
コイン専業のある一日 ~ vs 初心者~
今日も、コイン専業は期待値を追いにポーカー店へ向かう。
店に入った瞬間、なんだか今日は見たことのない顔ぶれが混じっている。
「あぁ、今日は狩場の日だ。」
卓には、 ルールをギリギリ理解してるくらいのカップル。
そして、 その周りを取り囲む、 プレイが荒いだけの自称「レグ」。
普段はやたら寡黙なくせに、 初心者が座った瞬間だけ急に饒舌になる。
そして、カップル以外、チップは深い。
カップル以外、 全員ストラドル。
誰も隠そうとしない。
狩りが「始まる」のを待ってる。
周囲のハンドレンジが、 目に見えて壊れていく。
本来フォールドされるゴミみたいなハンドで、 次々と参加してくる。
「相手が初心者だから。」
その一言で、 全員、自分を正当化してる。
地獄絵図。
でも、 本当に面白いのはここからだ。
カップルの女の子側が、 突然Tハイボードで、
ダブルポットのドンクを打った。
意味不明。理論もサイズ感も存在しない。
なのに。
さっきまでチップをついばもうとくちばしを伸ばして待ち構えていたカラス達が、
急に黙って降り始める。
笑っちゃうよな。
一番怖いのは、 「理解できない人間」だったりする。
そして別のハンド。
その女性が3ベットしてきた。
俺の手札はKQo。
普通なら4ベットしてもいい。
でも、 今日は違う。
初心者の3ベットにブラフはない。
Aハイか、ハイポケットがせいぜいだろう。
そして初心者は4ベットして降りることもない。
彼女のバックスタックも残りわずかだ。
だから、 わざとコールで止めた。
フロップ。Qハイ。
女が小さく打つ。さっきはダブルポットだったのに、怪しい。
ということは。。。
全部見えた気がした。
Q当たってないし、KK AA も薄いだろう。
俺は、 一応考えるフリだけして、 そのままオールイン。
周りが少し静かになる。
女、 悩む。
めちゃくちゃ悩む。
でも、 コール。
JJ。
そこでようやく、 周りのハイエナ達が少しだけ騒つく。
「うわ、あるな…」 みたいな顔。
トゥワイスに、俺は余裕で応じる。
1回目。落ちない。
2回目。もちろん、 Jは来ない。
全部、 俺がスクープだ。
このゲームは、 上手いだけじゃ勝てない。
空気を読める奴が勝つ。
そして、 初心者を「狩る思考」に回った瞬間、 だいたい人は弱くなる。
相手を尊重した上で、でも弱点はつく。
そんなことを考えながら、
俺はさっきまでポットに入っていた大量のチップを
何食わぬ顔で整えているのだった。
今夜はまだまだ長くなりそうだ。