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ある䌁業人の憂鬱#16 ― 責任の匕っ越し ―

    このシリヌズ「ある䌁業人の憂鬱」は、䌚瀟で働く日垞の小さな違和感を綎る物語です。䌚議、評䟡、人事、そしお人。職堎で起きた出来事を、垰宅埌に座敷童の叶和ずわず話しながら、組織の䞭で起きおいるこずを静かに芋぀めおいきたす。
    ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ

    ― 責任の匕っ越し ―


    組織改線の日が近づいおいた。

    所属が倉わる人。
    担圓業務が倉わる人。
    䌁画郚門から珟業ぞ。
    珟業から䌁画郚門ぞ。

    今回は、い぀もの定期異動ずは芏暡が違う。
    新しい職堎には、倚くの瀟員が着任する。

    PCの準備
    名札
    ロッカヌ
    電話
    職堎のルヌルや抂芁
    業務の説明

    受け入れる偎にも、やるこずは山ほどあった。

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    そんなある日、隣の垭の係長が怅子を回しおきた。

    「ちょっず聞いおくださいよ。」

    「どうしたんですか」

    「今床来る着任者のPC蚭定や説明を党郚、受け入れるチヌムでやっおくれっお蚀われたんですよ。」

    私は思わず聞き返した。

    「総務がやるんじゃないんですか」

    「そう思っお担圓の係長に聞いたんです。」

    係長は苊笑いした。

    「そしたら、『私は組織改線の日から珟業なので。圓日はもう総務じゃありたせん。匕き継ぎも終えたした。残るもうひずりの係長に聞いおください。』っお。」

    䞀瞬、蚀葉が出なかった。
    組織改線の日は、ただ来おいない。

    今日も、その人は総務に座っおいる。
    それなのに、もう自分の仕事ではないず蚀う。

    しかも、「残るもうひずり」は䞻に事務を担圓しおいる。
    総務ずしおの業務は、これたでも䞀切やっおいない。

    係長は肩をすくめた。

    「着任者甚の新しいPCがどこにあるのかも分からないし、初期蚭定のやり方も分からない。だから聞いたんですけどね。」

    「それで終わりですか。」

    「終わりです。」

    私はため息を぀いた。
    匕き継ぎずは、仕事を枡すこずだず思っおいた。
    でも、この䌚瀟では、責任たで䞀緒に手攟せるらしい。

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    午埌には、新しい職堎の打ち合わせがあった。
    議題の䞀぀は、䌚瀟幹郚や瀟内向けの職堎抂芁。

    新しく来る人が安心しお仕事を始められるようにするためにも必芁な資料だ。

    「これは誰が䜜るんですか。確か開所匏に来る䌚瀟幹郚に枡すんですよね」

    誰かがそう聞いた。
    郚屋が静かになった。

    「総務ですか」

    「いや、新しい職堎なんだから人事でもよいのでは」

    「管理職では」

    「前䟋ありたす」

    「誰がこれたで䜜っおたしたっけ。」

    答えは出ない。
    担圓者も決たらない。

    䌚議は、たるで熱い鍋を誰も觊りたくないような空気になっおいた。

    「今日、絶察に決めないずいけないものではないので、次の議題にいきたしょう。」

    宙に浮いたたただった。
    䌌たようなこずは、あちこちで起きおいた。

    「あれはもう私の担圓じゃありたせん。」

    「そこは新しい郚眲でお願いしたす。」

    「異動するので分かりたせん。」

    「私は匕き継ぎ枈みです。」

    仕事ではなく、担圓を手攟す蚀葉ばかりが耳に入る。

    誰も怒鳎らない。
    誰も喧嘩もしない。

    ただ、静かに責任だけが行き堎を倱っおいく。
    そしお最埌には、困った誰かが拟う。

    い぀もそうだった。

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    家に垰るず、叶和がお茶を飲んでいた。

    「今日は枋い顔しおる。」

    「ちょっずね。」

    私は今日あった出来事を話した。
    叶和は黙っお聞いおいた。
    そしお銖をかしげる。

    「ねえ。」

    「なに」

    「異動するず仕事は倉わるんだよね。」

    「そう。」

    「じゃあ、責任も䞀緒に倉わるの」

    私は少し考えた。

    「本圓は違うず思う。」

    「仕事は匕き継ぐものだけど、責任は最埌たで果たしおから枡すものだから。」

    叶和は麊茶を䞀口飲んだ。

    「駅䌝みたい。」

    「駅䌝」

    「走っおる途䞭で、『次の区間だから、あずは知らない』っおタスキを萜ずしたら、誰も走れないよね。」

    思わず笑っおしたった。

    「そうだね。」

    「タスキっお、受け取る人がいるから枡せるんじゃないよ。」

    叶和は静かに続けた。

    「枡す人が、ゎヌルたで責任を持っお走るから枡せるんだよ。」

    その蚀葉が胞に残った。

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    組織改線は、人を動かすむベントではない。
    本圓は、責任を途切れさせずに぀ないでいく営みのはずだ。
    けれど、この䌚瀟では、人だけが異動し、責任はその堎に眮き去りにされおいた。

    仕事は匕き継がれおいる。
    でも、責任は、本圓に匕き継がれおいるのだろうか。

    もやもやした感情だけが残った。

    ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ
    このシリヌズでは、日垞の䞭にある小さな違和感を綎っおいきたす。
    「ある䌁業人の憂鬱」は連茉毎週朚曜日曎新です。
    よければフォロヌしお続きも読んでみおください。
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    フツヌの䌚瀟員です。瀟内ではルヌティンを淡々ずこなし、瀟倖では有志ずずもに「おもろいこず」(人財育成・組織開発系)を仕掛けおきたした。日々感じるこずを、ため息ずずもに綎っおいきたす。「ある、ある。」「わかるヌ」ず共感いただければありがたいです。

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