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【小説】おかあはい぀もちょっず倧倉 最終話

    盞矜亜季実

       最終話

     画面の䞭で閃光が走った。ただ明けない空を背に、平坊な斜蚭を映し出す定点カメラの映像が流れおいる。

     閃光は、スロヌ再生によっお光の矢だずいうこずがわかる。遠くで爆発が起こっおいるのが画面の端に小さく映った。

    「たさか、本圓に攻撃が始たるなんお」
     融はそう独り蚀ち、パ゜コンの画面を食い入るように眺めた。

     昚今の報道では、急激に緊迫状態が高たっおいるずいうこずだった。それでも、䞭東の䞀囜に向かっお、䞖界の倧囜が攻撃をするなど、実際にはありえないず思っおいた。

    「この囜、芪日囜なんですよね。ひょっずしお、珟地には日本人がたくさんいるんじゃないですか」

     その囜に䜏む人たちのこずも心配だが、芳光や仕事の関係で駐留しおいる日本人が倧勢いるかもしれないず考えるず、たすたす胞が痛む。

    「日本人の犠牲者は、今のずころ報告されおいないな。倧䜿通から避難勧告も出されおいるようだ」

     犏蔵が蚀った。

    「  やっぱり、守られおいるんですね」

     犏蔵がこちらに顔を向ける気配がしたが、融は黙ったたたニュヌスの動画を消した。

     アむの話を聞いお以来、意識するようになったのは、自分がいかに守られおいるのかずいう事実だった。

     もし犯眪に巻き蟌たれそうになれば、譊察ぞ通報するこずができる。自らの尊厳が䟵されそうになれば、裁刀を起こすこずができる。

     子䟛は教育を受け、倧人は働いお賃金をもらう。家や財産を䞍圓に取り䞊げられるこずもない。

     それは暩利ずすら呌べないほど、融たちにずっおは圓たり前すぎるこずだ。

    『日本は、いい囜ですね』
     そう蚀っお、寂しそうに埮笑むアむが浮かんだ。

    『矚たしいです、融さんや、䜐玀や、みなさんが』


    「圓たり前」は、本圓は「圓たり前」なんかじゃない。が぀んず頭を殎られたような気がした───。


    「そういえば融。これはどうする」
     犏蔵がそう蚀っお、自分のデスクの䞊に眮いおある䞀枚の封筒をかざした。

     融が自分の匕き出しを開く。䞭に入っおいる封筒は、犏蔵が持っおいるものず同じものだ。

     ぀いさっき、矎里ず哲也が事務所を蚪れた。

    「恩人を探しおくれお、本圓にありがずうございたした」
     そう蚀っお、二人は犏蔵ず融に深く頭を䞋げた。

    「報告曞、俺も読みたした」
     哲矢が感嘆のため息をもらす。

    「やっぱ、本物の探偵さんっおすげえっす。俺らが調べおも、党然わかんなかったのに」

    「あたりめヌだろ、䞀緒にすんな」
     矎里がその埌ろ頭をはたいた。犏蔵がそんな二人の様子に目を现める。

    「あっ、すみたせん。これ、謝瀌です」
     矎里が䞀通の封筒を差し出した。犏蔵が䞀瀌しお受け取る。

    「ありがずうございたす。お茶を淹れたすから、どうぞ座っお䞋さい」
     そう蚀っおカップボヌドのある奥ぞ向かう犏蔵の背に、

    「あのっ、実は、今日はこれを枡したくお」
     矎里が声をかけた。鞄から別の封筒を取り出す。

    「今床、結婚匏をやるんです。うちら金がないから無理だっお思っおたんですけど、うちんずこの店長が、店を貞し切りにしおお祝いしおくれるっお」

     䞀通を犏蔵に、もう䞀通を融に差し出した。照れくさそうな矎里の隣で、哲矢は満面の笑みを浮かべおいる。

    「もちろん、柟人さんの垭も䜜る぀もりです。柟人さんのおかげで、今のうちらがいるんだし」

     矎里が埮笑んでそう蚀った。犏蔵が目を现めお頷く。

    「犏蔵さんず融さんにも、来おいただけたら嬉しいんですけど  」
     䞊んで頭を䞋げる二人に、

    「もちろん、慶んで出垭させおいただきたす」
     犏蔵が恭しく頭を䞋げた───。

     犏蔵は自分の封筒を広げ、

    「結婚匏ずなるず、知らない人がたくさん来る。無理しなくおもいい」

     招埅状に目をやりながら尋ねる。融が銖を振った。

    「僕、わかったんです。逃げおるから䜙蚈に怖いんだっお」

     そう蚀うず、融は県鏡を倖した。倪いフレヌムをそっずたたむ。

    「僕も犏蔵さんみたいに、誰かを守れるように匷くなりたいです」

     犏蔵は融をじっず芋おいたが、やがお目を现め、

    「『人を知る者は智なり、自らを知る者は明なり』」

     ず呟いた。

    「え、どういう意味ですか」
     融が目を䞞くする。犏蔵はそれに答えず、封筒を䞁寧に匕き出しの䞭に入れた。

     ふいに電話が鳎った。
    「はい、犏を呌ぶ探偵事務所です」
     犏蔵が察応する。融は腰を浮かせた。

    「承知したした。お埅ちしおいたす」

     犏蔵が受話噚を眮き、怅子ごずくるりず融に向き盎る。息を詰めおこちらの様子を窺っおいる融に目をやった。

    「次の仕事だ」


     犏蔵が立ち䞊がり、スヌツに袖を通す。融はカップボヌドに向かうず、電気ケトルのスむッチを入れた。









                             おわり


     最埌たでお読みいただき、ありがずうございたした<m(_ _)m>

     
     
     
    noteも4幎目になりたした(*•̀ㅂ•́)و✧ Kindle出版始めたした。 2020幎に千葉文孊賞を受賞、web公開されおいたす。 https://www.chibanippo.co.jp/novel/745075 創䜜倧賞は2023、2024で䞭間審査を通過。

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