歌
    そして数えた星々、
    そこで力をためたから、今がある

    今も夜は好きです
    落ち着いて、静かで、
    月明かりも、星々も見つけると嬉しくなる
    私の原点は、もしかしたらあの駐車場だ

    しかしもうあの駐車場はありません
    私が20歳になる前には立派なアパートになりました
    うん、きっとこれが正解なんですよ
    いつまでもしがみつくことなく
    私も先へと歩くから
    いつまでもガタガタのアスファルトに寝転がる必要、
    その必要がなくなった
    1人で口遊んだ「翼をください」
    翼を手にした今、もう願わなくていい

    これが心の成長かな
    こうして世界が変化していき
    その変化に対応する
    私はそう生きている、それを選択した

    あの日、泣きそうに夜空に手を伸ばし
    たった1人で歌う翼をください
    その頃の「愛音」は
    今の「私」が温かいベールで包んでいるから
    もう、怖くない、寂しくも辛くもない

    生き続けている私のことを信じてね?

    *愛音*

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    2026/06/16
    生きる場所は
    1つじゃない
    心落ち着く場所は
    いくつあってもいいんだ
    その時々で変わるものだよ

    キミが大切に思っている
    過去のあの場所
    忘れちゃ勿体ない
    過去も抱きしめごらん
    すると今がいっそう
    優しいものへとなるからね?
     
     

    愛音

     
     
    INFJ-Tである私は、自分らしく生きたい、過去は適度に振り返り、明日に続く空を見上げて生きていきたい。 絵は描けない、歌を歌うことも出来ない、ダンスも踊れない、気持ちを表現するには書くしかできない、だから私はここ、note街にいます。

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