
ファッション英語vol12.一流の褒め言葉ーカール・ラガフェルドはこう褒める!
褒めるは、センス。
海外では、特にファッションの世界では、褒めることは
コミュニケーションの第一歩。
同時に、どんな言葉を選ぶかは、あなたのセンスの名刺代わりになります。
褒め方ひとつにも美意識は現れます。
今回は、カール・ラガフェルドの褒め言葉から学ぶファッション英語です。
シャネルの伝説的デザイナー、カール・ラガフェルド
モードの帝王とも呼ばれた彼は、
キャロライン・ベセット・ケネディをこう評しました。

Source: Sunita Kumar Nair, CBK: Carolyn Bessette Kennedy: A Life in Fashion.
(「彼女はブランドガールではないよ。彼女の着るものは、すべて彼女らしく見えるんだ」)
この言葉は、単に「何を着ても似合う」という意味ではありません。
Label girlとは、ブランドが先に立つ人、ブランドで自分を語る人。そんな少し皮肉を込めた彼らしい言い方です。
ラガフェールドが伝えたかったのは、主役はラベルでなく、彼女自身だということ。
彼女が着ると、その服はブランドの服ではなく「彼女の服」になる、ということです。
彼女はベイシックな装いで知られていました。突飛なものを身につけている
わけでもない、けれど、そのコーディネイト、その着こなし方によって
洗練された印象を醸し出します。
手に届きそうで、届かない。
思わず、「これはどこの?」と知りたくなる。
けれど、人の印象に最初に残るのはブランドではなく
彼女自身です。
だからこそ、
”Everything that she wore looked fabulous on her. ”
という言葉になったのでしょう。
この場合、見逃せないのが、”on her”です。
この onは、「彼女の上に」という意味ではありません。ファッションでは、
「その人が身につけたとき」、
もしくは「その人が着ることで」という意味になります。
例えば、
That dress looks amazing on you.
(そのドレス、あなたが着ると本当に素敵。)
Blue looks great on her.
(彼女は青が本当によく似合う。)
といったように、服そのものではなく、その人が着ることで完成する美しさを表すときによく使われます。
つまり、主役は服でなく、その服を着る”人”なのです。
だからラガフェールドは、このonで、
服でなく着る人が主役、という美意識まで語っているのでしょう。
彼女が着るからすばらしい、と。
おしゃれ好きな女性にとって、こんなに刺さる褒め言葉があるでしょうか。
加えてラガフェールドは、もう一つこんな言葉も残しています。
"She has the look of the nineties."
(彼女こそ90年代を体現した女性だ。)
Lookというと、”見た目”を表しますが、
ファッションでは、その時代の空気感、美意識をまとった印象、
という意味で使われます。
時代のムードを体現という意味あいです。
例えば、
She has that effortless French look.
(肩の力が抜けたフレンチシックな雰囲気だね)
のようにも使われます。
「彼女こそ’90年代そのものだ」、
この言葉は、本物志向、そして内面を重視するミニマリズムなファッションの本質を見抜いた言葉でもあります。
褒められる方も、褒める方も一流。
美意識が交差する、ハイエンドの褒め言葉。
ああ、思わず心が震える賞賛です。