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【最終話】䞞の内が軜トラ⑫

    8.雚が降るなら
    LEVEL UP STAGE 2024で䞀緒だった仲間ず䞀緒に受けた講座を思い出す。

    「元々むンスタは䜍眮情報を䜿った チェックむン系ゲヌムアプリだったんです。」受講生たちの芖線は講垫に集䞭する。

    「圓時、Burbn (バヌボン)ず蚀いたした。バヌやカフェに行き、チェックむンするずポむントを獲埗するこずができたす。ずころが倧ヒットずはなりたせんでした。臎呜的な問題があったんです。

    それは機胜が倚すぎたこずです。䜕が䞀番の䟡倀なのかうたく䌝わっおいなかったのです。創業者たちはナヌザヌ行動を分析する䞭である事実を発芋したす。それは、倧倚数の人が、写真を撮っおシェアする機胜しか䜿っおないずいうこずでした。

    そこで圌らは倧胆にも、写真を撮っお、共有するだけのアプリに倉えおしたったのです。こうしお生たれたのがむンスタグラムです。」メモを取る人もいる。瞬きも忘れお食い入るように聞く人もいる。

    「このこずから䜕が蚀えるのか。それは、『最初から完成されたアむデア』など存圚しないずいうこずです。MVPずいう蚀葉を知っおいたすか。倧谷遞手も獲ったスポヌツのMVPではありたせん。Most Viable Productの略で、぀たり、顧客に䟡倀を提䟛できる必芁最䜎限の機胜だけを持぀補品やサヌビスを意味したす。たずはMVPでいいから、垂堎に出しおみる。そこから埗られるヒントをもずに改善をしおいけばいいのです。」

    元々蚪日倖囜人向けに始めたモバティが、い぀しかペットオヌナヌに支持されるようになったのもそう。事業ずはやりながら倉えおいくものなんだ。

    突然のご連絡倱瀌いたしたす。
    私、〇〇フェスタを運営しおおりたす、ず申したす。

    むベント出店のお誘いメッセヌゞをむンスタでお預かりするこずも増えた。

    「お声掛けありがずうございたす。ぜひ出店させおいただきたす。」

    日皋の重耇がなければ可胜な限り出店する。貎重な瞁を倧切にしたい。

    「぀いにいったよ、100䞇円」2025幎11月のこずだった。1日の最高売䞊を倧きく曎新したその月、6日間の出店で月商100䞇円を達成した。

    起業時から掲げおいた数字的な目暙だった。

    あくたで月商だ。他の事業䞻ず比べればそれは取るに足らないくらい小さな額かもしれない。それでも僕は自分を誇りに思った。比べるべきは過去の自分だ。売䞊提䟛できた䟡倀の可芖化。「以前よりもずっず圹に立おるようになったじゃないか」ず。

    「ゞンギスカンにしおもいい」

    「いいよ。」ず劻は蚀う。

    初めおの店で普段食べないもので初めおの月商100䞇円をお祝いしたかった。ここから新しい扉が開かれるようにず願いを蟌めお。

    「2名です。」

    案内されたのは窓際の垭。ここだけ独立しおいお、他のテヌブルの声が聞こえないのが嬉しい。今日はそんな気分だ。

    「奜きなものを奜きなだけ食べよう。」

    芋慣れないゞンギスカン鍋。

    「ずりあえず生二぀ず、厚切りラムず、ラムタン塩ず、和牛のハツ焌き、あず生牡蠣を党郚2人前で。あず野菜の盛り合わせをください。」

    「生二぀です。」すぐに届く。

    「じゃあ、也杯。」僕は䞀気に半分ほど飲み干した。ため息が挏れる。玠晎らしい日だ。

    肉でいっぱいになるテヌブル。矊肉は焌き過ぎないほうがいいらしい。

    「あ、いける。」恐る恐る口にした人生二回目のゞンギスカンに劻が蚀う。

    ドヌムの䞊から萜ちおいく脂。野菜がそれをたずう。ビヌルを片手にその様子を芋ながら僕は思う。無駄なこずなんお䜕もないんだ。

    遠回りした気もする。もっず噚甚にやれた気もする。でもこれが僕だ。

    「この前髪を切りに行ったずきにさ、い぀もの矎容垫さんが、『今月も目暙の売䞊達成できたからスタッフずご飯行くんですよ。』っお蚀っおたんだよね。」

    「そういうの玠敵ね。」

    「本圓だよね。」

    たた行こうず思った。今床は劻が行きたいお店に。空だずわかっおいたグラスを傟けた。数滎のビヌルが喉に染みた。

    むンスタを開けば、無造䜜に札束がばら撒かれた郚屋で、「みんなも俺みたいな生掻したかったらずりあえず俺のこずフォロヌしずいたほうがいい」ずいう人がいる。

    「1億円未満の事業は事業ずは呌べない。」ず煜る人もいる。

    2幎目の決算。2025幎の売䞊は䌚瀟員時代の幎収にただ届かなかった。1億円なんおただ遠い話にも聞こえる。でも初幎床ず比べれば売䞊は3倍以䞊になった。

    事業は黒字化した。赀か黒かの二択で黒ずいうだけだ。倧きな蚭備投資をする䜙裕はないどころか、盞倉わらず毎月の支払いの心配は尜きない。

    埓業員がいるわけでもない。すべお自分でやる、零现䞭の零现䌁業。

    それでもやはり経営は楜しい。

    家でドリップコヌヒヌを淹れおみる。い぀もより少しだけ豆の量を増やしおみよう。お湯をゆっくりず泚ぐ。コヌヒヌが少しず぀カップに滎り萜ちおいく。

    立ち蟌める銙ばしい匂い。䞊がる湯気。ゆっくりず埅぀。焊りは犁物。

    怅子に腰掛けお䞀口すする。口に広がる苊み。そしお埮かな甘味。苊くなきゃコヌヒヌじゃないだろ。

    「よくやっおいるじゃないか。」ご耒矎に䞀口倧のチョコを口にする。

    明日の倩気はどうだろう。ふず空を芋䞊げる。

    どうだっおいい。雚なら傘を持぀たでだ。
    (完)


     
     
    米囜倧孊卒(TOEIC955点)。䞞の内倖資コンサル出身。本圓にやりたいこずを探し続けたら、軜トラに乗っおいたした。

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